ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
警戒レベル4
やはり…。
アリサはあまり腹もたたかなかった。
マリアを見た時に、こうなる予感はしていた。
「なかなかしたたかな方ですわね」
局長のエミリーがそうこぼしていたのを思いだす。
多分マリアは計算で動くタイプではない。
でも、だからこそ強敵なのだ。
魔性の女…そんな言葉が脳裏に浮かんだ。
これから一体どうなって行くんだろう。
アリサは消しても消しても浮かんでくる不安を無理やりおさえつけ、一人寂しくベッドの中にもぐりこんだ。

その夜中、アリサはエミリーに叩き起こされた。
「大変です!我が国にとうとう出撃命令が出ました。王様はじめ、王国のガーディアン部隊サザンクロスが明後日こちらを出立します。
すでにカイン様、エリザベート様、カノン様は我王様と共にジブラルタルに向かっているとの事です」
「なんですって!?」
アリサはあまりに突然で頭が混乱した。
「王様がいない間、誰が国政を執るの?」

「はい、サラ様が王様の代理を務めるそうですわ。王宮と後宮の管理はセシリア様に任されたそうです」
アリサは状況を確認するためすぐに神殿のサラのもとに急いだ。
いつもは鎮まりかえっている神殿も今日は松明がいくつも灯り煌々と照らされ照らされいる。
エミリーが門番の巫女にアリサ来訪を告げるとすぐに門は開かれた。
サラのいる一番奥の間に行く間、アリサはクラスタイン家に養女にきてこうしてJJの母となるまでの我王との思い出やエリザベートとの学院生活を思い出していた。
アリサにとって大切な人々が今まさに戦地に赴いている。

アリサはサラの大丈夫だ。という一言が欲しかった。
サラのいる奥の間の前では魔除けの香が焚かれ白い煙が細くたなびいていた。
巫女達が重い引き戸をゆっくりと開けていく。
「お入りなさい」
御簾の中からサラの声が響いた。
アリサは御簾の前にひざまづきサラに問いかけた。
「我が国にも出撃命令が出たとの事、只今の戦況をお尋ねしたくまかりこしました」
「御簾をあげよ!」
御簾がスルスルと巻き上げられ、サラの姿が現れた。
「アリサさん、よくおいでくださいました。この度の事さぞ驚かれた事でしょう」
アリサは頭をあげ、サラの方を見た。
「はい、あまりに突然で驚きました。ユノに何か動きがあったのですか?」
サラは深くため息をついた。
「アリサさん、最近幼児の誘拐事件が多発しているのはご存知ですか?」
アリサはいぶかしげな顔で答えた。
「はい…存じておりますがそれが何か?」

「ユノが拉致しているのだと判明しました」
アリサはあっけにとられた
「一体なぜそんな事を…人質ですか?」
「それもありますが…それだけではありません。ユノには今大変な事が起きているようなのです。それはさておき問題はターゲットがテラにいるすべての子供達だという事です。もちろんアリサさん、あなたの息子JJも狙われています。ユノは今までテラにしられぬよう秘密裏に事を進めてきました。ですが一昨日ユノは大量のアンドロイドをテラに投入したのですよ。我々はそれをデスと呼んでいます。」
アリサは青ざめた顔でつぶやいた。
「死神…ですか」
サラはうなずいた。
「そうです。中国では子供のほとんどが連れ去られてしまったとの報告を受けました。我が国にもすでにデスが入りこんでいる形跡がみられます。王様は国全体をシールドで結界を張り、外部との遮断を図るおつもりです。今そのシステムを発動させるためMINORUのグループが準備に入っています。あと数日でこの国は外界から遮断されます。それまでの間はデスと戦わなくてはなりません。王様は国を代表して戦地に赴きました。残された我々はこの国をなんとしてもまもらなければなりません」
アリサはサラと共に戦う事を決意した。
「これより国に警戒レベル4を発動させます。すぐに各メディアに連絡を!それから大臣達に集まるよう声をかけて、アリサさんは妃達をここに呼んできて下さい」
アリサは直ぐに行動を開始した。


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。