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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第1章 ルロワ村編

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第6節 若い薬師と鍛冶師の火傷 前編

1話にまとめるつもりでしたが、ちょっと長くなりそうでしたので前後編に分割することにしました。
弓スキル取得した時に鑑定をLv20(MAX)にしたら、なんか職業に鑑定士ってのが付いていた。

 職業:鑑定士

しかも、状態まで見れるようになっていた。
職についてはなにか恩恵がある訳じゃなさそうなので、とりあえず放っておくことにした。

状態は、戦闘時のバフ(強化状態)が確認できるようになっていた。
試しにリジェネを掛けてみるとちゃんと表示された。

 状態:リジェネ

この分だとデバフ(弱化状態)も表示されるのかな?。
あと、探索をMAXにしたことで、ポーションなどの製作に必要な素材がマップ上に表示されるようになった。
製作のスキルは、Lv1鍛冶とLv1錬金術しか取得していないが、それでも今後を見据えれば必須であることには間違いない。

(こういうのを瓢箪から駒って言うんだろうな)

心の中でひとり独り言つカムイだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

カムイは今、薬師のところに向かっている。
足取りは結構重そうだ。
というのも、ルークからされたお願いごとを解決にしに行くためだ。


「カムイは冒険者だよな」
「えぇ、前にも言いましたが駆け出しですが」
「冒険者のスキルに、薬草からポーションを作成する錬金術のスキルがあると聞いたことがあるが、カムイは使えるのか?」
「初級なら回復と毒消しのポーションは作れますよ」

カムイは、ルークがなぜそんなことを聞いてくるのか分からなかったが、正直に答えた。

「そうか・・・」

ルークは、少し考えたあとこう言って来た。

「カムイに助けて欲しい薬師がいるんだ」
「どこかケガでもされているんですか?」

薬師がケガ等でポーションが作れず困っているのかと思ったのだが違う、というかもっと状況は悪いようだ。

「実は、今この村にはちゃんとした薬師がいないのだ」

ルークがいうにはこうだ。
これまでは、高齢ながら腕のいい薬師がいた。
歳を考え何度か弟子を取ったが、昔気質の性格だったらしく『技術は視て盗め』といって作り方とかは一切教えなかった。そのため、取った弟子も長続きせず直ぐ辞めていき、ここ何年かは弟子すら取ることをしなくなった。
さすがに、こんな状況がいつまでも続けば、何年か後には薬師がいなくなることを危惧した村人たちが薬師を説得し新しい弟子を取ることになった。
弟子には本人の希望もあり、鍛冶師の娘イエリュージュに決定した。
イエリュージュは、錬金術の技術を盗もうと一生懸命に働いた。その姿にこれまでの弟子とは本気度が違うと見たのか薬師のほうも少しずつ知識を教えていくようになった。

そんな様子を見た村人たちが安堵したのも束の間、カムイが村に来る2週間前に突然薬師が他界してしまう。(現代で言うところの心筋梗塞のようだったらしい)

これに慌てたのが、イエリュージュだ。
師匠が居なくなった状態で、ポーション等の製作を行わないといけなくなった。
先代によって薬の作り置きは十分にあったが、それもいつまで持つかは判らない。
これからは、短い間で得た知識を使って独学で取り組むしかなかった。

さらに、悪いことは重なるもので、鍛冶師である父親がちょっとした不注意で手に火傷を負ってしまう。
先代が作り置きしていたポーションを使えば直ぐ治療することもできたが『娘の作った薬でなければイラン!』といって拒否する始末。
お陰で、鍛冶で直して貰わないといけない農具とかの修理も滞っているらしく、これが更にイエリュージュを追い詰める結果となった。


「ようするにルークさんとしては、俺に薬師の娘にポーションの作り方を教えて、それで鍛冶屋のオヤジを治させたい。ってことですね。」
「その通りだ。頼めるか」

ルークの話を聞いて、真っ先に思ったのは(鍛冶屋のオヤジ、面倒くせー)だった。

「ひょっとして、鍛冶屋ってドワーフですか?」
「ドワーフだ」

ドワーフはどの世界の設定でも頑固なのは変わらないんだなと『はぁ~』とため息を吐きながら言った。

「どこまでできるか判りませんが、やってみましょう」

 △▼△▼△▼△▼△▼△

ルークに教えてもらった家の前まで来たが、扉は閉まっておりなぜか人の居る気配がない。

「こんにちは。イエリュージュさん居ますか?」

声を掛けるも家の中から返事がない。
なんか悪い予感しかしてこない。

(結構追い詰められていたらしいから、まさか自殺なんてことは・・・)

「入りますよ!」

カムイはそう言って扉を開けると、薬草の腐った匂いやら、薬品の匂いが一気に外に流れ出す。部屋のテーブルを見ると、既に火にかけてあった薬品が蒸発し空焚きの状態で放置されており、すでに火のほうも消えた状態だった。

(これはマズイ!)

カムイは、部屋中の全ての窓解放していく。
外では、異臭に気が付いた村人が集まってきて騒ぎ始めたが、

「薬草の臭いですから害はありません。直ぐに臭いも収まりますから大丈夫です!」

そうカムイが説明をすると、安心したのか元の作業に戻っていった。

(ところで、肝心のイエリュージュさんはどこだ)

換気して空気が良くなったおかげで、部屋の中の臭いもマシになってきたので、当の本人を探してみる。すると隣へのドアが開いたままになっており、そこから倒れた人の脚だけがピクリともせず覗いていた。

(おいおい、勘弁してくれよ)

最悪の事態を想定しつつ、倒れた人の側に駆け寄る。
そこには、見た目は少女にしか見えないドワーフの女の子が倒れていた。
カムイは、鑑定で状態を確認する。

======================================
 名前:イエリュージュ(女)
 年齢:15歳
 種族:ドワーフ族
 クラス:ファイター
 職業:薬師
 状態:疲労、睡眠不足、空腹
======================================

気を失ってはいるが、兎に角生きてはいるようだ。
カムイは静かに抱きかかえると、ベッドまでそっと運んで寝かせようと思ったが、いつから使ってないのか埃まみれで、衛生上良くないのは明らかだった。
どの道、この部屋の状態では、錬金術を教えるのにも支障が出るため整理が必要なのは明らかだった。
そう考えたカムイは、そのままイエリュージュを抱きかかえたまま、ある1件の家に向かった。

「こんにちは。こちらはゴージュさんのお宅でしょうか。」

入り口の扉が開いていたので、そのまま中に入りそう声を掛けた。そう、カムイはイエリュージュの実家の鍛冶屋に向かったのだ。

「はいそうですが」

といって奥から母親らしきドワーフの女性が出てきたが、カムイがイエリュージュを抱きかかえている姿を見るなり、

「イエリ!」

と言って、もの凄い勢いで駆け寄ってきた。その騒ぎに奥から『なにがあった!』と手に包帯を巻いた一人のドワーフが出てきた。

(この人がゴージュさんか)

カムイは、とりあえず命には別状がないことを告げ、休ませるように言ってから母親にイエリュージュを渡した。

「君がカムイとかいう少年か。村長から話は聞いている」

二人は、ゴージュのケガもあり集会には参加してなかったようで、あとから村長から話を聞いたそうだ。
そのあと、ルークからの依頼の件、イエリュージュの家に行ってからの顛末を二人に話した。

「どうやら世話をかけたようだな。申し遅れたがワシが父親のゴージュだ。これが母親のイスリーだ」

と頭を下げる。

「取り敢えずは、娘さんには体力の回復を優先するように言って下さい。その間にこちらでできる準備は進めておきますので」

2日も寝てれば大丈夫ということなので、その間にイエリュージュに必要なものを用意してもらうための細々としたものをお願いして、2日後にまた出向くことにした。

家を出ようとした際、思い出したようにカムイはお願いを追加した。

「あ、そうそうイスリーさんにお願いしたいことがもう1つありました」
「なんでしょう?」
「申し訳ないですが娘さんの家の掃除をお願いできますか。ベッドが埃まみれだったのもそうなんですが、脱ぎっぱなしの服とか下着とかが散乱してましたので・・・・。さすがにそこまでは私では手が出せませんので」

そう言って苦笑いをすると、呆れた表情をしながら頷くイスリーだった。
変更:ゴージュの火傷の箇所を足から手に変更しました。

後編でポーション製作と火傷の治療になります。

お読み頂きありがとう御座います。
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