第二話 心を閉ざした英雄
リリアはまだ困惑していた
クシャルダオラのあの風ブレスを斬れるのか?
それ以前に、この男はいつ私の前に現れたのだ?
しかし、なんだろう・・・この胸の中が熱くなる思いは・・・
声からしても・・・まだ若い。
私とそう変わらないだろう・・・
リリアが考え事をしているが、青年には届いていないだろう・・・
青年は龍刀を強く握り締め、クシャルダオラへと向かった
クシャルダオラは前足を高く振り上げ、振り払いの動作を始めた
「危ない!!!」そう叫ぼうとした時だった、振り払おうとした前足を飛び越え、風のバリアの弱点である、真上を簡単に奪った
そこから、握っていた龍刀を突き刺し、クシャルダオラは痛みで怯み、青年は華麗にアクロバティックな動きを行っていた
そして、突き刺さった龍刀を掴み、そのまま横へ振り払った
案の定、羽に傷がつき、クシャルダオラは青年を振り落とそうと身震いをした。
青年は背中から弾き飛ばされたが、その場で着地し、クシャルダオラへと攻撃を重ねる
クシャルダオラは青年の速さに翻弄され、尻尾で振り払おうとしているが、中々当たらない・・・・
すると、クシャルダオラは前足を蹴り上げ、後ろ足に体重をまかせ、その場で咆哮をしたが、青年はその隙を見逃さす、クシャルダオラへと迫る
咆哮が効かない事に気づき、クシャルダオラは急いで攻撃しようとしたが、青年が居ない・・・?
違う、居なくなったのではない、クシャルダオラの死角である、顔の横に待機していたのだ
そして、龍刀をチャキッと空を突き上げる様に構えた
青年はその場で高く飛び、クシャルダオラの首を切り落とそうとしたが・・・
クシャルダオラはどうやらそれに気づいたのか、身体を少しずらし、切り落とされるは回避できたが、角が折れてしまった
角が地面にパラパラと落ちる
クシャルダオラはそのまま尻尾で叩きつけようとしたが、剣を構えている青年はニヤリと笑った
「はぁああああッ!!!」
向かってくる尻尾に向かい、反対側から切りかかったのだ
すると、尻尾と龍刀は接触した・・・
龍刀からバチバチと黒い稲妻の様な物が尻尾を包み込んだ
そして、尻尾は血を噴出しながら切断された
「ギャアアアアアアオ!!!!」
その場でもがき苦しむクシャルダオラはさらに青年へと怒りの炎を燃やした
「・・・・・・・」
青年から、さっきまでなかったドス黒いオーラが発せられた・・・
これは・・・・殺気だ・・・
禍々しい殺気がクシャルダオラを覆った・・・
すると、クシャルダオラは翼を広げ、逃げようとした
それに気づくと、青年はクシャルダオラに近寄ったが、龍風圧のせいで近づけず、クシャルダオラを取り逃がしてしまった・・・・
誰もが唖然と見ていた。
古龍クシャルダオラが逃げ出すほどの相手・・・
しかも、目の前で風ブレスを切り裂いた青年・・・・
もう訳が分からなかった
青年は振り向き、リリアへと近づいた
そして、リリアへと質問した
『「大丈夫か?」』
この時、自分の父親の声を青年の声が重なった・・・
そして、ヘルムから覗かせる青色の目を見つめ、少しはみ出している赤色の髪に心を奪われた・・・
「・・・父上・・・?」
目の前に居る青年を自分の父親と間違えてしまった。
すると、青年は少しピクッと眉を動かした
「・・・・違う。オレはゼロ・・・ゼロ・ダークネスだ。」
「!?!?!?」
リリアはその名を聞いて驚いた・・・
ゼロ・ダークネス・・・それは・・・
人間を遥かに凌駕するといわれる男・・・
そして、シュレイド城に度々出入りしているという物好き・・・
そして・・・・・
その通り名は・・・・
「絶龍人・・・!!」
どうですか?
リリアの抱いた思いは・・・
そして、彼の閉ざしてしまった心は・・・?
次回「絶龍人」
お楽しみに!!!!
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