切ないヒロインたちの恋心を綴りました。
お楽しみください
千春の恋人
どうやらミッシェルの恋も切ないものになっているらしい
美人だから恋が上手くいくとは限らないのね
千春も遠いアメリカにいる実に思いを馳せた
「実…どうしてる?会いたい!そばにいきたいよ」
千春と実は中等部からのクラスメートだった
実はボサボサの髪をかきむしり、今日も紙の上にペンを走らせている
「実!何書いてるの?うわぁこれガーディアン?上手く描けてるねー。オリジナルデザイン?見たことないもんね。これ…バルカンみたいにゴツくなくてカッコいいじゃん!」
実はニカッと笑い、また髪をボリボリ掻いた
千春は実の声を聞いた事がない。
入学してから一度もだ
ほんとに変わってるヤツ!でもなぜかほっとけないのよね。
「実、そろそろ暗くなるよ。一緒に帰ろう」
実はコクンとうなずき、手を差し出した。
どうやらバックをよこせと言っているらしい。
「大丈夫だよ。これそんなに重くないんだから…」
「……!」
実は差し出した手を引っ込めない。
「じゃあこっちね!千春は実の手をしっかり握りしめた。
実が慌てている様子を楽しみながら千春は歩き出した。
あの時の胸のときめきと実の手の温かさを思いだし、千春の目にうっすらと涙が浮かんだ
あの時はまさかこんなことになるなんて思ってもいなかった。
千春はあの夏の日のひぐらしの鳴き声を忘れる事ができない
千春はその日夏休みの宿題を片付けるため、実と図書館に行く約束をしていた。
いつもの待ち合わせ場所である駅の時計台の前で実を待っていた
「実のヤツ!また遅刻だ。今日はアイスクリームおごってもらうからね」
千春が待ちくたびれてもう帰ろうかとおもっていたら、携帯の着信を知らせる光が目に入った。
指輪型の携帯に掌をかざすと実の立体映像が飛び出した。
「千春、今日は行けなくてゴメン。突然だけど俺アメリカに行く事になったよ。しばらく会えなくなるけど待っていて欲しい…ゴメン千春!俺…お前の事好きだ。きちんと言ったことなかったね。でも俺はずっとお前の事想っていたよ。」
初めて聴く実の声であった。
勝手なヤツ!…千春は流れ落ちる涙を袖でぬぐい歩きだした。
第63部で実と千春は再会します。二人の恋の行方を追いかけてみてください
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