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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第3章 冒険者 揺籃編

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第13節 面倒臭い?俺もだよ!

ギルバードが面倒臭いといってカムイに丸投げした依頼とは・・・

10/13 誤字・脱字、文章表現の変更
セプテンベル(7月)に入り、カムイも順調に依頼をこなすようになっていた。
やはり、スタークリスタルの一件で各領地を行き来できるようになったのが大きいようだ。
DランクからCランクへの昇格は、累計依頼を20件完了させる必要があるが、後5件となる15件まで消化できていた。

また、探索のほうも順調に進んでおり、ダンジョンではアレクサニン伯爵領のクィーンクェ(第5)ダンジョン、モニュメントではアガシャン侯爵領のオーラキ神殿、ケトエフ子爵領の旧遺跡跡地を攻略していた。

そのお陰かLvも47まで伸びていた。

カムイは、着実にLvも実績も積みつつあった。


今日もいつもの時間に起床し日課の鍛錬を行う。
毎朝同じルーティンを行うことでその日の調子を確認することができる。

(いつも通りだな)

体調面がいつもと変わりないことを確認すると、いつもの時間にいつものようにギルドに向かう。

「おはよう、シータさん。あれ?カレリーナさんは?」
「おはよう、カムイくん。カレリーナはギルド長に呼ばれて奥に行ってるわ」

その言葉に軽く手を上げ判った旨を示しながらカウンターに向かう。
カウンターには既にミックスジュースが用意されていた。

「いつもありがとうございます」
「いえいえ、お得意様ですから」

マスターと2人で笑いあったあと、依頼ボードに向かう。
今日もDランクの依頼は無さそうだった。

これは、カレリーナから聞いた話なのだが、トミヤが復活するまでは採取系の依頼がチラホラあったそうだ。
ところが、トミヤが復活して良質で安い素材が手に入るようになってからは、その辺りの依頼は無くなったそうだ。
自分で自分の首を絞めたような格好にはなっていたが、カムイとしては気にしていなかった。
スタークリスタル採掘のように変わった依頼でもなければ、いまさら素材採取の依頼を受ける気はないからだ。

「あら、カムイくん来てたのね」
「おはようございます。カレリーナさん」
「おはよう。ちょうど良かったわ。カムイくんに指名依頼が来てるの」

そう言って依頼用紙を差し出す。

===依頼カード=====================================
対象  :カムイ
内容  :国立王都学院 研修生育成
報酬  :金貨5枚/日
追加報酬:研修成果により追加報酬あり
依頼期間:4週間
特記事項:なし
依頼主 :領主 トプランド・ロトクルイド男爵
==============================================

(うわっ!?また面倒臭そうな依頼だな・・・)

そう思っていると、顔に出ていたのかカレリーナが呆れた声を出す。

「露骨に嫌な顔しないの。もぅ~」
「えっ!?そんなに顔に出てました?」
「「出てた!」」

シータも同意する。

「だって研修生育成なんて、あきらかに面倒臭そうじゃないですか。しかも、具体的になにするかも書いてないし・・。そう思いません?」
「まぁ、言いたいことは判るけど・・・」
「じゃぁ、この依頼は無かったことで」
「「えっ?」」
「だって、指名依頼は強制じゃないですよね?断ることも可能だったはずですよ」
「それはそうなんだけど・・・。ほら、依頼主が領主様じゃない。ギルドの立場ってもんがね・・・」

シータは、純粋に領主からの依頼を断ることに驚いてが、なぜかカレリーナの歯切れが悪い。
そこに奥からギルバードが出てきた。

「何じゃ?カムイまだ依頼受取らんのか?」
「いや断ろうと思って・・・」
「なに?そ、それはイカンぞ、それは。絶対受けてもらわんとワシが困る・・・・ぁっ!?」

ギルバードが口を滑らせたのをカムイは聞き逃さなかった。

「今なんて言いました?ギルさんが困る?・・・・ハハ~ン。ひょっとしてこの依頼、最初はギルさん宛てに来たんじゃないですか?」
「そ、そんなことはないぞ」
「それを俺に変更するよう、領主に掛け合いましたね」
「ど、どうしてワシがそんなことする必要があるんじゃ」
「俺と同じく面倒だとおもったからでしょ?」
「・・・・・・」

どうやら図星らしい。

「と、とにかく、お前さんに受けてもらわなければ困るんじゃ!」
「嫌ですよ~。俺だって面倒ですもん」
「そんなこと言うなら、特別依頼にしてしまうぞ!」

特別依頼とは拒否権がなく、依頼を断ればペナルティが発生する依頼だ。

「汚ったねー!完全な職権乱用じゃねーか!」
「うるさいうるさい!それが嫌なら依頼を受けろ!」

すったもんだした挙句に、カムイは無理矢理依頼を受けるハメになってしまった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

カムイは、足取り重く領主の館に向かっていた。

ギルバードの説明では、

セプテンベル(7月)に国立王都学院の生徒が研修の名目で各領地に派遣されてくる。
・派遣先は研修生の生家がある領地になるが、どこになるかは学園が決める。
・今年はロトクルイド男爵家の娘がいることもあり、1つの班がヴューベルに派遣されることになった。
・派遣は1班5~6名で行われ、派遣先で鍛錬を行う。
・鍛錬の方法については、派遣先で決めることができる。
・オクトーベル《8月》の初旬に、鍛錬した成果を披露するためにトーナメント方式で対抗戦が行われる。
・トーナメント上位には、名誉と報償が国王より贈られる。

つまり、ロトクルイド男爵家の代わりに派遣された研修生を強くし、トーナメントを勝ちあがれるようにするのが今回の依頼のようだ。

(はぁ~。やっぱり面倒くせーな)

あまり乗り気では無いが、依頼として受けた以上はできることはするつもりだ。

門番に依頼カードを見せ、領主に会いたいと取り次いでもらったところ、すぐに応接室に通された。

待つこと数分、ロトクルイド男爵と執事のコロバルトが入ってきた。

「待たせたかな?」
「いえ」

ソファから立ち上がり挨拶をする。

「はじめまして。カムイです。田舎ものですので無作法はご容赦を」
「トプランド・ロトクルイドだ。作法など気にすることはない。普段どおりで構わんよ」

2人は握手を交わす。

「アレは、執事のコロバルトだ」
「よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「ま、座りたまえ」

男爵がソファに座りながらカムイにも座るよう促す。

「なにか飲むかね?」
「では、ジュースを」
「畏まりました」

コロバルトが、外に控えているメイドに飲み物を持って来るように指示を出す。

「実は、君を見るのは2度目なんだよ」
「知っています。エバンスさんとの模擬戦の時ですね。黒狼隊のメンバーと一緒に観戦されてましたよね」

男爵とコロバルトは驚きの表情を見せる。

「もちろん、領主であるというのは、後から彼らから聞いて知ったのですけどね」
「しかし、あの戦いの中よく判ったものだ」
「目立ちましたらね。それに一度見たものは、忘れない性質(たち)ですので」

そう言って苦笑いをする。

「そうそう、会ったら礼を言おうと思っておったのだ。盗賊の件では世話になった。改めて礼を言わせてくれ」

男爵とコロバルトが頭を下げる。

「よしてください。あれはスフライドさんのお手柄(・・・)ですから」
「それを含めてだよ。あの堅物があのような作戦を考え付くはずがないからな」

そこへドアをノックする音がし、コロバルトがメイドから飲み物を受取り2人の前に運ぶ。

「それに今回の件、引き受けてくれたこと、礼を言う」
「面倒臭いって断ろうとしたら、ギルさんに脅されましたからね」

カムイは肩をすぼめて見せる。

「はははは。まぁそう言わんでくれ。ギルバードがダメなら君にと言ったのは私なんだ」
「えっ!?」

カムイは、不思議な顔をする。

「どうしてです?それこそスフライドさんたち騎士の皆さんがいるでしょうに。何故に俺なんです?」
「確かに剣や馬術といった面ではスフライドのほうが適しているかもしれん。しかし、今回は剣や魔法といった総合力が求められる。そうなるとやはり冒険者に一日の長があることは否めんからな」
「しかし、歳が近い俺でいいんですか?色々指図されると面白くないと思う者もいると思いますが?」
「相手の実力を見極めることも、認めることもできず、その程度でへそを曲げるような輩は所詮その程度ということだ」

男爵は突き放すように言った。

「男爵がそういうお考えならやってみますが、具体的には何をすればいいんですか?」
「全て君に任せる」
「は?」
「全て君に任せると言ったんだ。死なない程度に煮るなり焼くなり好きにしていい」

(ここでも丸投げかよ!)

「どうなっても知りませんからね?」

やっぱり受けるんじゃ無かったと頭を抱えるカムイだった。
結局、研修内容も全てお任せの丸投げ状態。
受けなきゃ良かったと後悔するも後の祭り。
この先どうなることやら・・・・

何節かはこの話題が進みますが、お付き合いください。


お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。

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