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正妃への道
挿絵(By みてみん)
「起きろ!遅刻するぞ」

マサオは寝心地よさそうなシルクの羽布団をガバッと剥ぎ取った。
我王の金髪に埋もれるように白いチワワが寄り添っている。
「マサオ…ティアラが驚くだろう」
「甘やかすのもいい加減にしろよ!犬のしつけは最初が肝心なんだぜ」
我王はティアラの背中を優しく撫でてやり、床に降ろした。
「クゥンクゥン」
我王の足元でちょこんとお座りしている
我王がブレザーを取りにクローゼットを開けているすきにベッドに腰かけたマサオの脚をガブリと噛んだ
「!!!なにすんだこのじゃじゃ馬娘」
まったく…俺はお前が誰か知ってるんだぞ!エリザベートの燃えるような赤いショートヘアが一瞬脳裏をかすめた

しかしこいつ、学校抜け出して大丈夫なのかね……フィアンセなんていっても正妃候補の一人にすぎないじゃないか。
エリザベートの通う女学院は近い未来、後宮に入る妃達を養育するいわゆる花嫁学校だ。

ほとんどが貴族階級の姫君という環境のなかでいくら大財閥の娘といってもフィアンセと呼ばれるようになるには大変な苦労があったはずだ。
正妃に求められるのは教養だけでなく他国との外交手腕も必要だ、そして後宮にあまたいる女達を統率する主人でなくてらならない。
マサオはシルバーの眼鏡を外し黒髪のウィッグを取った。
サラリとブルーがかったシルバーの髪がこぼれた。
ティアラに顔を近づけると
「かんばれよ !」
と小さな耳をつまんで微笑んだ。


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