深夜放送はツマラナイ。
虚ろな両目を開いて嬉野は青白く発光するテレビ画面を見ていた。画面いっぱいに何処か外国の花畑が映っている。
「眠いぞー、でもぼうっとしていたいぞぅ」
と嬉野は思った。
鬱病の疑いがあるのではないかと思われるくらいぐったりとベッドに横たわっている。口は僅かに開かれている。
「ぅぅううぅ〜」
今回は口から音を発した。嬉野のうめき声は地獄の亡者のようである。 たぶん、人は悩み事が溜まりに溜まると脳の中に収まりきらなくなって口からもれちゃうんだ、と嬉野は自分で分析した。
いち部分はポジティブ、いち部分はネガティブ。嬉野はそのような男子高校生である。
はっきり言って自分はいじめられています。今日も脅迫されました。自分の髪の毛の束をみんなの前で食べないと殴られるそうです。そんなのは嫌です。助けてください。
神様にすがるように嬉野は嘆願した。出来れば神様に助けてほしい。自分は他に頼る人がいないから。
嬉野は布団の中で膝を抱えて丸くなった。
泣きそうになったので眼を力いっぱい瞑る。声が出ないように唇をへの字に結ぶ。
鼻から
「フーッ」
と空気が出る音がした。大丈夫、大丈夫大丈夫さ。明日は休みだしゆっくりすれば嫌なことも忘れるさ、とポジティブな面を見せた。
そう明日は朝から面白いアニメでもあるさ。早起きして見ようかな。嬉野は少しほほえんだ。
ああ、きたきた眠気が。 そうだよ、寝て起きたら別世界にいたとか素敵だよ。 まあ現実逃避であるから 現実から逃げられないのかな・・・。
ふっ、と力尽きたように嬉野は眠りについた。 深夜放送はまだ花畑を映しづけて続けていた。 |