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しいていうならお前の横を歩いてるのが魔王  作者: たぴ岡
子狸ぃ……by魔物一同
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「勇者さんの“漢”を見たい」part2

八一、王国在住の現実を生きる小人さん


 そして

 そうこう言ってるうちに


 茂みに隠れて目を光らせている

 おれの目の前を

 勇者さんが

 通過



八二、帝国在住の現実を生きる小人さん


 おつかれ


 今日も一日

 また無駄な時間を過ごしちゃったな……



八三、連合国在住の現実を生きる小人さん


 おつかれ


 子狸の話題を持ち出すから

 こうなる


 いい加減

 学習しようぜ


 おれたちの本当の敵は

 おれたち自身の

 ツッコミ癖なんだってことをさ



八四、海底洞窟在住のとるにたらない不定形生物さん


 千年は長すぎたな……


 思えば

 バウマフ家のボケに

 ひたすらツッコむだけの半生だった……



八五、王国在住の現実を生きる小人さん


 お前ら

 まとめに入らないでくれないか


 おれは

 まだ

 諦めちゃいないぜ



八六、帝国在住の現実を生きる小人さん


 諦めるも何も


 子狸がいなくちゃ

 はじまらないだろ


 !


 まさか

 お前……



八七、王国在住の現実を生きる小人さん


 その

 まさかだ



八八、連合国在住の現実を生きる小人さん


 よせ!

 早すぎる


 万が一のことがあったら

 スターズが黙ってはいないぞ


 焦るな

 再起の機会を

 待てばいい



八九、王国在住の現実を生きる小人さん


 それは

 具体的に

 いつだ?


 お前らだって

 本当は

 わかってるんだろ?


 おれたちは

 レベル1だ


 戦闘訓練を受けた人間なら

 苦もなく倒せるレベル……

 そうだろ?


 そんなおれたちが

 いまを逃せば

 どうなる?


 わかりきったことだぜ


 レベル2のひとたちに

 混ざって襲いかかる

 おれたちを見て

 勇者はこう思うのさ


 ああ

 雑魚がいるなって



九0、連合国在住の現実を生きる小人さん


 否定は

 しない


 だが

 それが

 おれたちの選んだ

 生き方だ


 かつて

 お母さまは言った



 偉くなりたいなら

 竜になればいい


 けれど

 見守るだけの竜がいてもいいし


 偉いねって

 褒められるネズミがいてもいい


 人間も同じ


 生きるって

 そういうこと



九一、帝国在住の現実を生きる小人さん


 ママン



九二、海底洞窟在住のとるにたらない不定形生物さん


 ママン



九三、王国在住の現実を生きる小人さん


 ママン



九四、管理人だよ


 お前ら

 あとで宿題

 手伝って



九五、連合国在住の現実を生きる小人さん


 子狸ぃ……



九六、帝国在住の現実を生きる小人さん


 子狸ぃ……



九七、王国在住の現実を生きる小人さん


 子狸ぃ……



 って

 管理人さん!


 おしおきは終わったんですか!?



九八、王都在住のとるにたらない不定形生物さん


 おう

 お屋形さまが

 直々に足を運んで下さってな


 いろいろと

 アウトな三者面談の結果


 子狸は

 無事(?)に解放された


 条件は三つ


 しっかりと自習すること


 王都に戻ったら顔を出すこと


 お土産は縄と鞭



九九、管理人だよ


 おれのせいで

 痛んじゃったから


 新品のが欲しいんだってさ


 自分で買えばいいのにね



一00、海底洞窟在住のとるにたらない不定形生物さん


 あんまり

 高度な主従関係を築き上げるの

 そろそろ止めて欲しいんだが……


 まあいいよ

 本人がそれでいいって言うなら


 王都の

 時間がないから

 手短に説明する


 五六

 七六



一0一、王都在住のとるにたらない不定形生物さん


 把握した


 すぐに向かう



一0二、管理人だよ


 え

 人質って

 なに?


 おれ

 嫌だよ

 そんなの



一0三、海底洞窟在住のとるにたらない不定形生物さん


 王都の



一0四、王都在住のとるにたらない不定形生物さん


 おう



子狸「?」


子狸「…………」


子狸「……あ、おれを眠らせるつもりか!? させるもんか!」



【子狸さんが開放レベルの制限解除を申請しました】


【否決されました】


【否決されました】


【否決されました】



子狸「」


 おやすみ

 子狸


 じゃあ連れてくわ


 この際だし

 変化もかけておくか?



一0五、王国在住の現実を生きる小人さん


 いや

 少し待て


 おう……


 いや

 さすがに

 あとで怪しまれるだろ


 追求されたら

 じつは生き別れの妹が

 とか言い出しかねない



一0六、帝国在住の現実を生きる小人さん


 んで

 あとで妹のことを訊かれて


 おれに生き別れの妹が!?


 とか

 ふつうに言い出すのが

 バウマフ家の

 おそろしいところ



一0七、連合国在住の現実を生きる小人さん


 おう


 つけ入る隙を与えたら

 おれたちの負けだ


 先は長いんだ

 シンプルに行こうぜ


 いいか


 おれたちにさらわれた

 子狸を

 勇者が救い出す

 

 救出された子狸が

 勇者の

 旅の仲間に加わる


 この二点だけを

 しっかりと押さえていこう



 なんでだろうな……


 ちっとも

 うまく行く

 気がしないのは……



一0八、王国在住の現実を生きる小人さん


 奇遇だな

 おれもだわ……


 とにかく

 やってみるしかない


 それでは

 諸君……


 幸運を祈る!


 状況開始!



 登場人物紹介


・小人さん


 街道沿いに出没し、行き交う馬車や人を襲うとされる小柄な魔物。ひたいに小ぶりな角が生えている。

 人間から奪った武器や防具を装備していることになっているが、じつは全て手作りである。

 ことにダメージ塗装への造詣は深く、並々ならぬ執念を燃やしているとか。

 過去の事例がもとで妖精の一種との分類がなされてしまったため、簡単な呪術なら扱えるという設定がのちに追加された。

 他の魔物からは「鬼のひとたち」と呼ばれる。小道具を担当することが多く、伝統の職人芸と称されることも。

 不定形生物さんたちと仲良し。

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