第四章/三頁目
真冬の夜空から真っ白な雪が、ポツリポツリ、と降り注いでいた。
街を彩るイルミネーション。喧騒の間に流れる冬の名曲。それら全てが、今日がクリスマスなのだと実感させた。
どこを見ても今日はカップルだらけ。私達もその中の一組だ。
私は、白のロングコートにニット帽とマフラーを合わせた服装で手袋もしている。
彼は、黒のダウンジャケットに厚手のジーパンを合わせた服装だ。
ポケットに手を入れたままだから、手が繋げないのが残念だが、代わりに私は彼の腕に抱きついた。
「恥ずかしいからやめろよ」
「今日は特別なんだからいいでしょ」
特別。
そう、今日は特別なんだ。
私にとって、十二月二十五日はただの平日と変わらず、特別ではなかった。
だけど、彼と合作を創るようになってからは、特別になった。
彼と合作を創れて、本当に良かったと思う。
「何か、お前変わったよな」
ウィンドウショッピングを楽しみながら、
「そうかな?」
私達の眼前に飾ってある物。それは、純白のウェディングドレスだった。
「数ヶ月前までは無口で陰気な感じがしてたけど、今は違うし」
今の私達のお金では到底手に入ることのないけれど、いつかこれを着る日が来ると嬉しい。
「どちらかと言えば、こっちが素だよ」
あの頃の私は、周囲の人達が私を陰で悪く言っているように思えて、そんな人達と話したくないって気持ちが先走って、こちらから拒絶してた。
だけど、実際はむこうが拒絶しているのであって、私から拒絶しているのではなかった。
本心を言えば、私だって仲良くしたかったけれど、相手が本当に私のことを友達と思っているのかと疑念を覚えてしまい。結局、私は人を疑うことしかできなくなっていたのだ。
それは、今だって変わっていないと思う。
人の人生を変えるというのは、瞬間的な刺激を与えられただけでは変わらない。
現に、私は漫画を書くことで性格を表に出すことは出来るようになったけれど、それで友達が増えていない。
「まあ、こっちのがお前っぽくていいよ」
「私も、そう思う」
大きく変わることはないけれど、夢は、少しだけ自分を変えてくれるものだ。
私達は、しばらく無言のまま足を進めた。
そして、そのままホテルの中に入っていった。
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