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セクター4
そんな二人の様子をじっと見つめている女がいた。褐色の肌に紫のチャイナ風ドレスをエレガントに着こなしている。
すそからはまるでムチのようにしなやかなすらりとした両足がのびていた。
「お頭に報告しなくては…」
アグネスはドレスを脱ぎ捨て姿をくらませた
我王は竜崎グループが所有する研究施設、セクター4に来ていた。ここでは人型アンドロイドの試作品が次々と造られている。
巨大な円筒状の水槽がいくつも並び、その中では年齢も様々な男や女、そして子供までがまるで胎児のようにユラユラと浮いていた。
「凄いな…まるで人間そのものだ。」
我王がつぶやくと、隣にいたマサオもうなずいた。
「普通の人間と見分けがつくのですか?」
我王が若い研究員にたずねた。
「後頭部にシリアルナンバーがふってあります。普段は髪の毛に覆われていますからわからないでしょう。」
セクター入り口のゲートが開いて竜崎グループ総帥の竜崎一馬が現れた。

「うちの商品は一体一体すべてオリジナルなんだよ。1つとして同じものは存在しないんだ。そういう意味でも人間に近いとは思わないかい?」
一馬はこのアンドロイドの開発で小さな自動車工場を一躍世界の大企業にのしあげた立志伝中の人物だ。
二人はこの研ぎ澄まされた刀のような気配に圧倒される
「二人に見せたい…いや、会わせたい人物がいる。
こちらにきなさい。」
セクターの奥まったところにもうひとつ厳重なセキュリティに守られたゲートがあった。
ロックが外される警戒ブザーがなり、中の空間から冷気が漏れてきた。
中には白衣を着た研究者たちが何人かいたが、一馬の指示によりみな外に出された。
目の前には白い布がかけられた巨大な水槽が1つ。

一馬が白い布を引くと、中から異様なものが現れた。
二人は息をのんだ。
そこには首から上は昔絶滅したといわれているピューマの顔をもった男がギロリとこちらをにらんでいたからだ。


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