お互いの思惑
ローラはニコニコしながらマリアに我王が今夜、こちらの局に泊まる事を告げた。
まぁ早速…!さすがクリスね。
「分かったわ。ではお迎えする準備を整えてちょうだい」
「はい!それはもう、いつ来て頂いても大丈夫なように普段から準備出来ておりますよ。ああ…でもようございました。我王様ときたらお子様がお生まれになってからはずうっとアリサ様の局にいりびたり、他のお妃様達もさぞやヤキモキしていることでしょう」マリアはすっかり上機嫌なローラに入浴の準備をするよう申しつけた。
陽も西に傾き、局に灯りがともる頃我王は久しぶりに訪れるマリアの局の廊下をローラに先導されながら歩いていた。「こちらの局に来るのも久しぶりだ。マリアは怒っているかな?」我王はローラにたずねた。
「そうお思いになるならもっと早くにお越し下さいませ」
我王はポリポリと頭を掻いて
「相変わらずローラは手厳しいな」と苦笑いを浮かべた。
「マリア様、我王様のお越しです」
ローラが扉越しに声をかけた。
「どうぞお入り下さい」
と中からお付きの女官の返答が返ってきた。ローラが部屋の入り口を開けると、待ちかねたマリアが我王に抱きついてきた。
「我王!寂しかったわ」
我王はマリアの頭を撫でて、その唇に優しくキスをした。
「会いたかったよマリア」
我王は手で合図して女官達をさがらせた。
二人はそのままベッドにもつれこみ、久しぶりの会瀬を楽しんだ。
「マリア…床入りの儀以来ずっと君の肌が恋しくてたまらなかったよ」マリアはクスリと笑って
「まぁ!だったらもっと早く来てくれればよかったのに」我王はマリアの滑らかな背中を撫でながら話し始めた。
「アメリカがユノの攻撃を受けてね。ラングレー財団が保有するガーディアンの格納庫がこっぱみじんさ。被害は相当なものだ…おかげで我が国は今、商売繁盛というわけでね。なかなかこちらにも来られなかったんだ。心配かけてすまなかったね」これは絶好の機会だわ!マリアの目がキラリと光った。「そうだったの…じゃあ仕方ないわね。エストニアはどれくらいのガーディアンをアメリカに売ったの?」
我王が目を細めてマリアを見た。
「君がそんな事を聞いてくるなんて珍しいね」
マリアはドキリとしたが、平然と
「だって今はお妃なのよ。国の大事だもの気になるわよ」と答えた。
「妃の自覚が出てきたってことかな?だったら嬉しい限りだね。しかし…これは国の重大機密だからな。君にも話すわけにもいかないんだよ」
マリアは頬を膨らませた。
「水臭いのね!夫婦で秘密は無しにしましょう?」
我王はニタリと笑った
「君は俺に秘密は無いの?」
マリアはムキになって
「あ…あたり前でしょ!」と言うのに、我王子は更に聞いた
「じゃあ、ちょっときみの意見を聞かせてもらおうかな?ちょっと今色々悩んでいるんだ…実は最近、国中で子供の誘拐事件が多発していてね、大問題になってるんだ。一体誰の仕業だと思う?あと気になっている事がもう一つあるんだ。ユノの攻撃の仕掛け方がどうも不自然に感じるんだ。テラへの侵略だけを考えているならもっと派手に攻撃してもいいはずだ。どうもこのふたつは裏で繋がっているような気がしてならない…君はどう思うマリア」マリアは背筋に冷たいものを感じた。
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