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第四十九話 竪琴の力その三
「しかしその前にだ」
「何をする気だ?」
「この者達がいる」
 今ここで。己の左右に控える狂闘士達を見回した。そのうえで言うのだった。
「貴様等をここで倒す者達だ」
「まずは私だ」
 またリュートが言ってきた。
「最早私のことは知っているな」
「如何にも」
 こう静かに返すカミュだった。
「もう知っている」
「ならば私の名乗りは終わった」
 リュートは何時の間にかレダの左右にいた。そこで同志達と共に控えているのだった。
「では他の同志達の名乗りを聞くのだ」
「いいだろう」
 カミュはリュートのその言葉を受けて頷いた。
「それではだ。名乗るがいい」
「公爵、ネビロスのクレーベ」
 背の高い精悍な若者だった。
「公爵、アガリアレプトのレティーナ」
 赤い目と髪の女だった。燃えるような赤だった。
「侯爵、ラウムのカトリ」
 小柄な銀髪の少女である。
「伯爵、フラウロスのリーリエ」
 鋭い青い目と白い髪の女だ。
「子爵、ヴァラクのボーイ」
 巻き毛の長い茶髪の中性的な男であった。
「男爵、ブロケルのティータ」
 長い紫の髪に黄金の目の女だった。
「男爵、ブネのクリフ」
 青い短い髪の若者だ。
「公子、ロノベのシルク」
 小柄で可愛らしい少女である。以上八人だった。
「我等九人がレダ様と共に」
「御前達の相手をする」
 こう聖闘士達に告げてきたのだった。
「覚悟はいいな」
「それで」
「戦う覚悟は最初からできている」
 カミュはここでも冷静であった。
「だが」
「だが?」
「敗れる予定はない」
 ここでも冷静なままだった。
「それは最初から今でもない」
「ないというのか」
「我等に敗れる予定は」
「そういうことだ。何ならここで見せてもいい」
 言いながら己の周りに軽い吹雪を出してみせてきた。
「どうするのだ」
「面白い。ならば」
「我等の力。見せてくれよう」
 狂闘士達はカミュの言葉に対してそれぞれジリ、と前に出た。しかしここでレダがその彼等に対して告げるのだった。
「待て」
「レダ様」
「それでは」
「そうだ。ここは戦うことはない」
 こう彼等に告げるのである。
「いいな」
「ではアクエリアスは今は」
「その命を預けておくというのですね」
「そういうことだ。今はこれで終わりだ」
 これ以上仕掛けないというのである。
「わかったな」
「はっ、それでは」
「その様に」
 レダの言葉には礼儀正しく従う彼等だった。
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