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第五話 デスマスク出陣その七
「所詮雑兵だな。積尸気冥界波を使うまでもなかったかな」
「そうだな。それは我々にこそ使うべき技」
「前座が終わって本隊登場ってわけか」
「キャンサーのデスマスクだったな」
「もうわかってると思うがな」
 その声達に対して応える。
「違うか?」
「ふっ、確かに」
「その通りだ」
 禍々しい赤い鎧にその身体を覆う者達が姿を現わす。まずは大柄な男が名乗った。
「俺は子爵フォラスのサムソン」
「男爵ストラスのアトロム」
 今度は青い目の優男が。その髪はかなり長い。
「公子ヴァピュラのロファール」
 少年だった。まだ幼さの残る顔だ。
「我等三人がまず相手をしよう」
「三人がかりってわけかよ」
「その割には不敵そうだな」
 アトロムがデスマスクの顔を見つつ問う。
「しかも至ってな」
「余裕があるというのか、まさか」
 ロファールはそのことに不安を感じているようだった。
「我等三人を前にして」
「ああ、生憎だがその通りだぜ」
 デスマスクは楽しげに笑ってロファールのその不安に答えるのだった。
「悪いが俺も実力じゃかなり自信があるんだ。負けはしねえぜ」
「言ってくれるな。まさに大言壮語だ」
 サムソンは一言でこう言い捨てた。その言葉と共にゆっくりと前に出る。
「かつて聖戦で御前達聖闘士を圧倒した我等狂闘士、しかも三人を前にして」
「それが言えるとはな」
「この男、頭がおかしいのか」
 アトロムとロファールはこう思ったのだった。
「キャンサーの黄金聖闘士は他の者とはかなり違っていると聞いたが」
「おう、そこのガキ」
 デスマスクはそのロファールに対して言葉をかけてきた。
「何だ?」
「もうママにお別れの挨拶は済ませたんだろうな」
「何っ!?」
「戦争をやるんだ」
 デスマスクが言うのはそれであった。
「例えガキだろうが爺だろうが女だろうがな。攻撃は避けちゃくれねえぞ」
「無論そのつもりだ」
 何故か言葉に強がりが見えるロファールだった。
「我等はアーレス様の狂闘士。戦場で戦うことこそがその責務」
「それを愚弄するというのか」
「馬鹿か、御前等」
 ロファールも問い詰めてきたところで軽い言葉を出してみせてきた。
「戦場で戦うのは当然なんだよ。このデスマスクはな」
「御前がどうしたのだ?」
「相手が誰だろうが容赦しねえってことだ。アルデバランやアイオリアとは違ってな」
「違うというのか」
「そうさ、誰だろうがぶっ殺してやるがそれでもいいな」
「望むところだ」
 アトロムが前に出る。やはり血気盛んな感じだ。
「御前は俺が倒す。狂闘士の力見せてやる」
「何か知らねえが随分気合の入ったガキだな」
 デスマスクが彼から受けた印象はその程度だった。それ以上でもそれ以外でもない感じなのがその表情からも容易に見て取れる。
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