残業代下さいね!
ピアは無性に腹が立ってきた。
「なによなによ!どうしてそう強情なの〜!」
小さな影はピアに気付かれないよう、少し離れた場所でその様子をじっと見ていた。
ピアは仕方なくトボトボと歩きだした。
付かず離れずして影も動き出す。
あぁもう…アーネストに何て言おう。
ピアはなぜ急にジャンの機嫌が悪くなったのか良く分からなかった。
重い足取りで曲がり角まで来た。この角を曲がって直ぐのところにピアエッグという祖母の経営する玉子卸問屋があった。
父のトニーはとにかく用心深い人間で、ピアが大統領の娘とバレないように祖母の家から通学させていた。
帰りはここから車で大統領官邸まで帰る。
小さな影はここに来るまで既に2人の男を仕留めていた。
ピアが家の中に入るのを確認し、やっと本日の仕事終了だ。
「おばあちゃんただいま〜!」
ピアの姿がドアの向こうに消えた。
小さな影はフゥ〜と白い息を吐くと警戒を解いた。
「あ〜疲れた!しかしジャンがねぇ。ピアも罪つくりだよな。あれで悪気はないんだから…ジャンに同情するね俺は」
アルフは携帯にメールを入れた。送り先はトニーの携帯だ。
《お嬢様がお婆様宅に到着されました。本日は2名の曲者に狙われました。僕が始末しておきましたのでご安心を…それから本日は一時間残業しましたのでよろしくお願いしますね!》
「これでよし。やっぱ時給制だし、ちゃんとお給料もらわなくちゃだよね」
アルフはほっぺたについた血しぶきを指で拭ってペロリと舐めた。「お腹すいたなぁ。今日は肉が食べたい!でもその前にカインさんに報告しなきゃ」
アルフはドラゴンズアイの頭領カインに憧れてこの道に入った。
いつかテラが復活するその日までユノの大統領トニーの身辺を探るという大役を仰せつかっている。
J.Jはアルフがまさかカインの回し者とは夢にも思っていないだろう。
「ジャン、あいつキレると怖そうだよな。妙に勘もいいし…気付かれないようにしなくちゃ」
アルフは自分にそう言い聞かせるとその場からスッと消えた。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。