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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第4章 冒険者 雌伏編

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第10節 蟻の巣攻防戦(その6)(女王蟻たち視点)


女王蟻(クイーンアント)は苛立っていた。

「これだけの数が居ながら、なにをやっているのじゃ!」

圧倒的な数の力で人間たちを蹂躙するつもりが、蓋を開けてみれば一進一退どころか、押されている状況に側近たちに怒りを露にする。

「なにぶん通路が狭く数の有利を使えていない状況でして……」
「更に、3通路とも思った以上に人間の抵抗が激しく……」
「特に左側の通路は凄腕の個体(カムイ)がいるようで、キングアント、ソルジャーアントでは足止めすらできず……」

側近たちも、このような状況になるとは思ってもおらず、女王の怒りを静めるのに躍起になっていた。

「そのような泣き言は聞いておらんわ!通路の先には孵化間近の卵がある。なんとしてでも卵は守り抜くのじゃ!」
「「「は、ははぁ!」」」

人間が入り込んだ通路の先には孵化部屋が設けられており、なんとしてでも卵を守るよう指示を出す。

しかし、その甲斐もなく孵化部屋に安置してあった卵は全て人間たちに破壊されるのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

「おのれ人間共め……」

卵を破壊された報を聞き、怒りに震える女王蟻(クイーンアント)

「こうなれば、全員生きてここから戻すでないぞ!」

そこで、側近たちはどうすれば人間たちを皆殺しにできるのか協議する。
その結果、狭い通路では数の優位性が活かされていないと判断。
広いこの女王の間まで引き入れることを決断する。
万が一にも、女王蟻(クイーンアント)に被害がおよぶリスクもあったが、『構わぬ!場合によっては我が直に相手をしてくれるわ!』と息巻き許しが出たため、各通路に伝令を走らせ兵隊を女王の間まで引かせる指示を出したのだった。


側近の命令により、通路に控えていた蟻たちも女王の間に集結する。
女王の間に集結した眷属は、元いた数の30%が失われていたが、それでもまだ数千匹に及ぶ数を前にし、コレであれば数で圧倒できるだろうと側近たちは考えていた。


「人間共はまだか!」

側近たちの思いとは裏腹に、眷属の30%が失われたことに女王蟻(クイーンアント)は怒りに打ち震えていた。
それはそうだろう。
長い年月をかけ自分が生んだ子供たちが、たった数時間で全体の30%もの命が失われたのだ。
女王蟻(クイーンアント)は1度に数百個の卵を産むのが仕事であり、1匹1匹に思いいれがある訳ではないが、それでも自分の子供であることには間違いがない。
子供を殺されていい気がしないのは、蟻も人間も同じだった。

通路から吹き込んでくる風には人間の匂いが漂っており、確実にこの場所に近づいてきていた。
ただ、念のためということで女王蟻(クイーンアント)には眷属から離れた場所に移動してもらっていた。
そうでもしなければ、最前線で人間たちに襲いかかろうとする勢いだったからだ。
側近たちからすると女王蟻(クイーンアント)が全てであり、それ以外は自分達を含めどうでも良かった。

「もたもたするな。早く陣形を整えよ!」
「特に左の通路から来る個体(カムイ)は強力だ。もっと数を集中させよ!」

側近たちの激が飛ぶ中、蟻たちは人間を呼び込むための陣形を整えるのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

陣形も整い、静寂に包まれていた。
あとは人間たちが女王の間に入ってくるのを待つだけとなった。

しかし、その静寂も一瞬にして打ち破られることになる。

「ぎゃーーーーーー!」
「うわぁぁぁぁあああぁぁぁぁーーーーーーーー!」

突然、蟻たちが待ち構えている陣形の真ん中に炎の柱が立ち上り、そこに布陣していた蟻たちは一瞬にして灰になる。
さらに炎の柱は、高速に渦を巻きはじめ周りにいた蟻たちを次々と飲み込んでは灰にしていく。

「な、なんなんだこれは!?」
「範囲魔法だと!?敵はどこだ!」

蟻たちは、何が起こったか分からずパニック状態になる。

「竜巻の範囲から離れるんだ!」

その間にも次々と、竜巻に巻き上げられては灰になっていく。
竜巻から逃れられた蟻たちも、次々と襲い掛かってくる範囲魔法の餌食になっていく。

巨大な砂嵐に身動きがとれなくなったところに、雷の雨が降り注ぎ黒焦げになる者。
毒の霧に包まれ毒に侵され、更に十字架を模した光の矢に貫かれる者。

蟻たちにとっては、そこはまるで地獄絵図のようだった。

女王蟻(クイーンアント)は、離れた場所に居たために範囲魔法の影響は受けなかったが、目の前に繰り広げられる殺戮を唖然と見つめていた。

「あ、あ、我の子たちが……」
「女王様、どうかお下がりください!」
「な、なにをしておる。早く助けるのじゃ」
「む、無理です。どうか…どうか…」

無意識に殺戮されている現場に近づこうとする女王蟻(クイーンアント)を側近たちが必死に押し止める。

魔法の効果が切れるころには、広場を埋め尽くしていた蟻たちは、まばらに点在するのみだった。

お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。

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