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第一話 狂闘士強襲その三
「アーレス様が復活されるまでもない」
 静かで美麗だが何処か血に塗れたものを思わせる声であった。
「ここで陥落させてみせる。聖域をな」
 最後にこう呟くと踵を返し何処かへと去るのだった。彼女もまた何処かに向かおうとしていた。
 聖域。今ここに多くの聖闘士達が集まっていた。青銅聖闘士もいれば白銀聖闘士もいる。彼等は聖域のコロシアムに集まりそこで待機していた。コロシアムの中はローマにあるそれと酷似しておりかなりの大きさだ。しかし今ここにいるのは聖闘士達だけであり他の者達はいなかった。
 その中で白銀の聖衣を着ている者達の中で話す者達がいた。隻眼の大きな男が女と見紛うばかりの美麗な顔の男に声をかけていた。
「ミスティ」
「どうした、モーゼス」
「この度の召集はどう思うか」
 ホエールのモーゼスはリザドのミスティに対してそれを問うのだった。彼は怪訝な顔でミスティに問うていた。
「この度の召集か」
「そうだ。突如として全聖闘士を集めた」
「しかも噂によればだ」
 もう一人出て来た。精悍な顔をした男だ。
「サガ様とアイオロス様も直々に出られるらしい」
「何っ!?」
 ミスティもモーゼスもサガとアイオロスの名を聞いて思わず声をあげた。
「黄金聖闘士も出るというのか」
「しかも二人もか」
「まだ噂だがな」
 その男セントールのバベルはこう二人に述べた。
「どうやらな」
「馬鹿な。黄金聖闘士が二人もだと」
「今聖域にいる御二人がか」
「これは間違いなく何かあるな」
 次に出て来たのはやや小柄な男だった。ハウンドのアステリオンである。
「サガ様もアイオロス様もその御力は歴代の黄金聖闘士の中でもかなりのものだという」
「うむ」
 それだけサガもアイオロスも力はかなりのものがある。しかも黄金聖闘士は一人だけでもそれこそ世界を左右できるだけの力があり聖域にとっては最後の切り札だ。その黄金聖闘士が二人も出るということはこれまでの聖域の長い歴史でも滅多になかったことだったのだ。それこそ聖戦でもない限りは。
「その御二人が出られるとは」
「しかも我々を全員集める」
「あたし達だけじゃないよ」
 赤い髪をした仮面の女が出て来た。服はスパッツ状のレオタードになっている。
「魔鈴か」
「黄金聖闘士が全員揃ったね」
「あ、ああ」
「そうらしいな」
 四人は魔鈴のその言葉に応えた。
「連中も全員来るさ」
「黄金集結か」
「そうさ。確か前の聖戦以来だったね」
 冥皇ハーデスとの聖戦のことだ。その殆どの聖闘士が倒れたという。
「全員集結するっていうのは」
「いや、一人おられん」
 だがここでアステリオンが言う。
「ライブラの老師だけはな」
「そうだったね」
 魔鈴もそれは気付いていなかった。不意にそれに気付いて言う。
「それは済まない」
「だが。私達と同じくあの方々も確か」
「そうさ。聖闘士になって間もない」
 今度はミスティに答えた。
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