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あの変態はなぜパンツを求めるのか? 作者:すなぎも

第一章:三人の変態

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エピローグ:美しくも汚らしい、「変態」

 照りつける日差し。
 それは真夏の訪れを告げていた。
 「あっちぃー……」
 嘆く。
 嘆かずにはいられない。
 あれから数日がたった。
 裏ミス鷺森のパンツを写真に収めた俺は、委員長に金玉を蹴られて気を失っていたらしい。
 それでも部長と山田の活躍によってなんとか逃げおおせたそうだ。
 俺たちは裏ミス鷺森のパンチラ写真を手に入れた。
 しかし風紀委員は追従の手を緩めることはない。
 結局、とっ捕まった俺たちは罪を償うために風紀委員の指導の元、慈善活動に従事するはめになったのだ。
 今はまさに、その慈善活動という名のプール清掃をやらされている。
 「お疲れのご様子だね、米倉くん」
 「部長……部長はなんでそんなに元気なんですか?」
 「ほら、あれを見給え」
 部長が指差す方向へ視線を移す。
 見ると、そこにはデッキブラシを使って一生懸命プールの底を磨いている山田の姿があった。
 もちろんスクール水着姿で。
 ぴっちりとはりついたスク水によって顕になる淫らなボディライン。
 どこに目をつけるか迷った挙句、俺の目線は胸元へと移行。
 そこにたわわと実る果実は、山田が底をデッキブラシで擦るたびに揺れる。
 揺れる。
 ゆれる!
 「おおおぉ……!」
 「ふぅ。眼福、眼福」
 俺は部長と一緒に合掌した。
 ありがとう、おっぱいの神様。
 そして震える山に、敬礼。
 「くぉらクソ男子ども! 手を動かせ手を!」
 監視員として派遣された常森が罵る。
 「コラ、部長たちになんてこと言うんでありますか」
 山田がそれを優しく制止。
 「やーん、お姉さま。ゴメンナサイ、ついうっかり」
 「うっかりなら仕方ないですね」
 なぜだろう。
 あの日以来、山田と常森の仲がいい。
 ……いや、邪険な推測はよそう。
 それより今はプールの清掃をとっとと終わらせなくては。

 真夏の暑さを和らげる優しい風が頬を撫でる。
 やっぱり風は俺たちの味方らしい。
 写真によって紡がれていく未来。
 ドドメ色のフィルムはパンツを焼きつけるために。
 そしてパンツは明日を生きる光となる。
 いつかたどり着けるかな、写真の向こう側へ。
 俺たちは手をとりあった。
 手段の一致。
 ファインダー越しに世界を眺める俺たちは。
 一人だけでは撮りきれない写真を重ねあわせて。
 それぞれの明日を紡いでいく。
 さて、この先にはどんなパンツが待っているんだろう?
 まだ見ぬパンツを求めて。
 まだ見ぬ明日を求めて。



 俺たちは、シャッターを切る。





 「米倉くん、なんだかいい感じに終わらせようとしてるようだけど、私たちのやってる行為は最低最悪だからね」
 「えええっ!? 部長、自覚あったんですか?」
 「あるとも。なぁ、山田くん」
 「そうでありますね」
 「じゃあ、なんでやめないんですか? 悪いことだってわかっているのに」
 「悪いことだってわかっていても、悪びれるつもりはハナからないからね」
 「下衆いですね……」
 「ゲスでけっこう。それに、この卑劣な行為によって発生するしかるべき報いも受け入れるつもりだ。まぁ、たいていの報いは受ける前に逃げ出すがね。だが報いを受け入れざるを得ない場合は潔く散らしてみせよう、この命。それを承知の上で変態なんだ。君だってそうだろう?」
 「まぁ、そうなんですが……」
 「それが変態のサガだ。だからもう諦めて、おとなしくプールを磨こうではないか。この現状を楽しもう」
 「部長……」
 「さぁ~って。不肖、山田めはこのプールを鏡ばりにピッカピカに磨きあげますよー!」
 「米倉くん、ほれ手を動かすぞ」
 「あっ、は、はい!」
 -----------------------この二人の変態という汚名の自覚ぶりには、まだまだ敵わない。
 俺はまだまだだ。だからこそ。山田のように、部長のように、美しくも汚らしい変態を目指そう。
 そして俺は、部長と共に山田の震える胸を横目で拝みつつも、プールの清掃に勤しむのであった。

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