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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第4章 冒険者 雌伏編

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第09節 蟻の巣攻防戦(その5)


カムイたちは、黒こげになった卵の間を通り抜け、更に奥を目指していた。
これまでと同様に、キングアントに率いられたソルジャーアントの群れをカムイの魔法で殲滅していく。

(いったいどれだけいるんだ?)

倒しても倒しても、次から次へと沸いてくる蟻たちにうんざりしいていたカムイだったが、唯一の救いはパワーレベリング的に倒して行くためにLvが面白いように上がっていった。
また、殲滅速度が尋常でないため、アマゾーン、砂塵の星も、素材の剥ぎ取りにまわっていた。
剥ぎ取った素材は、持ちきれないほどの量になるため、今はカムイの無限袋に収められている。

「はぁ、はぁ、ね、ねぇカムイ。少し休憩しない?」

ジュリアナが、肩で息をしながら提案してきた。
あるときを境に蟻たちが仕掛けてこなくなったからだ。
というよりは、退却していったというほうが正確かもしれない。
カムイは、念のためファイアーウォールで炎の壁を作り奇襲に備えて休憩を挟むことにした。

「しかし、急に蟻共が居なくなったが、逃げ出したか?」

砂塵の星のバシルが疑問を口にする。
マップが見えているカムイは、蟻たちが居なくなった理由が判っていた。

「それはないでしょう」
「どうして判るの?」

他のメンバーもその理由が知りたそうだった。

「風の流れから判断すると、この先に大きな空間があるようです。蟻たちは、狭い通路では俺の魔法の餌食にしかならないとようやく思ったのでしょう。圧倒的な数を有効に使うには、狭い通路より拓けた場所を選ぶのは当たり前と思いますよ。寧ろ遅いくらいです」

カムイの説明に他のメンバーは、『風の流れ感じる?』『うううん』などと言い合っていた。
風は、空気が多い広い空間から、空気が少ない通路に空気が流れる。
風自体は僅かな流れだったが、カムイはそれを感じとっていた。


「すると、この先に蟻共が待ち構えているってことだな?」
「ほぼ間違いなく」

マップ上では、通路を抜けた先に孵化場所より何倍もの大きさの空間があり、びっしりとそれこそ蟻の這い出る隙間もないくらい赤いマーカーが蠢いていた。
中でもひときわ大きなマーカー1つあり、それが女王蟻(クイーンアント)であることを示していた。

(さて、どうしたものか・・・)

何も対策を講じず通路を抜ければ、カムイはともかく他のメンバーは数の暴力により只ではすまないだろうことは明らかだった。

(ならば、範囲魔法で数を減らすか・・・・)

現在カムイが習得している範囲魔法はボルケーノを筆頭に低位範囲魔法は全て習得済みだ。
連発するための魔力も十分にある。
カムイ自身の中で範囲魔法連発による蹂躙という方針が決まった。
そしてファイヤウォールが切れると同時に、蟻たちが待ち構えているであろう通路の奥を目指すのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

一方、他の通路では一進一退が続いていた。

カムイからの情報を元にジャスパーからの指示で蟻の卵を破壊することになった。
しかも奥の通路から沸いてくるソルジャーアントを相手にしながらの破壊活動は、参加している冒険者に一層の疲弊を強いるものとなった。

「卵の破壊はまだ終わらないのか!」
「もう少しだ!」
「急いでくれ。こっちも限界に近いぞ!」

カムイのように範囲魔法1発でとはいかないため、総出で卵の破壊を行う。
蟻たちも卵を護るために死に物狂いで突撃してくる。

「よし、これで最後だ!」

そう言って最後の卵を破壊する。
それと同時に前線のメンバーへの支援を強化する。

キュキュ キャキュ キューーーーー!

ところが、最後の卵を破壊されたのを見届けるかのように、蟻たちは何か叫びながら通路の奥に引いていく。
冒険者たちは、何が起きたのか判らなかった。

「蟻共が引いていく?」
「どういうことだ・・・・護るべき卵が無くなったからか?」

実際には、狭い通路では不利とみて広い出口に待ち伏せをするために蟻たちは引いていったのだが、カムイのように状況が判らない冒険者たちは、卵が全て破壊されたから引いたものと考えていた。

「見張りを立てて休息しよう」

理由はどうであれ、蟻たちが引いたことで暫しの休息に一息つくのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

カムイたちは、通路の出口まで15mほどのところで身を潜めていた。
ここまでくると、アマゾーン、砂塵の星のメンバーにも、通路の先に無数の蟻たちが待ち構えている気配を察知できていた。

「どうする?気配だけでも尋常の数じゃないぞ?」

ジュリアナがカムイにどうするか聞いてくる。
この中ではカムイが一番年下なのだが、もはやリーダー的な存在になっている。

「孵化場所と同様に範囲魔法で蹴散らします。皆さんは通路に入ってくる蟻の討伐をお願いします」
「魔法発動の邪魔をさせなければいいんだな?」
「ええ」
「任された!」

アマソーネ、砂塵の星のメンバーは、武器を抜いて警護の準備を始める。
カムイは、今回は複数の範囲魔法を発動するため、いつもより入念に時間をかけて魔素を集約していく。
カムイの周りに膨大な魔力が充満していく。

(なに?この魔力……信じられない……)

メイジならいざ知らずアタッカーであるジュリアナたちにもはっきりと分かるほどだ。

「いきます!」

カムイの様子を呆気に取られて見ていたジュリアナたちも我にかえり、武器を構え防御体勢を取る。

(ボルケーノ)

孵化場所の卵を1発で消し炭にしたボルケーノを唱えたあと、更に魔法を重ねる。

(トルネイド)

巨大な火柱が高速に回転しだし、炎の竜巻を作り出す。
さらに相乗効果により渦の威力は、単発のトルネイドを遥かに凌駕していた。

ギュアギャーーー!
キュキュキャギャーーー!

火柱の渦は、周りにいた蟻たちを次々と飲み込み巻き上げていく。
巻き上げられた蟻たちは、高温の炎に焼かれ灰となり辺りに降り注がれる。

カムイは、更に次の魔法を放つ。

(サンドストーム)

辺り一面が砂嵐により視界を遮られ、大量の砂により身動きが取れないようになっていく。
ここにも魔法を重ねる。

(プラズマ)

砂嵐の上空にゴロゴロと雷鳴が轟き、雷雲が砂嵐の上空を覆い始める。
そして、雷雲からは雷の雨が地上に降り注ぐ。
雷の雨は、砂に埋もれ身動きが取れなくなっている蟻たちを次々に貫いていく。

蟻たちは突然の出来事に右往左往する。

洞窟でカムイの護衛をしているジュリアナたちも、惨劇とも思える光景に唖然とする。

そんなことはお構いなしに、カムイは畳み掛けるように魔法を発動する。

(ダークミスト)

炎と雷から難を逃れた蟻たちに容赦ない毒の霧が襲い掛かる。
毒の霧の包まれた蟻たちは、全身を毒に侵され痙攣をおこしながらその場に崩れ落ちていく。

(ホーリークロス)

放っておいても毒が体中をめぐり絶命すると思われたが、それを待たずして十字架を模した光の矢が上空を覆い、毒で身動きが取れなくなった蟻たちの身体を貫きトドメをさしていく。

魔法の効果が切れるころには、広場を埋め尽くしていた蟻たちは、女王蟻(クイーンアント)の周辺にポツポツとまばらに点在するのみだった。

お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。

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