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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第4章 冒険者 雌伏編

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第01節 予想屋ガロッツォ

とりあえず、復帰第一弾です。

本節から「第4章 冒険者 雌伏編」となります。

雌伏:実力を養いながら活躍の機会をじっと待つこと。

トーナメントが終了してから1か月。
ノウェンベル(9月)の季節を迎えていた。
その間、トミヤやノップス商会への商品の(おろし)を行ったり、Lvの低い未踏破ダンジョンの攻略を行っていた。

今更低Lvのダンジョン攻略をしても得るものはないのだが、元の世界でも武器や防具、アクセサリーに始まり、収集できるものは『コンプリートすることが当たり前』といった面倒臭い性格でもあった。
そのため、ダンジョンも未踏破を残しておくことに我慢ができなかった。
たとえそれが実入りが少なくてもだ。

ドゥオ(第2)ダンジョン(10)  Lv20~30
ドゥオデキム(第12)ダンジョン(15)  Lv20~35
クァットゥオルデキム(第14)ダンジョン(18)  Lv18~30
セーデキム(第16)ダンジョン(18)  Lv15~30
セプテンデキム(第17)ダンジョン(15)  Lv20~30

2週間をかけこれらのダンジョンを攻略したが、思った通り時間と労力をかけた割には上がったLvが1つだけと残念な結果だった。


また、ダンジョン攻略以外では、図書館での情報収集や、革の街ニバックルの伝手(つて)を頼ってCグレード装備に関する情報収集を行っていた。

武器は既にCグレードクリスタルダガーだったが、防具、アクセサリーに関してはDグレードのままだったために、そろそろCグレードへの換装を考えていたからだ。
そのため、Cグレード装備の製作に必要な残りのスキル、板金、彫金、裁縫もLv10まで上げる。

[板金 Lv10] (Lv5×1P)
[彫金 Lv10] (Lv5×1P)

[裁縫 Lv10] (Lv5×1P)


集めた情報を総合すると、Cグレード最強軽装備はファイアードレイクの素材を使用したものだということが判った。

 ファイアードレイクサークレット
 ファイアードレイクザーメイル
 ファイアードレイクザーレギンス
 ファイアードレイクザーブーツ
 ファイアードレイクザーグローブ

ファイアードレイクは、元の世界ではケルトの伝承に伝えられるドラゴンの一種で、名前の由来は全身が炎に包まれているからとも言われていた。
情報によるとファイアードレイク装備は、防御力が高いことは言うに及ばずセット補正も優秀なため、Lv60までは十分使用に耐えうるほどだった。

問題は、ファイアードレイクの所在に関する情報がなく、ニバックルで聞きこんでも古い文献にその名前と当時製作した防具の情報が載っているだけで、実際にファイアードレイクがどこに生息しているかの情報はなかった。
そんな状況のため、ニバックルでも実際にファイアードレイクの素材を見た者はないとのことだった。
当然、この世界の新参者のカムイが知る訳もなく、途方に暮れることになる。

「まいったなぁ、誰か知ってそうな人しらない?」
「ん~、すまんな。知り合いにも当たったんだがな・・・・」

レア装備だったため、是非とも製作したかったが素材が入手できないことには始まらない。
仕方なく諦めようかと思ったところに、一筋の光明が差す。

「そう言えば、噂だが王都で情報屋と呼ばれる人間がいるって話だが、聞いたことはあるか?」
「情報屋?」
「あぁ、あくまで噂の範疇でしかないんだが、金さえ積めばどんな情報でも入手できると言われている」
「どこに行けば会えるんです?」
「さぁな。俺は会ったことはないし、噂だからなぁ。」
「そうですか・・・・」
「そんなレア素材を使わなくてもCグレード装備なら他にいくらでもあるだろうに。これなんかどうだ?」

この時カムイは、友人が進める防具には関心を示さず、研修生トーナメントで出会った予想屋を思い出していた。

(そう言えば、あの予想屋、やけに情報に詳しかったが情報屋を使っていたのかも・・・・)

元いた世界でも情報屋(インフォーマント)と呼ばれる人間は存在していた。

(名前は確かガロッツォと言ったか。当たってみるか)

カムイは、礼を言い王都に向かうのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

王都に来たのはいいが、カムイはガロッツォがどこにいるか知らなかった。

出会いがブックメーカーでの賭け事だったため、まずはブックメーカー協会に足を運んでみることにした。

ブックメーカー協会は、商業区の一角に建てられており。建物の見た目は高級ホテルを思わせる外装をしていた。
そういえば、元の世界でもラスベガスとかのカジノも、あまり建物外装はハデではなかった記憶がある。
その分内装はハデだったようだが、こちらの世界もどうやら同じ造りのようだ。
入り口には、警備員が武装して立っていたが、カムイは別段咎められることもなく、すんなり入場することができた。

中は、思ったより広く各ブックメーカーのブースが壁伝いに設置されており、部屋の中央には幾つもの張り紙が張られたボードが等間隔で置かれていた。
どうやら、現在賭けが行われている対象が張り出されているようで、ボードの周りには人垣ができていた。

ブックメーカーの反対側の壁沿いには予想屋が軒を並べており、威勢のいい声が響いている。

カムイは、予想屋を見て回るが、どうやらここにはガロッツォはいないようだ。
近くにいた予想屋に居場所を知らないか聞いてみる。

「ちょっといいですか?」
「なんだい?賭けかい?どのゲーム(賭けの対象)だい?」
「いえ、違うんですよ。予想屋のガロッツォって方を探しているんですが、どこにいるか知りませんか?」
「ガロッツォ?あいつに何の用だい?」

ガロッツォの名を出した途端に、予想屋の顔が険しくなる。

「何の用があるか知らねぇが、あいつとは関わり合いにならねぇほうがいいぞ」
「どうしてです?」
「あまりいい噂を聞かないからな」
「そうですか・・・・ご忠告ありがとうございます。で、どこに行けば会えますかね?」
「さぁな。酒場にでも行ってみるこったな。この時間ならいるかもしれん」
「どこの酒場にいるか判りませんか?」
「そこまでは、知らんよ」
「そうですか・・・・」

酒場といっても、王都は数多くの酒場ある。
しらみ潰しに探すのはいかにも効率が悪い。
どうやって探すか思案しながら協会を後にするのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

カムイは、繁華街のとある酒場にきていた。
繁華街では比較的大きい部類の酒場だ。
なぜ、この酒場を選んだかというと、時間的にまだ昼を過ぎたばかりで、酒盛りをするには随分早い時間ではあったが、多くの酒場はまだ開店しておらず選んだというよりは24時間やっているここしか開店していなかったためだ。
ただ、この時間にしては予想以上の客が入っていた。
昼間から酒を飲んでいる者、テーブルでカードゲームに興じている者、壁に寄りかかって酔いつぶれている者など、見るからに定職についてなさそうなガラの悪そうな面子ばかりだ。

カムイは、カウンターに近づき中にいるバーテンに声をかける。

「何にするんだい?」
「注文の前に聞きたいことがあるですが・・・」
「聞きたいこと?」
「予想屋のガロッツォさんの居所知りませんか?」
「ガロッツォだと!?」

バーテンが驚いたように声を上げる。
すると、今までの喧騒が嘘のように静まり返り、客の視線が一斉にこちらに注がれる。
バーテンも『しまった!』という顔をしながら慌てて手を口に当てる。
そして、小声でカムイに忠告する。

「坊主、何の用があるか知らねぇが、このまま何も聞かずに帰りな」
「どうしてです?」
「どうしてもだ。これは、脅しても何でもねぇ。お前みたいなガキが関わっていい人じゃないんだよ」
「困りましたねぇ。どうしてもガロッツォさんに会いたいんですがねぇ・・・・」

バーテンとそんな話をしていると、数人の男たちがカムイを囲むように集まってきた。

「よぉ。ガロッツォさんの名前が出たようだが何の用だ?」

カムイは男たちを一瞥しただけで、再度バーテンに話しかける。

「何とか連絡を取る方法はありま「おい!ガロッツォさんに何の用かと聞いてるんだ!」」

男がカムイの肩をつかもうと手を伸ばしてきたが、逆に手首を掴み後ろ手に捻りあげる。

「グッ!?」
「さっきから煩いですね。あなた方に用はないんですが・・・・・。それともガロッツォさんの居場所でも教えてくれるんですか?」
「な、なんだと?ふ、ふざけるな!」

腕を掴まれた男が声を荒げる。

「お前ら何している!こいつをやっちまえ!」
「おっと、動かないでください!下手に動くと、この人の腕が2度と使えないようになりますよ」

そう言って、掴んでいた腕を絞り上げる。

「イデデデ!お、おい、早くこいつをなんとかしろ!」

男がそう言っても、取り囲んだ男たちは躊躇(ちゅうちょ)して動かない。
すると、取り囲んでいた男たちの後ろから声がかかる。

「悪いな。手を離してやってくれないか」

その声を聞いた男たちが、道を譲るかのように囲いを解く。
そこには、カムイが探していた予想屋のガロッツォがいたのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

カムイは、ガロッツォとテーブルを挟んで座っていた。
ガロッツォの後ろには、護衛だろうか2人の男が寄り添うように立っている。
そのうちの片割れは、はっきりとはしないが、ブックメーカー協会に客の1人としていたような気がしていた。

「なにか飲むか?」
「いえ、結構です」

そういって、無限袋から自分用にミックスジュースを取り出す。
相手のテリトリー内の酒場で、何か混入されているか判らないものに手を出すほど愚かではない。

「そうか」

そう言うと、自分の酒だけ用意をさせる。

「そう言えば、トーナメントでは相当儲けたそうだな」
優勝が決まっている(・・・・・・・・・)パーティが余りにもオッズが良かったですからね。ブックメーカーが賭けを受けてくれたことも幸いしました」
「おかげで、ブックメーカーは儲けが無かったと嘆いていたがな」
「それは俺のせいではありませんよ。ちゃんと情報を入手し精査してればあんなオッズは付かないはずですから・・・・。まぁ、どっちにしろ情報が漏れるようなヘマ(・・)はしませんけどね」

カムイは肩を窄めて言い切る。

「耳が痛いな」

運ばれてきた酒を一気に飲み干しながらそう答えるガロッツォもオッズメーカーと同じ予想をしていた。
しかも、それをカムイ本人に講釈を垂れたのだ。
ガロッツォとしては、言う言葉が見つからない。

ガロッツォは、酒瓶からクラスに酒を注ぎながら話題を変える。

「ところで、俺になにか用か」
「えぇ。正確にはガロッツォさんではなく、ガロッツォさんのもつ情報網にですが・・・・」

その言葉にガロッツォの手が一瞬止まるも、直ぐに平静を装い酒を注ぎ始めるがカムイは見逃さなかったのだった。

お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。

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