「好きな人が出来たんだ」
夕暮れに染まるクラス、二人だけの空間。
「そう、それは良かった」
笑顔で語る君に、僕はおめでとうと言ってあげた。
心の涙を見せないように、にっこりと笑いながら――
『君に幸あれ』
君はクラスで一番の人気者だった。
そんな君が僕は好きになれなかった。
太陽のような君の笑顔の裏に、何かが隠れている。
本当の自分を見せない君に、僕は少し苛立った。
可笑しいよね?
未だに心の闇を隠し通す僕が、他人にこんな感情を覚えるなんて初めてだったよ。
だから君にぶちまけた。
今まで溜まっていた苛立ちを、全部君にぶつけてしまった。
君は凄く驚いた顔をして、泣き出した。
もう止まることがないってぐらい、ずっと泣き続けた。
そして、君は僕に全てを語った。
僕は君の心の闇を知った。
どうしていいかわからなかったけど、一つだけ決めたことがあるんだよ。
君に相応しい相手が現れるまで、僕が君を守り続けよう。
どんな闇からも、僕が盾となり君を守る。
それからというもの、君は僕にべったりだった。
でも、君の隣に僕が座るのは許されないことだった。
僕の闇は君のより遥かに巨大で、君を潰してしまうだろう。
だから僕は彼女の気持ちに気づかない振りをした。
君が僕に好きな人のことを語りつくし、クラスから去って行った。
彼女の足音が聞こえなくなり、僕はその場に崩れ落ちた。
心が軋んだような音を立て、視界が歪む。
感情を押さえていた結界が壊れ、涙が溢れ出した。
ずっと我慢していたから、全然止まってくれない。
君を守っているうちに、僕は君を好きになっていた。
心のどこかで、君はずっと隣に居てくれていると信じていたかった。
君が僕からいなくなるとわかった途端、心がそれを拒否してしまった。
『いかないでくれ、側に居てくれ』
そんな思いを、無理やりねじ込み彼女を送り出した。
神よ、
この気持ちを僕は永遠に封じます。
だから、
僕がまだ彼女が好きでいることを許してください。
彼女が幸せになれるようにしてください。 |