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これから『僕らの学園生活!!!』はパラレルワールドの方式でやっていきたいと思います。と言うのも最初はコメディという設定で書かせていただいていましたが途中から作者自身が根暗なので暗い話が多くなってきてしまいました。笑 しかし本当に自分が書きたかった作品になりつつあります。なのでこれからは『まりあエリザベスの正体に近づくものやメインとなる話』を本編とし番外編で『物語内での時間の経過などを無視したコメディなど』を書いていこうと思います。(まあコナンのようなものと考えて頂ければ…)とくにタイトルなどで区別をつけるつもりは無いのでご了承ください。ではこれからもよろしくお願い致します。
26。 その時シイナは
5月25日、金曜日

 何やらカエデが思いつめた表情をして教室を飛び出していった。そんなカエデを暖かい笑顔で見送るまりあとそんなまりあを複雑な表情で眺めているシイナ。

シイナ(…何だかなぁ…。)

 椎名明人は悩んでいた。内容はというとカエデではない。(正直どうでもいい。)となると、彼の頭を悩ませる原因、それはやはり毎度のことでまりあエリザベスだ。
 椎名明人は考えていた。もちろん、まりあエリザベスの事について。彼女はまさに平穏無事な河川に突如現れたブラックバス。いつも気ままにオレたちの生活をかき乱していく。

かき乱していく

でもさ、

まりあが来て明らかに変わった、この学園生活も

悪くない

むしろ、楽しいの一言に尽きる

いや、正直“楽しい”だけではない

そこには色んな感情がある


おもしろかったり、嬉しかったり、驚いたり、でも時々悲しくなったり、時々切なくなったり、でもやっぱり、『楽しい』


まりあが教えてくれたこと

やっぱり世の中ギブアンドテイク

 いつも貰ってばっかりだから、今回はオレも君に何かをあげたいんだ

なあ、まりあ

少しだけでいいから、君のココロノナカを見せてくれないか?

今回は 今回だけはさ

笑ってはぐらかさないでくれよ

とことん付き合うよ

頼むから

オレたちにも“一歩”踏み込ませてくれ


オレは知りたかった


まりあエリザベスという謎を、もっと もっと



 全ては5月22日へ

−−−−−

−−−




まりあ『あー何か気持ち悪い。フラフラする。』

シイナ『大丈夫?風邪じゃない?』

カエデ『まりあ、1人暮らしでしょ?ちゃんと栄養あるもの食べてるの?』

シイナ『そう言えば何で1人暮らししてるの?』

カエデ『ね。両親はどうしたのよ?』

まりあ『……魔法の国にいるわよ。うるっさいわね。』

シイナ『とにかくまりあは家に帰って薬飲んで寝てなさい。母さんに頼んで後で何か持ってくから。』

カエデ(その役割はどっちかって言うと隣に住んでる女の私じゃなくて?ほんとにこいつらどういう関係なのよ。シイナにも下心が…いや…まさかね…?)


 いつの間にか3人はまりあたちの住んでいる(カエデの父親がオーナーの)ブリティッシュヒルズアヴィニティの前へと到着していた。


シイナ『じゃあカエデ、後はまりあの事よろしくな。』

カエデ『はいはい。分かってますよ。』

まりあ(やばい。今更“遅れてきた5月病だよーん”とは言えないわ。(←5月病を本当の病気だと勘違いしている。))


 シイナは2、3度、手を横に振り、2人と別れ自宅へ向かう。


ガチャ。

シイナ『ただいまー。』

シーン。


 誰もいないのか。母さんはラックを連れて買い物かな。晴人はると懐人なつとはまだ帰って来ていないのか………ん……でも、カギ開いてたよな………。


シイナは『まったく…母さんは……。』


 通常、シイナは帰ってきてすぐ2階にある自分の部屋へと向かい私服に着替えてから、リビングに降りてくる。習慣というよりもシイナはマメな所があり意外と神経質なのだ。だが誰もいないという事でどこか気を緩めているのだろう。2階へは向かわず制服のままリビングのソファへと寝転んだ。

シイナ『……………。』


 天井を向いたまま動こうとはしない。ただ黙って一点を見つめていた、その瞳はゆっくりと閉ざされていく。



 まりあエリザベス。彼女がうちの学園に来てもうすぐ2ヵ月か。

でも、何もないんだよな、この2ヶ月

彼女はいったい“誰”なんだ?彼女の捜索願などは出ていないのか?2ヶ月だぞ?いくらなんでも家族だって心配してるだろ。…もしかして身寄りが…?

………………。

考えないようにはしていたけど、やっぱりそうゆう訳にもいかないよな。カエデたちはどう思ってるんだ?今が楽しければいいのか?オレらはずっと一緒じゃないのか?やっぱりこのままの関係を…?いや、でもそれはきっと違う。絶対に違う。

 でも…何だろ…?彼女の正体を知ってしまった時、もう一緒にはいられない気がする。彼女はきっと『オレらの前から』いなくなる。
 でもそれがきっと本当の意味で“魔法が解ける”って事なんだろうな…。

 ん…?でも待てよ、それじゃ“今のオレらの生活”がただの“魔法(虚像)”でしかないって事じゃないか…。


『君はいったい誰なんだ?』


 決して唱えてはいけない“呪文”か……

−−−
−−




「おい、兄ちゃん、そんな所で寝てると風邪引くぞ。」


シイナ『…………んっ……。(いつの間にか寝てたのか…。)』

「起きた?珍しいな、兄ちゃんが着替えもしないで寝てるなんて。」


 シイナが起き上がりポリポリと頭を掻きながら、次男、懐人へ目を向ける。

シイナ『………。おかえり。…悪い、今何時?』

「4時過ぎ。ねえ、友達からゲーム借りてきたから一緒にやろうよ。」

シイナ『えっ、もうそんな時間かよ。ちょっと出かけてくるから帰ったら一緒にやろ。』


 軽く捺人の頭を撫でるとシイナは(何も持たずに)そのまま慌てて家を出て行った。


「………。」





 ブリティッシュヒルズアヴィニティのエントランスにシイナの姿(手ぶら)があった。
まりあの部屋番号を押し、呼び出しても応答がない。
(まりあの家には何度か遊びに行った事がある。
)寝てしまっているのかと思い、カエデを呼び出そうとも思ったがカエデ以外の人物が出たら何となく面倒だと考え、それは止める事にした。
(実際にカエデは家にいない)しかしこれでは意味がない。
自分が報われない。
どうしようかと考えていた時、後ろから誰かがやって来るのに気がついた。年齢はシイナと一緒ぐらいの男、そう判断した理由は彼が制服を着ていたからだ。でもその制服をシイナは見たことがない。この辺の高校ではないのだろう。そしてどうやら彼はここの住人らしい。カギを取り出していたのでシイナはさっとインターホンの前をよけた。
 何となくばつが悪いので、シイナは極力その高校生と目を合わせないようにした。

 そうこうしているうちに彼がカギでロックを外しマンション内へ入る。シイナも深くは考えず自動ドアが閉まる前に後へと続く。

 何とか入れた。しかしシイナはようやくあることに気がついた。

(あ、手ぶらだ…)

 悩むシイナ。あーだめだ…。何かを取りに戻るにしてもマンションから出なくちゃいけない。第一まだ母さんも帰ってきてないし。でもこのまま、まりあの部屋行ってもカギ閉まってんじゃん。…さて、どうするか。

1、とりあえず家に帰る。

2、やっぱりカエデを呼び出す。

3、とりあえずまりあの所へ行く。


−5分後−

 よし!やっぱり男は決断力だよな!(でも5分も悩んだ。)

 シイナの出した答えは3番。(本当に何も考えていない。)さっそくエレベーターで12階まで向かう。


 12階へと着いた時、ちょうど下へ降りるらしい人物がエレベーターを待っていた。その人物とは先ほどエントランスで見かけた高校生だった。

(あれ?さっきの…。こいつもこの階に住んでるのか。)

 扉が開きシイナはエレベーターを降りた。彼と目が合う。その瞬間、時が止まったように感じ、シイナは不思議な感覚に陥った。何だか、とてつもなく、嫌な、、、

 そして高校生がエレベーターへ乗り込もうとした時。


「大丈夫ですか。」

 緊張感が漂う。

シイナ『え…いや、あ、はあ…。』


 呆然とするシイナをよそに高校生はそのままエレベーターへと乗り込む。そして扉が閉まりエレベーターはゆっくりと下に向かっていく。その間もシイナはその高校生からなぜか目が離せなかった。

(一体…こいつは…。)

 完全に見えなくなると、額にかいた嫌な汗を手で拭う。
 目を閉じる。あいつは氷のような冷たい眼をしていた。間違っても友達にはならないだろう。昔の自分を思い出す。

(まあ、もう会うこともないだろうし。どこの高校かも知らないし。)

 しかしその思いとは裏腹に、最悪な形で彼と再会する日が来る事をシイナは知る由もなかった。

 気を取り直しまりあの部屋へと向かう。扉の前に立ち、腕を組み、シイナは無計画に行動するくせを後悔した。

(さて、どうしたものか。)

 軽い気持ちでドアに手をかけてみる。

カチャ。

(えっ!?開いてる。母さんといいまりあといい不用心すぎるよ。ここは沖縄じゃないんだから。)

 ドアを開けてみると、やはり寝入ってしまっているのだろう。室内はしんと静まり返っていた。起こしてはいけないと思いゆっくりと足を踏み入れるシイナ。

シイナ(いったいオレは何をしているんだ。これじゃ泥棒みたいじゃないか。)

 まりあの寝室の扉が少し開いていたので、ほんの数秒(2秒)迷ったが中を覗いてみることにした。

 案の定まりあは眠っていた。カーテンも半分しか閉まっていなかったので夕陽の光でまりあの眠る表情も確認できた。思わずシイナも笑顔になる。

シイナ(これが当たり前になればいいのにな、、)

 シイナが扉を閉めようとした時だった。


まりあ『…お父さん……。』


シイナ(え…寝言か…。)


まりあ『……お父さん…何で……死んじゃったの………?』


 シイナは耳を疑った。

シイナ『まりあ……。』


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