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小説家になろう物語
作:俺とキルマシーン



第三章/一頁目


 俺が家に帰宅した時には、もう午後八時を過ぎていた。
 バイト以外でのこういう遅い時間の帰宅はないため、母ちゃんとかに何か言われそうだ。
 玄関を上がって、慎重に廊下を歩く。
 まだ明かりが着いているので起きてはいるようだ。
 居間には、母ちゃんと父ちゃんと婆ちゃんがテレビを観ていた。テレビに熱中しているだけなのか、単に俺に気づいてないだけなのか、何も話しかけてこない。
 俺はそのまま二階へと上がろうとした。

「どこに行ってたの? 今日はバイトじゃないでしょ」

 母ちゃんに止められた。
 声を聞いた感じでは怒っているようには思えない。

「ああ、ちょっと友達ん家に」

 適当に言い訳をしておいた。
 今まで彼女の家に居ましたなんて言えやしない。
 疑り深い性格をしている人で無くても、何かしていたことくらい分かるだろう。

「そう。遅くなるなら電話の一本くらい入れなさいよ。せっかく携帯電話買ってあげたんだから」

 母ちゃんはつまらなそうに言っていた。どうでもいいような感じに聞こえる。

「今度からはちゃんとするよ」

 俺は階段へと足を踏み入れようとした。

「――もう進路活動の時期なんだから、あまり遅くまで遊んでちゃ駄目だよ」

 足を止めていた。
 進路活動か。
 そういえば、もうそんな時期なんだよな。
 俺は、卒業後もバイトを続けていれば、いずれそこの正社員になれるだろうと思っていた。
 特に明確な目標もない。大学には興味ないし、むしろ高校終わってからまた勉強しなければならないなんて苦痛にしか思えない。サークルにも興味ないしな。
 結局、バイト先の正社員になることが俺の目標だったりした。
 まあ、それも前までの話だけど。

「ああ、大丈夫だよ。進路活動もしてるから」

「へー、ちゃんと受験勉強してるんだ」

「いや、俺、漫画家になるから受験勉強なんてしてないよ」

 今の俺には、絵理香と一緒に漫画家になるという夢がある。
 馬鹿げた夢かもしれないが、別にそんなの知ったことではない。
 リスク無しに夢を追おうなんて調子がいいにも程がある。

「あんたが決めたんなら反対はしないけど、漫画家なんて安定しない職業なんだから、ちゃんと勉強して資格とか取っておいたほうがいいよ」

「分かったよ」

 もちろん勉強なんてする気はない。
 俺は絵理香の書くキャラクター達を生かせるストーリーを書かなければならないのだから。
 資格なんか取ってられるか。












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