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第十三話 帰還してその二
「あの二柱の神々だけではない」
「あの連中だけじゃない?」
「冥皇ハーデスのことは知っているな」
「ハーデス」
 その名を聞いたデスマスクとサガの目の色が一変した。
「あいつですか」
「我等の宿敵」
「そうだ。あの冥皇ハーデスの側近である二柱の神」
 その二柱の神のことを二人に告げた。
「あの二柱の神の様な存在もまた考えられる」
「ですが教皇」
 今度口を開いたのはサガだった。
「先にもアーレスとの聖戦がありました」
「うむ」
「しかしあの時姿を現わした神はアーレスとエリスのみ」
 サガが知っているアーレスとの聖戦ではそうなっている。
「二柱だけでしたが」
「私も今それを調べている」
 シオンもまだいささか懐疑的なようだった。
「神話の時代までな」
「そういえば教皇」
 デスマスクはここで教皇に述べてきた。
「先の戦いまであのハーデスの側近の二柱の神」
「うむ」
「タナトスとヒュプノスの正体を捉えることはできませんでしたね」
「その通りだ」
 先の聖戦の生き残りであるシオンが最もよくわかっていることだった。
「その為にも。多くの犠牲を払った」
「はい、そう聞いています」
「しかしだ」
 シオンはさらに二人に言ってきた。
「当時のキャンサーの黄金聖闘士であるマニゴルドとカプリコーンのエルシド、教皇セージ、ハクレイ達の命を賭けた戦いにより」
「奴等の居場所がわかり封じられた」
「確かそうでした」
「その通りだ」
 シオンは二人の言葉に頷いた。
「しかし。その戦いで彼等は全て戦死し」
「はい」
 名誉の戦死である。
「その後の戦いでも多くの聖闘士が倒れ」
「その結果残ったのは」
「そうだ」
 シオンは二人の言葉に答えた。
 生き残った聖闘士は僅か二名、今二人の目の前にいる現教皇であるシオンと現在もライブラの黄金聖闘士である童虎の二人だけだったのだ。これは聖闘士なら誰もが知っていることだ。
「冥皇ハーデスを封じたその代償として」
「生き残ったのは貴方と老師のみ」
「俺達だったらもっと上手くやれますがね」
「果たしてそうか」
 シオンはデスマスクに対して問い返した。
「デスマスクよ、それは御前もよくわかっている筈だが」
「それは」
「今回の聖戦も決して油断はできない」
 シオンはまた言った。
「違うか。それは御前も同じの筈だが」
「全てはお見通しってわけですか」
「御前の考えは全てわかる」
 流石は教皇だと言えた。伊達に聖域を統括しているわけではないのだ。
「御前程素直な者もいないからな」
「俺が素直ですか」
「そうだ」
 彼にとって見ればそうなのだった。教皇である彼から見れば。
「言葉が少し捻くれているだけだ。ただそれだけだ」
「買い被って下さってどうも」
「とにかくだ。まずは九人だったな」
「はい」
 デスマスクはあらためてシオンの問いに頷いた。
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