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第七十話 先手その四
「話によっては答えてもいいが」
「何をだ?」
「九人だけか」
 アイオリアが問うたのはこのことだった。
「貴様等九人だけで来たのか」
「インプ達も呼べば来るが」
「それがどうかしたのか?」
「聞きたいことはそれだけか?」
「あの男はいないのだな」
 アイオリアは彼等に対してさらに問うた。
「アスモデウスは」
「リゲル様は後ろにおられる」
「ここにはおられぬ」
 こう答える彼等であった。
「残念だったか?」
「我等が相手で」
「別にそうは言っていない」
 アイオリアの返答は至って落ち着いたものだった。
「特にな」
「そうか。ならばいい」
「我等が相手でいいというのならな」
「それではだ」 
 アイオリアはまた彼等に問うた。
「貴様等は何者だ」
「ふふふ、我等がか」
「何者だというのだな」
「そういえば狂闘士達は四つの軍団に分かれていた」
 ダイダロスはこのことを指摘した。
「火、炎、災難、恐怖だったな」
「如何にも」
「それがどうかしたのか?」
「そしてそれぞれの軍団に所属していたな」
 ダイダロスの言葉は続く。
「アスモデウスは火の軍団を率いていた筈」
「ベールと共にだったな」
 ダンテも言った。するとだった。
「その通りだ。我等は火の軍団の者だ」
「それに属している」
 彼等もそのことを認めてみせたのだった。
「その通りだ」
「では名乗ろうか」
「では名乗るがいい」
 アイオリアが彼等に対して応えた。
「今からな」
「ではだ」
 こうして彼等は名乗りはじめた。まずは。
 赤い燃える様な髪の男だった。
「公爵、アロケンのザカリア」
「公爵、キメリエスのリシュエル」
 青い長い髪と目の男である。
「侯爵、オリアスのハガル」
 大柄の金髪の男である。
「子爵、オロバスのエゼキエル」
 黒い髪と目の中背の流麗な男だ。
「子爵、ゴモリーのエンテ」
 赤髪と黒い目の美女だ。
「男爵、サレオスのカムイ」
 水色の髪と目をした男である。
「男爵、ヴェパールのクレア」
 白い髪に灰色の目の少女だ。
「公子、エリゴスのレネ」
 銀色の髪と黒い目の小柄な少女である。
「公子、ウコバチのザール」
 黒い髪と目の少年だ。
「我等火の軍団の九人がだ」
「相手をしよう」
「わかった」
 アイオリアが彼等の名乗りを受けたうえで言葉を返した。
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