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あの変態はなぜパンツを求めるのか? 作者:すなぎも

第一章:三人の変態

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エピソード11:変態の名に恥じぬよう

 「部長さん。あなたはまた凝りもせずに責め苦を受けるのですね」
 「はぁ……はぁ……もっと……もっとお仕置きを……!」
 鉄の棺桶の中で部長が喘いでいた。
 「部長、気持ち悪いから黙っててください」
 ってか、部長は前にもこの中に入った経験があるんですか。
 その上でアイアン・メイデンに飛び込んだ、と。
 本当に、心の底から尊敬しますよ。
 「直江くん。危険だから少し下がってもらえるかな?」
 「は、はいー」 
 「さて……残るはあなただけのようだ、米倉くん」
 委員長はナイフのように鋭い視線をこちらに向ける。さきほど声を出してしまったせいで周囲には俺の姿が見えている。今は空気になれていない。
 「山田くんは常森が食い止めている。部長さんはこの棺桶の中だ。どうする? おとなしくしていれば、こちらも手荒いマネはしない」
 「残念ながら、俺は諦めが悪いんですよ」
 「そうか……なら仕方がない」
 委員長は右手を突き出し、左足を引いて身構える。
 「来い―――叩き潰してあげよう」
 委員長は殺人拳を習っているとどこかで聞いたことがある。
 あれは殺人拳を繰り出すための構えなのだろう。
 溢れ出る威圧感に裸足で逃げ出したかった。
 落ち着け。
 クールになれ。
 裏ミス鷺森まであともう少しなんだ。
 ここで諦めるわけにはいかない。
 山田が必至になって……かどうかは知らないが、とにかく常守を食い止めてくれている。
 部長も身を挺してアイアン・メイデンの中へ飛び込んだ。
 なら俺は、裏ミス鷺森のパンツを撮らなくては。
 仲間たちのために。
 そして変態の名に恥じぬよう。
 俺はシャッターを切る!
 「米倉、行きます!」
 強く。
 力を込めて右足で地面をける。
 震えはいつの間にか止まっていた。
 逃げるためじゃない。
 立ち向かうために。
 俺は。
 委員長に向かって走りだした。
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