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第四十六話 第五の戦場その四
「そのことにつきましては」
「わかってるのかよ」
「はい。アーレスには確かにカリスマ性があります」
 ムウが言うのはこのことだった。
「それに多くの者が惹かれ」
「中にはエンジェルだった者もいた」
「天闘士だった者も。そういうことか」
「いえ、そうではありません」 
 ムウは今度はアイオリアとアルデバランの言葉に応えていた。
「天使、即ち天闘士達の中でアーレスに惹かれた者が狂闘士となったのです」
「アーレスに惹かれた者が」
「そうなったと」
「我々アテナに仕える者達は聖闘士」
 ムウは今度は自分達のことを述べた。
「海皇ポセイドンに仕える者は海闘士、冥皇ハーデスに仕える者は冥闘士」
「そうだったな」
「そして天皇ゼウスに仕える者が天闘士だ」
 アイオリアとアルデバランはムウの話を聞きながらまた述べた。
「その天闘士達の中でアーレスの考えに賛同した者達が狂闘士となったのです」
「するとあの者達はあれなのだな」
 ミロはムウの話をここまで聞いたうえで述べた。
「言うならば堕落した天闘士達なのか」
「堕落と言うのかどうかはわかりませんが破壊と殺戮を選んだのは確かです」
 それは間違いないというのであった。
「それだけはです」
「ゼウスではなくアーレスを選んだのか」
 カミュもまたここまで聞いて述べた。
「あの者達は」
「それも自分の意志で、です」
「自分の意志でか」
「アーレスを選んだというのか」
「そういうことです」
 今度は今ここにいる仲間達全員に対して告げたムウであった。
「彼等は自らの意志でアーレスを選んだのです」
「それだけ戦いたかったということか」
「だからこそアーレスに」
「そして誰もがアーレスに対して絶対の忠誠を誓っています」
 ムウはこのことも話したのだった。
「全員がです」
「そういえばそうだな」
「ああ」
「確かにそうですね」
 今のムウの言葉に頷いたのはシュラ、デスマスク、アフロディーテの三人であった。既に狂闘士達と激しい戦いを繰り広げた三人が今のムウの言葉に頷くのであった。
「狂闘士達はアーレスに対して強い忠誠心を持っている」
「そんなのが何になるかって思うんだがな」
「絶対と言っていいまでの」
「そうだな」
 アルデバランもまた三人と同じく頷いたのだった。
「我等がアテナに誓っている忠誠と同じ強さだ」
「アーレスには確かにカリスマがあります」
 ムウはまたアーレスのカリスマ性を指摘した。
「それによってです」
「狂闘士達はアーレスに従っている」
「そういうことか」
 アイオリアとミロもここで頷いた。
「我等が平和を願っているように」
「あの連中はあの連中で破壊と殺戮を願っているのか」
「しかしだ」
 だがここでカミュが言うのだった。
「租の破壊と殺戮を許すつもりはない」
「どうしてもですね」
「当然だ」
 カミュの言葉はそれが当然といったものであった。至極冷静でもあった。
「平和を守る。それが我等聖闘士の義務だからな」
「その通りです。我々は平和とこの地上にいる人々を守ることが責務です」
 ムウの言葉もその中に強さを含んだものになっていた。
「だからこそ。アーレスの正義を認めるわけにはいきません」
「その通りだ。では私も行くとしよう」
 カミュは言った。
「ここでの宴の後でな」
「おう、最後まで食うんだな」
「このスペイン料理を」
 今のカミュの言葉にデスマスクとシュラが応えた。デスマスクは笑顔になっている。
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