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第六話 恐怖軍団その五
「あいつはまた優し過ぎるんだよ」
「確かに」
「アイオリア様もそうですけれど」
「アイオリアよりも優しいな」
 デスマスクはそう見ていた。
「あれで聖闘士になれるのかね。まあそれでもな」
「それでも」
「俺達の中で教皇やれるとしたら・・・・・・まあいいさ」
 最後は言わなかった。
「帰るぞ、いいな」
「あっ、はい」
「わかりました」
 六人もそれに応える。
「明日だ、明日はガチでやり合うことになるからな」
「ええ、では今日は」
「これで」
 聖闘士達も姿を消した。最後にデスマスクが姿を消す。しかしこの時彼はふと右肩越しに後ろを振り向いた。だがそれは一瞬のことですぐに首を元に戻し彼も消えたのだった。
「気付いているのかもな」
 物陰に隠れている一人の男が呟いた。彼もまた戦場に到着していた。しかし今は動かない。デスマスク達の活躍を見守るだけだった。
 デスマスクと狂闘士達の前哨戦はすぐにシオンの耳に入った。彼の前にはシュラとアフロディーテ、それにカミュが控えている。
「まずは上々といったところか」
「はい」
「デスマスクならば当然かと」
 シュラとアフロディーテがシオンに対して答える。
「ですがそれでも」
「どうした、カミュ」
「デスマスクには悪い癖があります」
 カミュはシオンに対して述べた。
「悪い癖か」
「確かに実力はかなりのものです」
 仮にも黄金聖闘士だ。その実力は認める。しかしそれと共に危惧するものがある。カミュが言うのはそういうことだった。
「ですが。相手を侮りますので」
「それはよい」
「よいのですか」
「そうだ」
 シオンははっきりと言い切った。
「デスマスクはあれで相手の実力を的確に見抜く」
「的確に、ですか」
「それは前世から同じだ。御前達もまた」
「前世!?」
「教皇、それは一体」
 今のシオンの言葉にシュラもアフロディーテも顔をあげた。そのうえで彼に問う。
「いや、これは何でもない」
 だがシオンはそれは彼等には答えようとはしない。言葉を打ち消してきた。
「御前達には関係のないこと。忘れよ」
「左様ですか」
「それでは」
「そしてだ」
 シオンはさらに三人に言ってきた。
「いずれ御前達にも出陣してもらう」
「はっ」
「わかりました」
 三人は彼の今の言葉に頷いた。
「ではその時は」
「狂闘士達を一人残らず」
「倒して御覧にいれましょう」
「頼むぞ。彼等は手強い」
 これは忠告だった。
「用心してかかるようにな」
「はっ、確かに」
「それはもう」
「そしてだ」
「そして?」
 シュラとアフロディーテが応えたところシオンはまた告げてきた。
「シャカ」
「はい」
「何っ!?」
「何時の間にそこに」
 見れば三人の後ろにシャカが立っていた。相変わらず目を閉じている。それはまるで彼が盲目のようにも見える。しかしそれは違うのは誰もが知っていた。
「先程からいましたが」
「嘘だ。気配は感じなかったぞ」
 カミュがその彼に言う。
「それで何時の間にそこにいたと言えるのだ」
「いや、これはまさか」
「そうです。まさか彼は」
 だがシュラとアフロディーテはここであることに気付いたのだった。それは。
「その小宇宙は私達のものよりもまだ」
「そうか。伊達に神に最も近い男と言われている訳ではないな」
 カミュも二人の言葉を聞いてそれを認めるのだった。
「このカミュにすら気付かせなかったか。見事という他ない」
「シャカ、御前にはこの聖域の守りに専念してもらいたい」
「はい」
 シャカはあらためてシオンのその言葉に頷く。
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