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小説家になろう物語
作:俺とキルマシーン



第二章/八頁目


「キャラクターを愛してるって……本気で言ってるのか?」

 私は彼を真っ直ぐ見つめた。

「本気だよ」

 キャラクターは生きているものだと私は思う。
 だから、私はキャラクターを愛し、親となり子を育てるような気持ちでキャラクターを描き続けていた。
 例外もある。
 私の場合、BLがそれだ。
 親子関係を越えて、肉体関係を味わう。
 むろん、生身の人間として実際に生きているわけではないので、一方的な肉体関係しか味わえないのだが。
 しかし、頭の中では一方的ではない肉体関係を味わっている。
 それは、キャラクターを“心“から愛し続けているから、できることなのだと思う。
 それが出来た時、私は気持ち良くなれる。
 気持ち良くキャラクターを描ける。

 心の底から愛する人とのエッチと大して愛してもない人とのエッチとでは、感じるものがまるで違う。

「今なら分かる気がするよ。お姉ちゃんが言ってた。書くことの楽しさの意味が」

 私は、自己満足のために絵を書いてるだけだと思っていた。
 いや、実際にそうなのだろう。
 だけど、今はそれが悪いことだとは思わない。
 むしろ、誇りに思う。
 それだけ、私は書くことに楽しさを感じていたのだから。

「私は、彼等を書くことが楽しい」

 とっても、楽しいのだ。

「武内君。お姉ちゃんはきっと、自分の作品を心から愛することを教えているんだよ」

 お姉ちゃんは文藝部にいた頃の彼の事を、自分が主張できていないと言っていた。
 それは、私にも言えることだった。
 だけど、彼と私の主張できていない部分は違う気がする。
 私は、自分の作品を理屈を並べて“駄作“と思い、作品を主張出来ずに隠していた。

「武内君は、お姉ちゃんの作品に目を奪われていて、自分の作品を見失っていたんじゃないかな」

「…………」

 ――文藝部の頃。
 俺は先輩に惚れていた。
 だけど、それは先輩に惚れていたわけではなく、先輩の作品に惚れていたんだ。
 自分の作品より先輩の作品を愛していた。
 だから、先輩しか見えなかったんだ。

「書くことの楽しさ……」

 合作。

「ねぇ、武内君。私達の作品を愛そうよ」

 私は、笑った。
 それが、何か解放的な気分にさせてくれて、私に乗しかかる重い何かを外し、軽くしてくれた。

「それで、世の中に私達の作品を主張するの。胸張って作品を書き続けるの」

 お姉ちゃんが私達に与えてくれたもの。
 私達の新しい表現の場。私達を主張できる場だった。












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