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第四十五話 激突の果てにその一
                  激突の果てに
 対峙を続けるアルデバランとドーマ。その中でドーマがまたアルデバランに対して言ってきた。
「インフィニティホーンは破られた」
「だがそれだけではないというのだな」
「そうだ」
 彼は言うのだった。
「モロクの力はそれだけではない」
「力だけではないというのか」
「また言っておくことがある」
 ドーマの言葉が少しあらたまったものになった。
「モロクのことは知っているだろう」
「無論だ」
 アルデバランは当然といった調子で彼に言葉を返してみせた。
「かつてゲヘナの地で崇められていた魔神だな」
「その通りだ。そして多くの子供達が生贄に捧げられていた」
 キリスト教ではそれを恐るべき悪魔の行いとしてきた。その為にモロクは魔神であるとされてきたのである。モロクにはそうした信仰があったのだ。
「その生贄の子供達は炎に焼かれてきた」
「そうか。炎か」
「その通りだ。このドーマは炎も使う」
 ここでまた言うドーマであった。
「司る魔神モロクの力としてな」
「炎を使う魔神モロク」
 アルデバランは今モロクについて述べた。
「それが貴様だというのだな」
「如何にも。それではだ」
「炎の力を使う」
 アルデバランの目が次第に再び鋭くなってきていた。
「今ここでか」
「行くぞ」
 またこの言葉を出すドーマだった。
「我が炎。受けてみるのだ」
「来るか」
 アルデバランは逃げようとはしなかった。腕を組んだままそこに仁王立ちしているだけである。これまでと同じ様に立っているだけである。
「ならば」
「今度は先程のようにはいきはしない」
 ドーマはこのこともアルデバランに対して告げてきた。
「それもわかっておくことだな」
 この言葉と共にであった。彼の両腕に今度は炎が宿った。そのモロクの炎が。
「受けてみよ。我がもろくのドーマの次の奥義」
「次のか」
「ゲヘナインフェルノ!」
 技の名前を叫ぶと共に両腕を前に突き出す。するとそこから凄まじい炎が沸き起こり嵐の様にアルデバランに対して襲い掛かったのであった。
「むうっ!」
「衝撃を打ち消すことができてもこれはどうか」
 ドーマは技を繰り出したうえでアルデバランに対して問う。
「タウラスよ、貴様のグレートホーンもこれは打ち消すことはできない」
 彼はこのことも考慮に入れているのだった。
「さあこの炎を受けて死ぬのだ」
 そしてこうも彼に告げた。
「生贄達と同じようにな」
「この炎」
 アルデバランは既に炎の渦の中にあった。もうその姿は見えはしない。
「確かに恐るべきものだ」
「受けてみてわかったか」
「いや、既にわかっていた」
 それはもうわかっているというのだ。
「だが」
「だが?」
「受けてみてわかることもある」
 そのうえでこうも言うのだった。
「これがゲヘナの炎か」
「幾万もの命を焼き尽くした炎」
 やはりそれも生贄達のことである。
「受け。そして倒れるがいい」
「確かに恐ろしい炎だ」
 アルデバランはまたこの炎を恐ろしいと表現した。
「俺もまたこの中で焼かれるだろう」
「逃げはしないのか」
「俺は逃げはしない」
 アルデバランはそれは否定する。
「だが」
「だが。何だ?」
「この技もまた打ち消すことができる」
 しかしここでこう言ってみせたのだった。
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