クリスマスプレゼント
エレノアは取り乱しているロバートをなだめ、すぐにエリザベートを我王のもとに送る手筈を整えた。
「そんなに思い詰めていたとは…エリザベートには可愛そうなことでしたね。」
ロバートは首をふり答えた。
「とんでもございません。他にもお妃様がいらっしゃるのは最初から承知していたこと…娘の我慢が足りなかったのです。」
「すでに子まで宿している妃がいるということは若い娘なら相当なショックだったに違いありません。…それでなくともエリザベートは純粋に我王を慕って妃になろうとした、たった一人の妃なのです…裏切られたと思うのも致し方ない。」
ロバートはエレノアの思いやり深い言葉に感謝した。
「しかし…皮肉なことですが、この新しいシステムを試す事ができました。」二人は足元にうずくまっている小さなチワワに目をやった。
チワワは話はわかっているというように二人を見返してワンワンと吠えた。
「無事、のりうつる事はできたようですね?」エレノアはチワワを抱き上げた。
「はい…後は戻る時が問題です」
エレノアはうなずいた。
「きちんと元の体にもどれなければ成功とはいえませんね。」
「はい。それが一番大事なのです。」ロバートは心配そうにチワワの頭を撫でた。
「すぐにも戻したいのですが、エリザベートが我王様の側にいたいが為命がけでやった事…どうかしばらく日本にやってください。お願いします」
「ええ。もちろんそのつもりです。我王には私からの少し早めのクリスマスプレゼントということにしておきます。側近のカインにだけは知らせておきましょう。うまくはからってくれるはずです。」エリザベートは嬉しそうに尻尾を千切れんばかりにふっていた。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。