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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第4章 冒険者 雌伏編

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第06節 蟻の巣攻防戦(その2)


カムイは、指示された通路を進んでいく。
蟻の巣は、入り口こそ2m四方と小さかったが、奥に進むにつれ5~7m四方と広がっていた。

(まるでダンジョンだな)

内部はダンジョンとほとんど変わらない作りになっていた。
同行しているのは、蟻の巣をマッピングしている連絡員であり、彼が道案内を兼ねている。
通路の足元には、先陣を切っているパーティたちに倒された蟻の死骸が所狭しと転がっている。

30分程歩くと、カムイのマップの端に味方と思われる黄色のマーカーが現れ始めた。
そして、更には戦闘中なのだろう、黄色いマーカーと赤色のマーカーが入り混じった表示が現れだす。

しかし、カムイが驚いたのは、魔物を示す赤色のマーカーの数だ。

(おいおい、これ全部蟻か・・・・?一体、何匹いるんだ・・・・)

通路にビッシリと埋め尽くされており、奥に向かってどこまでも続いていた。
マーカーの動きから、どうやら一進一退が続いているようで、冒険者側が必ずしも優勢とは言えないようだ。

「少し急ぎましょうか」

そう連絡員に告げて駆け出すカムイだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

「はぁはぁ、次から次へといったい何匹いるの!」
「知らないわよ!」

今、前線で蟻を押し止めているのは、以前カムイとパーティを組んだこともあるアマゾーンの面々と砂塵の星というCランクパーティだった。
彼女たちも、支援要請を受けてこの戦いに参加していた。

しかし、この通路に参加しているパーティはアマゾーン、砂塵の星を含め14パーティ120人が参加していたが、どのパーティもすっかり疲弊しており奥に進むどころか侵攻を食い止めるので精一杯だった。

しかも、アマゾーン、砂塵の星の面々の装備はあちこちに痛みが目立ち、これ以上戦闘を継続すると使い物にならなくなりそうな状態だった。

「援軍はまだなの?もう持たないわよ!」
「こっちも、そろそろ限界だ!」

今にも防波堤が崩れ、蟻という濁流が押し寄せようかと思った瞬間、アマゾーン、砂塵の星と蟻の間に炎の壁が立ちはだかった。

「ファイアウォール!」

なにか起きたか一緒判らなかったが、「大丈夫ですか?」という声のほうを振り向くと、そこには異様なマスクに顔を包んだ男が駆け寄ってきていた。
しかし、声については、聞き覚えがあったアマゾーンのメンバーが声を上げる。

「「「「「カ、カムイ!?」」」」」

アマゾーンのメンバーが声を揃えて叫んだ。

「あれ?ジュリアナさんたちじゃないですか?貴方たちも来ていたんですね。怪我とかはありませんか」

緊張感のカケラもないカムイの問いかけに、その場にへたり込むアマゾーン、砂塵の星のメンバーだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

カムイの放ったファイアウォールは、蟻の這い出る間もないほど通路を塞ぎ、壁の向こうでは蟻がなんとか突破しようと突っ込んでくるが、破れるわけもなく黒コゲの死体を増やしていった。

その間に、体制を立て直すパーティたち。

「ともかく助かったよ。ところで援軍は君だけなのかい?」

砂塵の星のリーダー、バシルがカムイに聞く。

「先行してきたのは俺だけです」
「そうかい・・・・」

カムイの声に落胆の色を示すバシル。
だが、それとは異なる反応を示すのはアマゾーンのメンバーだ。

「カムイが来たのなら楽勝ね」
「ホントホント」
「皆さんは元気にしてましたか?」
「見てのとおりよ、Lvも少し上がったのよ」

ジュリアナの言うとおり、全員が以前会ったときよりLvが上がっているようだった。

「さて、これからですがどうします」
「カムイがいるんなら、こっちはこんなにパーティ必要ないわね」

ジュリアナのその言葉に驚く砂塵の星のメンバーたち。

「「「「「えっ!?」」」」」
「いくらなんでもそれは無茶なんじゃ・・・・・・」
「ん?カムイの戦闘を見てない人にはそうなんだろうけど、規格外の戦闘を経験しているアタシらしたら、過剰の人員だわ。それこそ何もすることがないほどに」
「でも、ランクはDなんですよね?」
「そうね・・・・・って、カムイサボってたんじゃないの?あれからランクが変わってないなんて」
「失礼ですね。これも一応色々忙しかったんですよ」

カムイは、両手を挙げてオドケて見せる。

話し合った結果、カムイを主力としてアマゾーン、砂塵の星がサポートパーティとして付いていくことになった。
あとは、素材回収としてDランクパーティ1組と、マップ情報を伝達する連絡員を伴う構成にし、残りのパーティは他の2通路への支援に返すことにした。

「カムイが用意できたら出発しましょう。そろそろファイアウォールが切れるでしょうから」
「その前に、装備を修理しますので貸してください」
「判ったわ」

てアマゾーンのメンバーはカムイに言われた通り装備を脱いで渡していく。
カムイは、受け取った装備を無限袋に入れて、再度取り出す。
取り出された装備は、新品の状態で所有者に返されていく。
砂塵の星のメンバーはその光景を驚きの表情で見ている。

「助かったわ。修理代も馬鹿にならないからね」
「アウラさんのところに頼んでるんじゃないんですか?」
「そうなんだけど、さすがにタダではないからね」

そんな話をしながら、次々とメンバーの装備も新しくしていく。

「他の方はどうします?」

アマゾーンのメンバーは、面識があったから疑うこともせず装備を渡していたが、他のメンバーは怪しいマスクをした初対面のカムイに、命を護る装備品を渡すに戸惑いがあった。

「お、俺たちは遠慮しておこう」
「そうですか。必要になったらいつでも声をかけて下さい」

そう言って、カムイもファイアードレイク装備に着替える。

「装備新しくしたんだ」
「なんか格好いいね」

その装備をみたジュリアナが喰いついてきた。
全身真っ赤な光沢を放つ装備は異彩を放っていた。

「えぇ、運よくファイアードレイクが狩れたんで、作ってみました」
「ファイアードレイク!?」
「えぇ、レア装備みたいでしたから苦労しましたよ」

実際苦労したのは、ファイアードレイクの生息地を調べることだったのだが嘘は言っていない。

「私も欲しいな・・・・」
「ん?素材があれば作って上げますよ?」
「ほんと!?」
「あ、ジュリアナだけずるい。私も欲しい」
「「「私も!」」」

全員が、カムイにすがりつくように迫ってきた。

「ちょ・・・近い近い・・。判りましたから離れて下さい」

そう言ってアマゾーンのメンバーを引き離す。

「ただ、ペナルティなしに着れるのは、Lv40になってからですから、そこまで頑張ってください」
「「「「「判った(わ)」」」」」

『絶対だよっ!』と言いながらアマゾーンのメンバーは嬉しそうにカムイから離れるのだった。

お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。

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