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校則違反
すでに消灯時間を過ぎた寮の廊下は真っ暗で、足元灯の光だけがジャンとダミアンの靴を照らしていた。

手すりに掴まりながらやっと自分達の部屋の前まできたジャンは部屋のノブを回した。


カチャカチャ…カチャカチャカチャカ…


「おかしいな?開かないぞ!」


ダミアンも慌てて自分の部屋のノブを回した。


「僕のドアも開かないよ!」


その時、ピカッ!と二人の顔がオレンジ色の光に包まれた。
眩しさに目を細めながら光の方向を見ると、ルカが恐い顔で睨んでいた。


「こんなに遅く何やってたんだ?もうとっくに消灯時間は過ぎてるぞ!」


「シュミレーションの練習してたんだすまん!ルカ、今回はなんとか見逃してくれ!」


ルカはウンザリした顔でジャンのおでこを指で突ついた。


「もうこれで何回目か覚えてる?ほんとに懲りない人達だね。教官にはちゃんと報告するよ。あと2回罰則を犯したら退学だ。肝に命じておきたまえ!」


去って行こうとするルカをジャンは引き止めた。


「ルカ!俺が無理にダミアンを引き留めたんだ。どうか教官に報告するのは俺だけにしてくれないか?」


ルカはそんなジャンをフフン!と鼻で笑い、「英雄気取りもいい加減にしろよ。大した実力もないくせに大きな顔しやがって!人の足ばっか引っ張るんじゃねぇよ。バーカ!」
と毒づいた。


「よくも言ったな!」

ダミアンは怒りで声を震わせた。


バシッ!!


ジャンが止める間もなくダミアンはルカを殴り倒してしまった。


騒ぎに気付いた教官が駆けつけてきた。


電気が煌々と点され、みんな自分の部屋から身を乗り出して成り行きを見守っている。


「これはどういう事だルカ!状況を説明しろ!」


ルカは殴られた左目を抑えながらムクリと起き上がった。


「こいつらが消灯時間を過ぎて帰ってきたので注意したんです。そしたらダミアンが突然殴りかかってきて…」

教官はダミアンを睨み付けた。


「それは本当かダミアン?」


「本当です…でもルカが酷い事言って…ジャンを侮辱したから…」

「殴ったのは本当なんだな?」


ダミアンは力なく項垂れた。


「教官、すみません!俺が悪いんです。時間を忘れてシュミレーションの練習してしまって…ダミアンは俺に付き合っただけなんです!」


「…自分達が悪かったと認めるんだな?」


「ハイ…でも…」


言葉を続けようとするジャンを教官は遮った。


「言い訳はするな!まずはルカに謝るのが先だろう?」


二人はルカに頭を下げた。


「すみませんでした!」


ルカはプッと口に溜まった血を吐き出し、プイと顔を背け「…ああ」と返事をした。


「ルカ、寮で暴力をふるった場合の罰則は?」


教官の質問にルカはニヤリと笑った。


「一週間の独房入りです」


「そうだ!さぁ二人共、こっちに来い!」


二人は引きずられるように連れ去れて行った。



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