61、宿屋へいきながら
やっと時間がとれたので投稿です。
本屋を出てアサーガ達と合流を予定している宿屋に向かうとしようか。
外壁に近くの中級ランクの宿屋を手配するように頼んであるがどんなところになるかな?
わざわざ外壁近くの宿屋を選んだのには理由がある。
今、パペット達が村等を避けて陸地に魔煉瓦で道を作っている。
また、ギルマンたちも海岸線にダンジョンコアの欠片を埋め込んでダンジョンエリア化している。
近い内にこの町の近くまでエリア化するだろう。
その時のまずエリア化するのは城壁の近くからになる。
であれば、この町の拠点の候補は当然城壁に近いところにするべきだ。
これから行く宿屋の状態次第だが、エリア化した後で宿屋の人間をブレインイータ-に食わせて配下にしても良い。
地上部はそのままで地下をダンジョン化しても良いだろう。
アサーガの村の開発には時間がかかる。
何かするにも人口が少なすぎる。
パペットやコボルド等を動員すれば労働の確保は難しくはないが、普通の人間(?)の村であるという偽装は当面確保しておきたい。
地方の町でそれなりの人口があるこの町はアサーガの村の発展を隠すにはもってこいだ。
その分、金がかかるのが問題だが………。
さて、どうやって稼ぐかね?
冒険者や薬師として稼ぐ予定ではあるが町の開発ができる額では到底ないしな。
元々アサーガの村の開発費としてしか考えていなかった。
町に着いて焦りがでたかな?
後半年もすれば転生者が生まれる来る。
ある程度資金のある所に生まれてくれば10年ほどで頭角を現すものも出てくるだろう。
当面はここに拠点を設けるだけにしておくか。
それよりもクラップの商売の支援をすることにしよう。
アサーガが村の発展とクラップの商会の拡大を中心に進めていくとしよう。
他に資金の調達方法はなにかないか?
モンスター達に商隊や村でも襲わせようかな?
まだ早いか?パペット達が作っている道がもう少し延びてからの方が良いだろうな。
今だとメインダンジョンやアサーガの村に近すぎるだろう。
せめて森から1週間はかかる距離位まで離した方がよい。
メインダンジョンの存在はできるだけ隠したいものだ。
「……様、ネ…さ…。ネス様、着きました。」
つらつらと今後の事を考えながら歩いていたら宿屋に着いたようだ。
他の事に気を回していないと臭いがきついからな。
その点もいずれ解決したいものだな。
さて、案内された宿屋だが、見た目は3階建ての大きめの建物だ。
町の中心にあれば、繁盛間違いないと思えるぐらいだが、城壁がすぐそこにあるのでやや日当たりが悪い、また、ちょうど門と門の中間辺りにあるので立地条件も悪い、何故、こんなところに大型の宿屋があるのか疑問だな?
構造としては、こういった世界のスタンダードだろうか、一階が酒場、二階以上が宿泊用の部屋になっているようだ。
え~と、店名は?《宿屋,獣耳》
………?何?
獣耳?店長は獣人なのか?
もしくはケモナー?
回れ右でかえっちゃー駄目か?
入るとヤバそうなんだが?
「いかがなさいなした?ネス様?入らないのですか?」
入るのを戸惑っている俺にチャターが不思議そうに聞いてきた。
いや、店名が獣耳だよ?
おかしいとは思わないのか?
「そうですよ、ネス様、アサーガ様やクラップの旦那が待ってますよ。」
カエムお前も疑問に思わないのか?
仕方ない、店内に入るとするか、ここで突っ立っていても仕方ないからな。
「あ、ネス様こちらです。」
先に着いていたクラップ達が入ってきた俺たちに気がついて声をかけてきた。
アサーガ達はまだのようだな。
「アサーガ達はまだのか?」
「アサーガ様は、先程領主の館にしばらく滞在すると伝言がございました。」
「そうか、なにかあったのかな?」
「聞きます所によりますと冒険者ギルドにもちこまれた品に関して協議の必要があるとの事です。」
冒険者ギルドに持ち込まれた品?
俺が持ち込んだものか、厄介事にならねば良いが。