二人の王子
あれは第一王子アランが暗殺されたすぐ後の事だった。
その日カインはいつものように我王とすりかわり王宮の中庭で侍女のニーナとかくれんぼをして遊んでいた。
「我王様!どこにいらっしゃいますの?もう出てきて下さいな。お妃様に叱られてしまいます」
ニーナの慌てた様子を噴水の後ろから眺めて喜んでいると誰かに肩を叩かれた。
振り返るとそこには正妃のヘレナがひっそりとたたずんでいた。
「こちらにいらっしゃい。アランがいなくて寂しいの。一緒に美味しいお菓子をいただきましょう」
カインは不気味な気配を感じたが正妃の言葉に逆らう訳にもいかず黙ってついていった。
ヘレナは自分のサロンにカインを招き入れ重い扉を閉めた。
「さあ、こちらにいらっしゃい。」温かいミルクティーがカップに注がれた
「お飲みなさいな…」
カインはカップに小さな唇をつけた。
ダージリンの香りが鼻をくすぐる。
一口コクンと飲み込むと周りの景色が怪しく歪みそのままカインは意識を失った。
カインは頬に冷たいものを感じ目を覚ました
「ここは…?」
周りを見回すとむき出しの岩がいくつも積み重なった壁がみえた。
「気がついたの?ここはね昔、罪を犯した人が拷問された場所よ」
「かわいそうに…眠ったままなら痛みも感じなかったのにね。」カインの両手両足はしっかりと鉄の鎖が巻き付けてあった。
「でもね。アランもきっと痛かったと思うわ。苦しかったと思うわああアラン…アラン」
狂ってる!!
カインの背筋に冷たい汗が流れた
「恨むならあなたのお母様、エレノアを恨みなさい!」
ヘレナは持っていた斧を振り上げた
「ギャアァァー!!」カインの悲鳴と共にすでに物体と化した右腕が吹き飛んだ
カインの記憶はそこで止まっている
発見したカインの父の話によれば周りはすでに血の海となっており、ヘレナはカインの最後に残された左脚を打ち落とそうと斧を振り上げたところだったそうだ
その時の恐怖でか見つかったカインの髪は黒からシルバーブルーに変わってしまっていたという
その後カインはすぐに王室の医療チームにより治療をうけ、一命をとりとめた。ヘレナはこの件で失脚し、塔に幽閉されてしまった。我王の母エレノアは正妃となり後宮の実権を握ったのだった
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