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注意!) 英語マスターの主人公にとって、英文も日本語のように聞こえています。
「 」が英文。
リスニングCD
作:ポリンキー


 英語の教師をやっている俺は、今度の授業をセンター試験対策としてリスニングをすることにした。生徒に教えるということは、まず俺がCDの内容を理解しておかないといけない。
 なので、このCDを聞いて見る必要があった。
 あらかじめ準備しておいたラジカセにCDを入れ、再生ボタンを押した。


『でさ〜久しぶりにやってみたら臭いのなんの……って録音始まってる!? ……リスニングテスト対策CD、このCDには……』

 え、いきなり雑談入ってる。
 レコーディングミスだろ、これ。大丈夫なのか。
 てか、何やったんだろう。

『問いは全部で2問です。問題製作者も、やってみたら臭いのなんのみたいなこと、をやっていたので少ないですが我慢してください』

 だから何をやっていたんだ!
 適当すぎるぞ!

『では始めます』

 お、始まるぞ。
 よーし、集中集中。

『第1門、今からヒロシとカナが色んなことについて会話をします。そのあとに問いを2つ問われるので、それに英語で答えなさい。ちなみに会話中はメモをとっても構いません。もちろん、ひらがなでのメモもOKとします』

 色んなことって、おい! 手抜きバレバレじゃねーか。
 会話部分が重要なのにさ。
 それにひらがなでメモOKって基本的に禁止なのか?
 なんだよ、その日本人に対するイジメは。

『では始めます』

 いかんいかん。
 今度こそ集中だ。


ヒロシ「よぉーカナ! 昨日、お前んち燃えたんだって?」
カナ「ええ、綺麗な炎だったわ。思わず写メしちゃった」

 いきなり変な会話が……。
 内容暗すぎるのに、明るくしゃべってんなー。
 語尾に (笑) が付きそうなくらい明るい。

ヒロシ「まーそんなことはどーでもいいわ。燃やしたの俺だし、驚くことでもないな」
カナ「そうね、保険金ガッポリだし」

 放火犯はヒロシかよ!
 てかカナ、少しは恨めよこのやろう!
 お前らは共犯者か、ええ?
 なに親指と人差し指で輪っか作ってそうなこと言ってんだ。

ヒロシ「マイブームは糸電話」

 さりげなく何か言ってるぞ、こいつ。

カナ「古いマイブームね」
ヒロシ「悪かったな、お前のマイブームは何なんだ?」
カナ「伝書バトよ」

 カナ、お前の方も充分古いよ。
 そもそもマイブームなのがおかしい。
 ヒロシもまた変なこと言うんだろうな。

 …………。

「ナンバーワン!」

 会話終わった?
 なんて中途半端な。

「ヒロシのマイブームは何でしょう?」

 お、久しぶり、いや、まともな問題が出たな。
 これは簡単な英語だし、会話を理解できていれば生徒たちでも正解可だな。
 やりゃできるじゃねーか。このCD。

「ナンバートゥー」

 何で発音にこだわっている。

「カナの保険金はいくらだったでしょう? ちなみに小数第2位は四捨五入してください」

 知るかよ!
 会話してねーのに。
 てか小数って、金額にそんなもんあってたまるか!


 このCDはダメだ。
 はっきりと脳裏に浮かんだ。
 だが、何故だろうか?
 俺の意思とは無関係に体は第2問目に興味津々であった。
 CDはそのまま2問目に突入した。


『第2問、都道府県のことについてユウキとアヤが会話をします。会話のあとに問いが3問出されるので男子はフランス語、女子はドイツ語、オカマは好きな方で答えてください。メモはとっても構いません。てかとってる人いるの?』

 フランス、ドイツって、もはや英語じゃない。
 しかも最後なんか尋ねてきてる。
 まるで「メモっても無駄じゃね?」ってかんじだ。

『それでは、始めます』


ユウキ「世界で14番目かそのくらい、お前のことが好きだよ。アヤ」
アヤ「ユウキくん……」

 なんで告白シーンからスタート?
 急展開すぎる。
 アヤ、とりあえず断れよ。

アヤ「香川県ってね、日本で1番面積が小さい県なんだって」
ユウキ「へぇ〜、知らなかった。うどんだけの香川がね」

 告白シーンはどうなった!?
 急展開にも程があるぞ。どうやったらそうなる!
 ユウキもさりげなく香川バカにするな。
 香川なめるなよ! 讃岐うどん最高だぞ、マジで。

ユウキ「それだったら北海道は都道府県で1番面積が大きいぞ。お前のことが好きだ!」
アヤ「確かに地図で見ても北海道は大きいわね。嬉しい!」

 語尾おかしい! なんで告白の続きを今やっている!
 北海道が日本一なのは誰もが知ってるわ!

ユウキ「アヤ、人口は都道府県で何処が1番だと思う? 
    俺にとってアヤは世界で14番目か、そんくらいだ」
アヤ「えーと、北海道かな? 1番大きいし」

 ユウキよ、それは先ほど聞いたよ。
 とりあえず、その中途半端な数字はやめようぜ。
 アヤなんてもう、シカトじゃん。

ユウキ「残念、人口だと東京都が1番らしい」
アヤ「都会だもんね。当然よ。誰、北海道なんて言ったのは?」

 てめえだ、アヤ。

ユウキ「ついでに人口が少ないのは何処でしょう? 鳥取だよ」
アヤ「えーと、独断と偏見で四国辺りだと思うんだけど、高知かな?
   いや別っぽいしな〜……ええい! 面積が小さい香川だ!」
ユウキ「残念、鳥取県でした」

 ユウキ、自問自答するな。
 アヤも悩んだ挙句に堂々と間違えるんじゃねー。
 だいたい独断と偏見イケナイ。

アヤ「いい知恵をありがとうユウキ。都道府県のことについていい勉強になったわ」
ユウキ「それはよかった」
アヤ「明日これをみんなに自慢してあげましょう! きっとビックリするよ」
ユウキ「ああ、ついでに俺たちが結ばれたことも……」
アヤ「はっ?」


 …………。


「ナンバーワン!」

 嫌な形で会話終わった〜。
 ユウキ、ドンマイ。

「1番面積の小さい都道府県はどこでしょう?」

 普通の問題だな。
 これは簡単、香川県だ。

「ナンバーツー!」

「ユウキとアヤの恋の行方はどうなりましたか?」

 終わったよ!
 会話聞くかぎりじゃ、あれは終わったよ。
 だけど答えはどうなんだろう?

 ちょっと気になった俺は、付属の答えを見てみた。

 男子用 A.【la fin】
 女子用 A.【das Ende】
 オカマ用 上記参照

 フランス語、わかんねーよ!
 結局、どうなったんだ!?
 畜生! どうでもいいはずなのに気になっちまう。

「ナンバースリー」

 うるせー、俺は今、翻訳中なんだ!

「1番大きい県はどこでしょう?」

 北海道だろうが!
 黙っててくれ!



「ちなみに北海道じゃないよ」

 ……なんだって?
 ああ、そうか。
 くそ! ひっかけ問題かよ。
 なんてリスニングCDだ。














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