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終話
 沼田藩の百姓、松井市兵衛と杉木茂左衛門が幕府に直訴し、真田信利とその嫡子、信音が幕府評定所に呼び出され喚問された。

 注文された杉を調達できなかったこと、幼女を殺害した事などを問われ、反論出来なかった。

 斯くして天和元年(1681)十一月、沼田藩真田家はお取りつぶしになり、同月、塚本舎人、麻田権兵衛、宮下七太夫の権力を欲しいままにした三人は切腹した。
 彼らの息子達が悪名を残さず、責任を取るように説得したのだ。

 沼田領は幕府の天領となり、再検地の結果、その行きすぎた税は軽減された。

 松井市兵衛と杉木茂左衛門は御法度を破ったため、捕らえられ、数年後にその一族と共に磔獄門となった。市兵衛の刑を執行される前に幕府の御赦免状が出たが、刑に間に合わなかったと伝えられる。

 彼らは沼田領の守り神として、現在も当地に祭られている。

 塚本大祐はその後、剣を捨て僧籍に入った。
 数十年後、名僧と謳われ、その臨終の床のふところには、金糸の匂い袋に一房の髪が入っていた。最期の時、彼は手を天に向かって差し延べた。
「鈴・・・今こそそちらへ・・・」




 沼田の運命に関わった悲しい艶なる兄弟の物語は、武道の華、契りの誉れとしてここに語り伝えん。





Sooner or later,
We all have to die.
Sooner or later,
That's Stone cold fact.
(from the Eagles)


最期まで読んで頂き有り難う御座いました。
新陰流の組太刀や古武道の用語が難しかったと思いますが、楽しまれたでしょうか?武道とは心を練るものと言いますが、その本質は相手を斬り殺す技であります。しかしその奥義は我々の生活に活かせるものと思います。人を殺せるなら活かす事も出来る。そしてその妙を人生の全てに働かせられるものかも知れません。
ご感想など頂けたら有り難いです。HPは『泊瀬光延』で検索して下さい。
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