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第四話 八大公その三
「我等が闘うことを」
「これからがあるからです」
「これからか」
「そうです」
 ジークの言葉に答えた。
「ここで闘いを終わらせるのも何です。楽しみが減ります」
「確かにな」
「それは」
 リーヴェの言葉にカナンとレダが頷いた。
「この連中を放っておけば今後も楽しめる」
「最初で終わらせては面白くないということか」
「その通りです。だからこそここは」
「わかった」
「それでいい」
 カナンとレダはそれでよしとしたのだった。リーヴェの言葉に従い後ろに戻った。だがジークはまだ前に出たままだった。リーヴェはその彼に声をかける。
「貴方は退かれないのですか」
「俺としては。このカプリコーンが気になる」
「気になるというと」
「面白いのだ」
 これが彼の言葉だった。
「この男。どうやらかなりの剣技の様だ」
「確かに」
 リーヴェは目を閉じてジークのその言葉に頷いた。
「カプリコーンからはかなりの小宇宙を感じます。鋭い小宇宙を」
「この鋭さ。俺が望むものだ」
 赤い剣に主の顔が映されている。表情は変わっていないが赤く光っていた。
「闘いもまたな」
「では。闘われますか」
「いや」
 しかしジークもまたそれをしようとはしなかった。
「ここは御前の言葉に従っておくとしよう」
「有り難うございます」
「それではな」
「はい」
 こうしてジークもまた退いた。こうして八大公は全て退いた。だが黄金聖闘士達と対峙しているのは相変わらずだった。その中でリーヴェは彼等に対して告げた。
「私ですが」
「リーヴェですね」
 ムウが彼の名を呼んだ。
「確か」
「そう。ルキフグスのリーヴェ」
 狂闘士の戦衣も名乗った。
「それが私の名です」
「リキフグスのリーヴェですか」
「八大公の一人」
 これもまたあらためて名乗る。
「以後お見知り置きを」
「もう一つ聞きたいことがある」
 黄金聖闘士達の中からアルデバランがリーヴェに対して問うてきた。
「何でしょうか」
「ルキフグス、ベリアル、ベールゼブブ、ベール、そしてアスモデウス」
 今ここで名乗った八大公の者達だ。
「残りの三人の名を聞いておこう」
「よかろう」
「それでは」
 アルデバランの言葉を聞いて残り三人が一歩前に出て来た。そうして銘々に名乗るのだった。
「ミシェイル」
 白く長い髪に瞳を持つ青年めいた顔立ちの男だった。
「アスタロトのミシェイルだ」
「モロクのドーマ」
 くすんだ金髪と鳶色の目の頑健な大男である。
「覚えておいてもらおう」
「サリアです」
 癖のある蜂蜜色の髪と青い瞳の少女めいた美貌の顔の少年だった。物腰もその身体つきもまるで女性だ。
「サタナキアの狂闘士です」
「サタナキアのですか」
「これで八人」
 ムウとカミュが言う。
「全てがわかった」
「ではそういうことでまた」
 リーヴェが黄金聖闘士達に告げる。
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