第三章/四頁目
私は一人、ベッドの上に寝転がっていた。
十二月末が締め切りの漫画の賞が載ったページだけを切り抜いたものを天井に掲げていた。
「プロかぁ……」
私はプロになれなくてもいいと思っていたのかもしれない。
彼と一緒に漫画を書ける。それができるならプロになる必要ないと。
そういう部分だけで言えば、お姉ちゃんに言われたことは正しいのかもしれない。
だけど、お姉ちゃんの言ったこと全てが正しい訳じゃない。
そうだ。二人で一緒に活動している作家だっているんだから、私達にだって出来るはずだ。
それに、急ぐ必要なんてない。
いますぐ二人で一緒にデビューしてみろと言われたら無理だけど、そうじゃなければ可能性は十分にある。
彼と一緒に大学に行くんだ。
大学に行って、漫画制作のサークルに入って、あわよくばそこでアシスタントを見つけて――そう、私達はいつか必ずプロになれるんだ。
お姉ちゃんの言うことを鵜呑みにしてたら、それこそプロになれないよ。
私は大学を行く事を前提に色々な計画を立てていた。
ほとんど妄想ではあったが、妄想は楽しくてやめられない。こればかりはBLを読んでた頃と同じだ。
今晩は何だか少し恥ずかしいので彼に連絡はしないことにした。それに、向かい側の部屋にいるお姉ちゃんには聞かれたくない。
……そういえば、お姉ちゃんが帰ってくる前にエッチが終わってよかった。
エッチをすると疲れが激しいようだ。受けるだけでも多少は動いたりするから大変なのだろうか。
とにかく、今日はもう寝よう。
午後九時。私は就寝した。
明後日は彼に大学の事を話そう。
日曜日の休みが明けた次の日。
私は駅のホームで彼と出会った。単に待ち合わせしてただけなのだが。
「今日はそっちのが早かったね」
「ああ、今日は珍しく早く起きれたから」
電車はもうすぐ来る。
私は彼に大学の事はまだ伏せた状態にし、とりあえず進路のことを訊いた。
「武内君。高校卒業したらどうするの?」
「バイトしながら絵理香と漫画を書いてるかな。とりあえず」
大学は行かないのだろうか。
「進学とか考えてないの?」
「考えないけど。……まあ行くとしたらアレだな。大学よりも専門学校の方に行くよ。作家関係のな」
「専門学校かぁ……」
大学に行くお金は出してくれても、専門学校に行くお金は出してくれないだろうなあ。
それも漫画家になりたいからなんて理由だと余計に。
「――絵理香はどうなんだ?
俺は親が了承してくれたから大丈夫そうだけど、
お前ん家の親は、進学しないで漫画を書くこと許してくれそうなのか?」
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