第四章/二頁目
二学期の全行事を終え、冬休みが間近に迫っていた。
俺は既に小説を投稿し終えていたが、絵理香はまだ作画を終えていない。
もう応募締め切りまで一週間切っているので(年末年始は郵便局が休みなので)厳しい状況だ。
今は授業中だが、睡眠不足なのか絵理香は顔を伏せて寝ている。
クリスマスの日のことを相談をしようと思ったが、今は寝かせてあげたほうがいいだろう。
クリスマスと言えば、小説を執筆しようしたが親父からパソコンが借りれずに結局、自分で本体を購入したのだ。
その他諸々の費用は出してもらえたが、クリスマスシーズンはえらい出費になりそうで怖い。
だが、それでも貯金はまだ百万近く残っているので、プロデビューした時の上京費用は何とかなりそうだ。
賞の発表は二月号の誌面で行なわれるが、受賞者なら先に電話が来るらしい。
その電話の相手が担当になることが多いのだとか。
俺は信じていないが、受賞しなくても審査員を引き込む作品であれば担当が付くパターンがあるようだ。
だから、作品の出来の良し悪しに迷って送らないよりは、何度も何度も送り続けた方がいいらしい。
俺達は一回目の投稿だから受賞は期待出来ないが、何らかで担当が付けば投稿した甲斐があるってもんだ。
ちなみに、この話は漫画に限らず小説にも該当する話なのだ。
俺が購入したライトノベルの雑誌に載っていた。作家の一人が受賞した経歴はなく、二次審査で落ちたところを拾ってもらったと書いてあった。
本当かどうか怪しいが、それが本当なら、極端な話、賞なんて狙う必要はないと思う。
賞を狙って書いた作品より、自分の全力を注いだ作品のほうが審査員の目を引くのだから。
技術の有無をプロになる前から考えて、作品を送るのを躊躇っていたら駄目なのだ。
技術を磨くのは、今からではなくても良いのだから。
「あっ、ごめん。また寝ちゃってたね」
「まだ授業の終わるまで時間あんだから寝てればよかったのに」
「大丈夫だよ。それよりクリスマスの日は――」
高校三年生の冬。十二月二十三日。
俺達の『初めての作品』が完成した。
それは、始まりでもあり終わりでもあった。
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