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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第3章 冒険者 揺籃編

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幕間 休日と釣り

カムイは、修練を始めて3週間目に入る前に研修生に休みを与えた。
ダンジョンに篭ってばかりだったため、リフレッシュの意味も込めて休息をとることにしたのだ。

「今日は、先日話した通り休息日とします。各人で自由に過ごして構いません」

休息日にすると話をした時、アレクなどからまだやれるという言葉もあった。
若い研修生たちは体力には自信があるのだろうが、目に見えない疲労は本人が自覚してないだけで必ず溜まっているものだ。

「休んで心身の体調を整えるのも仕事のうちです。無理は思わぬ怪我に繋がります。怪我などは、魔法やポーションで回復できますが、肉体的、精神的疲労までは取れませからね」
「休むのも仕事のうち・・・・」

今はまだ休息の重要性について理解してなくても、経験を積んでいけば判ってくるようになるだろう。
それまでは、無理にでも周りが休むように薦めてやるのがいいだろう。
ただし、柔軟だけは欠かさず行うようにいっておく。

「あぁ、それと王都にいきたい人は言ってください。私も用事があって王都に行きますから連れて行ってあげますよ」

 △▼△▼△▼△▼△▼△

王都にはカムイの他、ファティマ、バレンティン、オルガが同行してきた。

ファティマは、母親であるルルデス・マルティロシン伯爵婦人が王都にきているため会いに帰るのだそうだ。

バレンティン、オルガは、カムイがノップス商会と懇意にしており、商品を安くしてもらえると聞いて故郷に送るお土産などを買うために付いてきた。

のこりのメンバーはというと・・・・。

エステルは、研修期間中はダンジョンに篭ってばかりで帰ってきても直ぐに眠ってしまうため、自宅だというのに家族とロクに話もしてないとボヤいていた。
そのため、久しぶりに家族とゆっくりするそうだ。

ミラドは、まさか研修がこんなにハードになるとは思っていなかったようで、時間を見つけて読もうと持ってきた本もほとんどページが進んでいない状態だった。
何度か寝る前に読もうとしたらしいが、ページが進む前に寝てしまったらしく、それ以来本を読むのは諦めていた。
そのため、1日中読書をすると言っていた。

アレクはというと、『寝る』といって、昼も食べなくてもいいので1日中寝ていたいそうだ。
アレクらしいといえばそれまでだが、各人束の間の休日を好きなことに使うようだ。


ファティマは、中央広場に迎えの馬車が来るそうなので、転移してきた教会で分かれることになった。

「では、私は行きますわ」
「えぇ。また後ほど(・・・)
「?」

怪訝な顔をするファティマと別れ、カムイ、バレンティン、オルガはノップス商会に向かう。


ノップス商会に着くと、以前より店構えが大きくなっており、従業員も増えていた。
その中に忙しそうに働いている番頭のルスタムを見つけ声をかける。

「ルスタムさん、こんにちは」
「おや、これはカムイさん。いらっしゃいませ」

商品陳列の手を休め、カムイのそばにきて頭を下げる。

「今日はどんなご用件で?」
「ノップスさんとエリィさんは奥ですか?」
「えぇ、お呼びしましょうか?」
「いや、大丈夫です。そうそう、今日はお客を連れてきたんですよ」

そういって、バレンティン、オルガを紹介する。

「二人とも、今俺が教えている学園の生徒なんですけど、実家へのお土産を探しているらしくて」
「それはそれは。ありがとうございます」

バレンティン、オルガ、ルスタムは互いに挨拶をする。

「なるべくサービスしてやってくれるかな?」
「ははは、カムイさんの生徒ならうんとサービスさせてもらいますよ」
「ということで、二人とも俺は奥で用事があるんでここで一旦別れますが、買い物が終われば夕方まで自由に過ごして下さい」
「判りました」
「じゃぁルスタムさん、あとはお願いします」

そういってカムイは店の奥に消えるのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

「準備はいいですか」
「いつでもいいわよ」

カムイは、ノップス商会によった後、エリィとセフィールを伴って、マルティロシン伯爵の屋敷前に来ていた。

事はカムイたちがデケム(第10)ダンジョンの4階層目の攻略を始めたころに遡る。


「ちょっと馬車を止めて頂戴」

マルティロシン伯爵家の紋章が入った1台の馬車がノップス商会の前で停止する。

ノップス商会の店頭では、セフィールをはじめ従業員の子供たちがいつものように実演販売よろしくゲームで遊んでいた。

止まった馬車から、綺麗なドレスに身を包んだ一人の女性が降りてきた。
女性は、店に並べられた商品には目もくれず、ゲームで遊ぶ子供たちのほうに向かう。
そして、一人の少女に声をかける。
声をかけたのは、ルルデス・マルティロシン伯爵婦人であり、声をかけられたのはセフィールだった。

「ちょっといいかしら」

ゲームで遊んでいた子供たちも、手を止め女性を見る。
見るからに高そうなドレスを着ていたため、子供ながらに身分の高い貴族なんだろうと思ったのだろう、緊張したように呼びかけに返事する。

「な、なんでしょうか」
「そんなに緊張しなくてもよろしくてよ」

そう言って笑顔を見せる。

「あなたお名前は?」
「セ、セフィール」
「セフィールちゃんね。すごく綺麗な髪をしているのね。触ってもいいかしら?」

セフィールは、コクンと頷く。

「どうしてこんなに綺麗なのかしら・・・」

セフィールの髪を触りながらルルデスは呟いたが、セフィールは自分に問いかけられたと思いその理由を話す。

「これは、カムイ兄ちゃんが作ったリンスを使ってるの」

(カムイですって?あの冒険者のことかしら?)

「リンス?聞いたことのない名前ね」
「頭を洗った後、リンスを付けると髪がサラサラになるの」
「髪がサラサラに?」

そこに店の奥からエリィが慌てて出てきた。
店の従業員が、伯爵夫人が子供たちのほうに歩いて行くのを見て、慌てて店の奥のエリィに伝えたのだ。

「失礼します伯爵夫人様。当店の副店長をしておりますエリィと申します。私どもの子供たちがなにか粗相を働きましたでしょうか?」
「そうではありませんよ。セフィールちゃんの髪が綺麗だったのでつい声をかけただけですのよ」

そう言いながら、エリィの髪も艶があって綺麗なことに気がつく。

「エリィさんと言いましたか。貴方も綺麗な髪をしていますが、先ほどセフィールちゃんから聞いたリンスとやらを使っているのですか?」

(カムイの言ったとおりの展開になってきた。これはガッツリ捕まえないと・・・)

エリィは、内心でガッツポーズをする。

「はい。その通りでございます。まだ、試作段階の商品ですから、こうやって身内で効果を試しております」
「まぁ!それではまだリンスとやらはありませんの?」
「申し訳ありません」

エリィは、ルルデスに頭を下げる。
ルルデスは、残念そうな顔をする。

「ただ、商品化の目処は立っておりますので、もし伯爵夫人様がご希望されるようでしたら、販売前の商品ですが特別(・・)にお分けすることは可能かと。開発担当者との相談にもよりますが・・・」
「本当ですか!もしそれが本当なら、こちらも多少の便宜(・・)を図ることもできるでしょう。是非ともお願いしたいわ」

エリィは、他の貴族より先に商品を渡すことができると匂わせれば、ルルデスはそれが可能なら価格や販路で便宜を図ると暗に言う。
お互いの言いたいことが伝わったのか、エリィもルルデスも笑顔で微笑みあう。

「では、後日担当と一緒にお伺いさせて頂きます」
「お待ちしているわ」

ルルデスは、そう言って馬車に乗り込み屋敷に帰っていった。

エリィは、その馬車を見送ったあと、既にカムイとルルデスが顔見知りとは知る由もなくカムイ宛に手紙を出すのだった・・・・大物が釣れたと。
本編にしようか迷いましたが幕間にしました。

お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。

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