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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第3章 冒険者 揺籃編

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第20節 パーティ戦の以呂波 基本編

研修5~6日目です。
パーティでの戦いは、まずは魔物1匹を相手にしてもらおうとルーキーダンジョンの5階層目に来ている。
メンバーのLvからすると、Lv15のトードジャイアントでは役不足であることは否めないが、パーティの実力を推し量るにはいいだろうとの判断からだ。

「ところで、皆はパーティでの戦闘経験はあるんですか?」
「学園の講義で習っただけで、実際にパーティを組んだのもここに来てからが初めてですわ」
「え?初めて?」

ファティマがそう答えると、全員がそれに頷く。

(講義だけって、何を教えてるんだろう?)

気になったカムイは、講義内容について聞いてみる。

「パーティの講義って、どういった内容なんですか?」
「タンカーが敵を引き付けている間にアタッカー、メイジが敵を攻撃するってことと、危なくなったらヒーラーが回復を行うってことかな」
「あとは、教官が言ってた、ダメージディーラー(パーティの主力戦力)ターゲットリーダー(攻撃する敵の選定)を決めると戦闘が優位に展開できるとか」
「そうそう。で、ダンジョンでは罠を回避するためにも盗賊系のスキルと持ったメンバーがいると安心とか、他にどんなクラスがあってその特徴の説明があったよね」

話を聞いた内容からするに、パーティの基本とは程遠い概略しか教えてもらってないようだ。
あとは、研修先で教えてもらえということなんだろうが、それにしても内容が薄すぎて実践には到底使い物にはならない。

(一から鍛えるしかないのか・・・・)

まずは、講義の内容だけでどこまでできるかを確認することにする。

「状況は理解しました。まずは今の状態でどこまでできるか確認したいと思います。この階層にはトードジャイアントという魔物がいますのでそれを相手に戦ってみてください」
「え?いきなり実践ですの?」
「大丈夫。なにかあればフォローはしますから」

魔物の探索は、これまでオルガが担当していたが、ここまでの間にバレンティンも探索スキルが上がっているようなので任せてみる。

「この階層の先導はバレンティンに任せます。できますよね?」
「はい」
「オルガは補佐してあげてください」
「判りました」

バレンティンを先頭にオルガが続き、そのあとを他のパーティメンバーが付いていく。
初めての先導、初めての階層ということもあり慎重に進んで行くパーティだったが、直ぐに1匹目の反応を捕らえる。

「そこの角を曲がったところに1匹います」

バレンティンの警告に、オルガも同意を頷きで示す。
パーティ全員がカムイを見るが、カムイは口を出すつもりはなかった。

「パーティリーダーはファティマですよ?ファティマの指示に従ってやってみてください」
「私がですの?」

驚いた表情でカムイを見るが、カムイが頷くのを見て覚悟を決めたのか、各人に指示を出す。

「バレンティン、敵は1匹ですね?」
「間違いないです」
「では、アレクを先頭に戦闘を開始します。用意はいいですか?」

ファティマは緊張した面持ちでメンバーを見渡すが、メンバーも緊張しているのが判ると、わざと明るく声を掛ける。

「本パーティの初陣です。華々しく勝利しますわよ!」
「「「おう!」」」
「「はい!」」
「では、突入!」

ファティマの掛け声とともに、パーティが一丸となって角を曲がる。

「「でかっ!!」」

トードジャイアントを見るなり、アレクとエステルの声がハモる。
それでも足を止めることなくトードジャイアント目掛けて突撃していく。
布陣は、トードジャイアントの正面に1列目の近接陣はアレクを真ん中に左にファティマ、右にオルガ。
少し下がった2列目にエステル、バレンティンの遠距離陣。
さらに下がった3列目にミラドが陣取った。

(まぁ素人ならこうなるわな、普通)

その陣形を見て苦笑するカムイ。

そんなこととは知らず、トードジャイアントに向かっていく研修生たち。
トードジャイアントも研修生たちに気がつくと、先頭のアレクに向けて大きな口を開け2本の舌を鞭のように撓らせ攻撃してきた。
アレクは、咄嗟に盾を構え防御する。

ガン!

盾に衝撃が走り、アレクの出足が止まる。
その隙にファティマとオルガがアレクの脇を抜け、トードジャイアントに襲い掛かる。
そして、初撃はファティマが取る。

「えい!」

ツヴァイハンダーを振りかぶってトードジャイアントの右足を斬撃が襲う。
するとトードジャイアントは、アレクからファティマに標準を変え、水掻きのついた大きな左手を振り上げ振り下ろしてくる。
ファティマは、バックステップでその攻撃を躱す。

「ヘイト!」

アレクも体勢を立て直しトードジャイアントにヘイトを仕掛けるが、1度だけではトードジャイアントの意識を自分に向けることができなかった。
自身もアイアンハンマーで攻撃しなからヘイトを連呼し、3度目でようやくを意識を自分に向けさせることに成功する。
その後は、無傷という訳にはいかないがヘイトを織り交ぜながら攻撃を行ったり、トードジャイアントの攻撃を躱したり、時には盾で受けたりとしっかりターゲットを固定する。

他のメンバーはというと、ファティマとオルガの近接は、アレクがターゲットを引き付けている間、斬撃、打撃でダメージを与えていく。
ただ、2列目のエステル、バレンティンは、1列目のメンバーが気になり中々射線が確保できないでいた。
しかも、アレクが躱した攻撃が射線を探す自分たちに当たりそうになるなど、ますます動きが制限され攻撃の手数が少なくなっていた。
エステルの顔をみるとフラストレーションが溜まっているのが判る。
3列目のミラドは、状況を見ながらアレクにヒールをかけていた。

「はぁーっつ!」

そして、ファティマの斬撃を最後にトードジャイアントが崩れ落ちたのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

剥ぎ取りを済ませ、カムイの元に戻ってくる研修生たち。

「お疲れ様でした」
「・・・はぁはぁ・・・ど、どうでしたでしょう・・・はぁはぁ」

ファティマが今の戦闘の意見を求めてくる。

「初めてのパーティ戦としては、敵を倒しきったという点で及第点が上げられます」

及第点と聞いてホッとする研修生たち。

「ただし、改善点も多くあります。まず、全員を見渡してください。気づくことがあるはずです」
「前の3人だけが疲れて、後にいた私らが疲れてないことね?」

カムイの問いにエステルが答えを口にする。

「なぜだか判りますか?」
「前の3人だけがトードジャイアントに攻撃して、私もバレンティンもほとんど攻撃に参加してなかったもの」
「ど、どういうことですの?」
「どうもこうも、3人が壁になって私もバレンティンも射線を探しているうちに終ったって感じよねぇ」
「そうです。攻撃する隙間がなかったというか・・・・」

エステルとバレンティンは、戦闘に参加したくても出来なかったと言う。

「その原因がどこにあるか判りますか?」

カムイが再度研修生に問いかける。

「位置取り・・・・ですか?」

後から全体を見ていたミラドが自信なさげに回答を口にする。

「そうです。各人の位置取りです」

そう言って、カムイは地面に図を書きながら説明する。

「先ほどは、全員が敵の正面を向くようにこう布陣していましたね。この布陣だと、さっきの通り1列目の3人が邪魔で2列目が攻撃できませんでした。では、どうすればいいか?」
「射線が通る位置まで移動すれば言い訳ね」
「その通り。敵の背後にすばやく回りそこから攻撃すれば、ダメージや命中率、クリティカル率が上がります(・・・・・)から、敵を早く倒すことができます」

地面に書いた図の2列目を敵の背後に位置を書き直す。
カムイの説明にファティマが何かに勘づいたようだ。

「教官、今のお言葉では私やオルガも背後から攻撃すればダメージが上がのではなくって?」
「良く気がつきましたね。その通りです。ただし、背後に回る場合は遠距離攻撃の射線をあけるように、アレクを基点に三角形で敵を囲むように位置取るといいでしょう」

そうして、1列目の位置も図を書き直す。

「で、2列目は、3列目にいたミラドが位置取るのが理想です。その場合、アレクの真後ろではなく、左右どちらかにズレておくとアレクが避けた攻撃が当たることは避けられるでしょう。この位置取りがパーティ戦の基本になりますので良く覚えておいて下さい」
「「「「「「はい!」」」」」」

「後は・・・・そうですね。皆もっとスキルを多用していいんですよ?特にアレクは、シールドスタンやスタンアタックなどは敵の攻撃を中断させる効果もありますから、タイミングよく使えば敵になにもさせずに倒すことも可能ですから。皆もどんどんスキルを使って早く自分のものにできるように頑張って下さい」
「「「「「「判りました!」」」」」」
「じゃ、次のターゲット探しましょうか」

カムイに促されてバレンティン、オルガが索敵を行うのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

「敵を良く見て!次の動作の予兆を見逃さない!」
「アレク、無闇に盾で防御しない!避けれるものは避けなさい!」
「ファティマ、オルガ初撃はアレクがヘイトを放つまで我慢して!」
「バレンティン、エステル、1箇所に留まらない!攻撃したら位置を悟られないように移動する!」
「エステル、魔法は攻撃力が高く魔力の消費も多いので連発しない!もっと魔力消費を考えて!」
「ミラド、魔力消費とヘイト率の高いヒールよりリジェネを多用しなさい!」

戦闘を行うたびに、カムイから次々と指摘の声が飛ぶ。
研修生もその声に耳を傾けながら、パーティとしての錬度を上げていく。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

翌日も引き続きトードジャイアント相手にパーティの動きの基礎固めを行う。
最初に比べるとパーティの動きも少しはさまになってきており、戦闘時間も段々と短くなっているのが分かる。
Lvも研修前はLv14だったものが、Lv15に上がるなど個々の成長も見て取れる。

しかも、自分たちで話合い工夫まで始める。
・戦闘開始前に、アレクにリジェネをかけてから戦闘に入る。
・アタッカーが敵の背後に移動するのではなく、アレクが敵の背後に周り、初撃、ヘイトで敵を振り向かせることで、アタッカー、ヒーラーの移動時間を減らす。
・ミラドとオルガでリジェネを分担することで、魔力消費を抑えながら体力の回復を切れ間なく行う。

(これは思ったより早く次のステップに行けそうですね)

工夫することで、更に戦闘時間を短くする研修生たちに、目を細め笑顔になるカムイだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

閑話

休憩中に研修の話や他の班の話などを聞いてみた。

研修生は16班に別れ、それぞれ侯爵家、伯爵家、子爵家、男爵家(4家の持ち回り)に預けられることになっているようだ。
研修先は学園が決めることになっているが、当然どの班が有望なのかは貴族側にも情報が伝わっているため、有望な班ほど位の高い貴族に割り当てられることになる。

「私たちは、あまり期待されてないようでしたから」

ファティマの話を皆苦笑いをしながら聞いていた。

トーナメントは前日の朝に、代表者のよりくじ引きで決める甲子園方式となっている。

試合は、王都の学園内闘技場で行われる。
この闘技場は、ギルドに設置されているものとは違い魔道具により結界が張られており、魔法の使用が可能であり魔術師も普段の力が出せるようになっている。
また、怪我等に関しては、一流の医療スタッフに加え高位のヒーラーを待機させているため、即死のような不慮の事故でもないかぎりは問題ないそうだ。

最後に、優勝したいか聞いてみた。

「当然よ!」

とエステルが即答する。

「これからの修練が厳しくなっても?」
「どんなに事前評価が低かろうと、目指すのは優勝ですわ!そのための修練であれば乗り越えてみせますわ!」

力強く宣言するファティマに全員が頷く。

その言葉を受けて、最初は面倒くさいと思っていたカムイも、なんとか優勝できるようにやれるとことはやろうと誓うのだった。
MMORPGでのパーティ基本動作を当てはめてみました。
対人戦は、また違った動きになりますが、魔物相手だとこんなもんだと思います。


お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。

設定資料集のようにしたくてブログ始めました。
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