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第三十七話 砂漠においてその九
「その通りだが」
「だったら。どうやってなんだ?」
「運転するあんた達はここにいるけれどさ」
「今運転しているのは誰なんだ?」
 彼が今度尋ねるのはこのことだった。
「運転してここに車を運んでくるのは」
「誰なんだよ、一体」
「あんた達がここにいるのにさ。誰なんだよ」
「そのことも心配する必要はない」
 だがまたモーゼスが彼等に答えるのだった。
「それもな。抜かりはない」
「あれっ、じゃあ超能力か?」
「それで動かしてるのか?ひょっとして」 
 聖闘士の中には超能力を使える者もいる。とりわけ黄金聖闘士になるとセブンセンシズに目覚めているだけあってその超能力はかなりのものであるのだ。
「まさかとは思うけれど」
「アルデバラン様が。ひょっとして」
「いや、俺は今は何もしていない」 
 その本人の言葉だ。
「超能力もだ。使ってはいない」
「あれっ!?それじゃあやっぱり」
「モーゼスかアルゲティがか?」
「そうなるよな」
 彼等はこう考えた。しかしすぐに気付いたのであった。
「けれどよ、二人共超能力そんなに得意か?」
「だよな、あまり聞かないよな」
「なあ」
 二人は白銀聖闘士達の中ではパワーファイターとして知られている。超能力を使うことでは殆ど知られていないのである。
「確かに俺は超能力は得意ではない」
「俺もだ」
 そして二人もそれを認めた。
「そういうものはな」
「あまりな」
「まあそうだろうな」
「そんな感じだからな、どう見てもな」
「なあ」
 そして青銅の者達もそれで納得するのだった。そして納得したここでその車が来たのだった。見れば見事な白いキャンピングカーだった。
「で、運転してるのは?」
「誰なんだよ」
「実は人を雇っていた」
 答えたのはアルゲティだった。
「俺とモーゼスで手配をしていた」
「実はな」
「ああ、そうだったのかよ」
「何だ、何かって思えばよ」
「そんなことだったのだよ」
「当たり前だ。幾ら何でも超能力をわざわざここで使うものか」
 モーゼスが彼等に答えた。
「狂闘士達に見つかってしまうだろうが」
「まあそうか」
「そういえばな」
 言われてそのことに気付く彼等だった。今更だが。
「とにかくこれでバグダットまでだよな」
「じゃあそういうことでな」
「さて、では乗り込むぞ」
 アルデバランが彼等に告げてきた。
「暫く車での生活になる。いいな」
「ええ、わかりました」
「それじゃあ」
 彼等はそれに頷きそのうえで乗り込み発進するのだった。ここまで車を持って来た現地の人とはお金を渡した上で別れた。そうして遂に彼等も進みはじめた。


第三十七話   完


              2009・6・6
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