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極私的映画論   その9    西部劇はアメリカ人のアイデンティティそのもの。

作者: 舜風人

西部劇は歴史を持たないアメリカ人のまさにアイデンティティそのもの。



西部劇、


ウエスタン、


西部開拓史


大いなる西部。


幌馬車隊


インディアン(ネイティブアメリカン)


拳銃が法律だ!


無法者、


御尋ね者


真昼の決闘


流れ者


カウボーイ[牧童)


ゴールドラッシュ


鉄火女(ベル・スターのような、、、、、)


騎兵隊


駅馬車


まだまだいくらでも出てきそうですが


思いつくままに西部劇のアイテム?を並べてみました。


そうして


これらこそアメリカ人の魂の故郷なのですね。


だって白人系アメリカにはアメリカにおける歴史としての、中世も古代も無いのですから。


清教徒がメイフラワー号で迫害を逃れて渡ってきた


その時からしかアメリカでの歴史はありません、


だから白人系アメリカ人にとっては時代劇はイコール西部劇なのですね。


西部劇以前が存在しないのですから仕方がありませんよね。


というわけで西部劇はアメリカ人のアイデンティティそのものなのです。


だから教養ある白人系のアメリカ人は


西部劇を毛嫌いします。


なぜならまるで自分の心の奥底を覗かれたようなイヤーな気分になるからです。


アメリカ人の深層心理や深層意識には


今でも西部劇魂?が脈々と根付いているのです。


そこからしかアメリカ人の本音を理解する方法はないとすらいえるでしょう。


だから私にとって西部劇は


なるほどなあという


現代アメリカ人の深層意識の奥底を窺う好材料なのです。


白人系アメリカ人の潜在意識は今だに西部劇そのものです。


西部劇にこそアメリカ人の


本音が隠されているのです。


アメリカ人の本音を知りたければ西部劇をじっくり見て


うなずくしかないのです。



西部劇がわかればアメリカ人の考えていることの本音が手に取るようにわかるのです。


ところで今西部劇はすっかり下火?になってしまいましたね。


1940~1960年代


アメリカ映画は西部劇のオンパレードでしたよ。


西部劇の神様?監督アンソニー・マン


かれこそ西部劇の王様ですね。


そして言わずもがな


ジョン・フォード


でも、、、


それももう遠い過去のお話、、。


1970年代に入ると


西部劇は下火になり


その原因は


やはり悪役はインディアン、正しいのは白人という


あまりにも単純な正義論?が根本原因ではなかったでしょうか?


観客がもうそんなことでは納得しなくなったのですよ。


人権意識も高揚しましたしね。


そんな間隙をついて躍り出たのが


あのマカロニウエスタン「スパゲッティウエスタン」ですよね?


拳銃と血しぶきで荒野を吹き渡る風で、


ウエスタンに強心剤?を売ってくれましたが


それも一時的、、、


今やすっかり西部劇は消え去り


たまに西部劇があったと喜んでみてみれば


いやに辛気臭くて、理屈ばかりで、


あの昔のスカッとした?勧善懲悪の?醍醐味はかけらもありません。


確かにいまどきインディアン(ネイティブアメリカン)を悪役にしたら


人権団体から抗議が殺到でしょうからできません。


ですから、もう今更昔の西部劇を求めること自体が


禁忌タブーなのでしょうね。


だから西部劇が今の映画界で



作れないのが当然なのでしょうね。


ウエスタン、西部劇、カウボーイ、決闘、早打ち、シェリフ、無法の街、拳銃が法律だ、リンチ、


インディアンの襲撃、騎兵隊、縛り首、酒場女、賭博、無法者、拳銃使い、用心棒、、、、、。



アメリカ人にとって、今やそれは、あまり触れられたくない裏の部分?なのかもしれませんね。


でもこれこそアメリカの底深いアイデンティティですよ。


最近いわゆる西部劇なんてほとんど作られませんものね?


あるとしても「おふざけ西部劇」とか「カウボーイとエイリアン」とか


正当派西部劇ではないものばかりですね。


さてそんなすっかり遠ざかった正統派西部劇、


あなたは西部劇はお好きですか?


古くはウイリアムSハートが西部劇の創始者?だと言われていますが。


そんな古いのは、一先ず置いといて、、、


やっぱり西部劇といえば


ジョンフォード、


「駅馬車」と「荒野の決闘」でしょう。



そして陸続と作られた西部劇黄金時代、、


『征服されざる人びと」「赤い河」「白昼の決闘」「死の谷」「黄色いリボン」


『幌馬車」「ウインチェスター銃七三」「折れた矢」「シェーン」「真昼の決闘」


「ヴェラクルズ」「ララミーから来た男」「リオブラボー」「縛り首の木」


ああ。懐かしに、胸が痛くなりますよね?



でもこの黄金時代も一息して去ってしまい、


西部劇も振るわなくなりますね。


そんな時忽然と現れたのが


そうです。


マカロニウエスタンです。



イタリア製西部劇って?いったい?


セルジオレオーネとか


荒野の用心棒とかクリントイーストウッドとか、


大ブームになりましたよね。



でもそれもやがて終わり、、、、


それからは


単発で


西部劇らしきものは作られますが


パッとしませんね。


そんなかで一人。気を吐いたのが


クリントイーストウッドでしたね。


「荒野のストレンジャー」


「ペイルライダー』


彼が監督したこの二本がかれの西部劇へのオマージュと弔鐘?だったのでしょうか?


この二作、内容はともに、亡霊の復讐?なんですね。


何処ともなく現れて


無法者を片っ端から始末して


また風のように去っていく、、、。


こうして彼は西部劇に


挽歌を奏でたのでしょうか?


これ以降いわゆる正統派西部劇を私は見たことがありません。


「ダンスウイズウルブス」とか「ニューワールド』も西部劇といえばそうですが


いわゆる伝統的な?西部劇のパターンではないですよね。


さてこれから正統派西部劇を造る監督なんているのでしょうか?



私見では、まず、いないと思いますね。


さびし限りですがまあこれも時代の流れ?


仕方ないでしょうよ。



ランドルスコット、


ジョンウエイン、


リンダダーネル、


ヴァージニアメイヨ、


オーディーマーフィー


アランラッド、




ああ。さらば、西部劇、







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