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第三話 ローマへその三
「カレーですが」
「やっぱりそれかよ」
「それしかないと思っていたが」
 デスマスクとシュラはそれを聞いてやけに納得した様子であった。
「しかもこれは」
「鶏のものと羊のものだな」
「その通りです」
 アフロディーテとカミュに答える。
「インドでは牛肉は食べませんので。ですからシェラスコは」
「そう言うと思って羊のシェラスコも用意しておいた」 
 何気に気の利くアルデバランであった。
「それを食ってくれ」
「わかりました」
「私はあまりこれといって作れないのですが」
 しかしムウはムウで色々と作っていた。
「一応作らせて頂きました」
「何か黄金聖闘士は料理ができる奴が多いんだな」
「貴方はどうですか、アイオリア」
 ムウはそのアイオリアに対して問うた。
「ギリシア料理は」
「一応はな」
 あるというのだった。
「だが俺のそれは。まあ」
「男の料理か」
 アルデバランはすぐに察しをつけてきた。
「いや、これだ」
「これ?」
 一同が見たのは茄子と挽肉の重ね焼きとグリーンサラダだった。サラダはオリーブとワインビネガーをふんだんに使っていて快い香りを出していた。
「美味ければいいが」
「少し胡椒が強いと見受けますが」
 ムウはそのグリーンサラダ、ギリシアサラタを見て言った。
「ですがそれでかなり味がよさそうですね」
「香辛料はいいんだな」
「はい」
 ムウはミロの問いに答えた。
「ネパール生まれですので」
「そうか、御前はネパール出身だったな」
「そうです。ですから」
 インドの影響があるので。香辛料が強いのはいい国なのだ。
「大丈夫なのです。カレーもいけます」
「そうなのか」
「ところでミロ」
 アイオロスがミロに問うてきた。
「何か」
「御前の料理はないのか?」
「ない」
 何の隠し事もない言葉だった。
「そんなものはできない」
「料理はできないのか」
「そうだ」
 本当に隠しはしない。
「今も天蠍宮では宮殿の者達が作ってくれている」
「おい、それは駄目だろう」
 アルデバランがすぐに突っ込みを入れてきた。
「自分で作らないと」
「その通り」
 シャカもそれに賛同する。しかし目は開けない。
「私も既に弟子を持っているが私の分は自分で作っている。時として弟子達にもな」
「目を閉じていてか」
「どうということはない」
 シャカにとってはということだった。なお十二宮にはそれぞれ専属の人員がいる。彼等が黄金聖闘士達の世話をしたり宮殿の雑務を行っているのだ。
「私には何も見えているからな」
「そうなのか」
「それよりもだ」
 アルデバランはまだミロに言う。
「ミロ、御前も料理をだな」
「だから俺は料理は駄目なんだ」
 意外な話だった。そもそも黄金聖闘士が料理をするということ自体が中々ないことであろうが。しかしそれでも彼等が料理をしているのは事実だった。
「悪いがな」
「そうか」
「そうだ」 
 またアルデバランに答える。
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