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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第3章 冒険者 揺籃編

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第4節 ノウェム(第9)ダンジョン (その3)

ノウェム(第9)ダンジョン4階層目からの攻略の続きです。
カムイが、細かい点を指摘しながら、パーティとしての錬度を上げて行きます。
その戦術が多彩でパーティメンバーも驚くばかりです・・・

10/1 誤字・脱字、文章表現の一部修正
カムイは、いつもの時間にソイリエームに来ていた。
いつもの時間とは、ヴューベルのギルドに顔を出す時間だ。
既にアマゾーンのメンバーは集まっていた。
カムイは、面々に挨拶をしながら、カウンターでミックスジュールを頼む。

カウンターでミックスジュースを受取ると、依頼ボードに向かう。
ソイリエームの依頼ボードもヴューベルに負けず劣らずの争奪戦が行われた跡が伺える。

(どこも似たような状況なんだな)

その状態を見て苦笑いする。

「依頼ボードがどうかしたのか」
「いえ、どこも同じ状態なんだなって・・・」
「そうだな。パーティリーダーとしては、少しでもいい条件の依頼を取りたいからな。メンバーを食わしていかなきゃならんし」

そう言って、ジュリアナも依頼ボードを見る。

「カムイはいつも、こんな時間にギルドに顔を出すのか?」
「えぇ、その争奪戦の中に入る勇気はまだ無くって・・・」

そう言って肩をすぼめる。

「だから、ギルド嬢に働けって言われるんだな」

ジュリアナの指摘に苦笑いするしかなかった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

昨日の続きでノウェム(第9)ダンジョンの4階層目から攻略を開始するカムイたち。

入る前に、確認のため今日の予定をおさらいする。
昨日の様子から、少し方針を変更している。

・魔物は全ての階層で殲滅する。
・3階層毎に一度外に戻って、時間や全員の疲労度を見て先に進むか判断する。
・途中のドロップ品等の清算は、最後に行う。

変更の理由をジュリアナが説明する。

「昨日のカムイ動きからして戦闘力は相当高いと判断した。だから各階層殲滅しながらでも時間はかからないだろう」

ここでパーティメンバーの反応を見る。
誰も異存はないようだ。

「カムイは、気が付いた点があればどんどん指摘してくれ」

各階層殲滅戦にしたのは、カムイにパーティが戦闘しているところを数多く見せることで、問題点を見つけやすくし少しでも指摘してもらいたいとの思いからだ。
阿吽ではないのだろうが、ジュリアナの意図を理解しているのだろう。
パーティメンバーは、これに対しても異を唱えない。
普通考えれば、自分たちより冒険者のキャリアも年齢も下の者にアレコレ言われれば反発もあるはずだ『若造にくせに』と。

それがないのは、カムイの指摘の仕方に寄与しているところが大きい。
カムイの指摘は、ただここが悪いと指摘するだけでなく、何故そうなのかをきちんと理由を説明する。
その理由にパーティメンバーが疑問を口にすれば、それにもちゃんと回答する。
なにより、その指摘を修正することで、魔物を倒す時間の短縮や受けるダメージの軽減といった形でちゃんと結果として表れている。
そのような状況から、カムイの指摘に反発する者は今のところいなかった。

「では、行くか」

ジュリアナの声に全員が頷き、マジックサークルに乗る。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

4階層目は、昨日の3階層目と同じウォーロードオークのファミリーだった。

1組目を昨日同様に倒した後、アルベルティーナに声をかける。

「アルベルティーナさん、ちょっといいですか?」
「なぁに?デートのお誘い?」
「えっ!?」

カムイはちょっと驚いた。
そんな冗談を言うような人には見えなかったからだ。

「嘘よ。なぁに?」

カムイは気を取り直して話をする。

「リジェネ系スキルは取得してます?」
「してるわよ?でも、使いどころがよく判らないのよ。便利なのはなんとなく判るんだけど」

MMORPGでも初めてヒーラーをやる人は同じことをよく口にする。

「開始前にネイジさんにリジェネをかけて戦闘に入ると楽ですよ。あと戦闘中もヒールだけでなく、リジェネを混ぜて使うとヘイト量を軽減できますし、魔力の節約になります」

魔物が感じる敵視率は、実はタンカーのヘイトや物理攻撃、魔法攻撃より多いヒールのほうが高い。
そのため、ヒールを3、4回連続してかけるとタンカーから簡単にタゲを奪ってしまうことができる。

「そうなの?初めて知ったわ。でもリジェネLv低いわよ?」
「使っていくうちにLvも上がっていきます。まだ、戦闘でそこまで魔力が切迫していない今の内に慣れておくといいですよ。余裕があればリジェネレーションも上げるとLvやランクが上がると相当楽になりますから」
「リジェネレーション・・・まだLv0なのよねぇ・・・」

継続回復魔法であるリジェネ、リジェネレーションを上手く使いこなせてこそ、一人前のヒーラーと言える。

4階層目は、昨日の復習的加え、先程指摘した内容の練習を兼ねる形でオークファミリーを殲滅していった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

5層目は、オーガ×3(親、近×2)のファミリーだった。
Lvも1~4層に比べて上がっている。

======================================
 名前:ファイターオーガ
 種族:魔物/ヒューマノイド

 Lv:32
======================================
======================================
 名前:ウォーロードオーガ
 種族:魔物/ヒューマノイド

 Lv:32
======================================

オーガは、凶暴でそのパワーは侮れない。
1体だけなら問題にしないパーティでも複数を相手にした場合、対応を誤れば全滅もあり得る魔物だ。

「アゼナイジさん、足止め用のスキルって持ってますか?スリープ(睡眠)ルーツ(拘束)ミナレイション(石化)パラライズ(麻痺)、なんでも構いません」
スリープ(睡眠)ならあるわ。Lvは低いけど」
「判りました。ルイサさんは、スタンショットはありますか?」
「持ってないニャ、Lv0のままニャ」
「ふむ・・・・」

カムイは少し考える。

「ジュリアナさん、ちょっと相談があります」
「なんだい?」
「この階層、アゼナイジさんのスリープ(睡眠)とルイサさんのスタンショットのLv上げに使用してもいいですか」
「構わないが、どういうことだい?」
「どうも、このパーティはデバフ(弱化)用のスキルが少ないように感じます」

(まぁ、そういう俺も持ってないんであまり人のことは言えないんだけどね・・・)

「ですから、戦闘が開始したらファイターオーガはそれぞれアゼナイジさんのスリープ(睡眠)、ルイサさんのスタンショットで足止めします。お二人は、それぞれのスキルが成功するまで、スリープ(睡眠)、スタンショットを撃ち続けて下さい。オーガは足が遅いので、成功するまで撃っては離れを繰り返して下さい。ウォーロードオーガを倒したら、スキルにかかっていないファイターオーガから討伐します。そうすれば、この階層を抜ける頃には2人ともスキルLv少しは上がっているはずです」
「アタイはいいが、みんなはどうだい?」
「アタッカー2人いなくなるけど、攻撃は大丈夫?」
「そこは俺がカバーします」
「判った。それで行こう」


「用意はいいかい?」

ジュリアナの合図に全員が頷く。

「よし、ネイジ行くぞ!」

ネイジを先頭にジュリアナ、俺と親に向かう。
ルイサは右側のファイターオーガに、アゼナイジは左側のファイターオーガにそれぞれ向かう。

「スタンショット」
スリープ(睡眠)

Lvが低いうちはそう簡単に決まらない。
ファイターオーガがそれぞれルイサ、アゼナイジに向けて走り出す。
カムイの言うとおり、足が遅いので2人とも距離を取ってはスキルを撃つ。

ウォーロードオーガはというと、カムイが軽くローキックを左足の膝に打っただけで、膝があらぬ方向に曲がり巨体を支えきれずに倒れてしまった。
その後、すかさずジュリアナのオーガの首を刎ねる。
あまりの瞬殺に、ジュリアナも呆れる。

「オーガの膝を1撃で粉砕するなんて、カムイの蹴りはどうなってるんだ」

カムイは、苦笑いするしかない。

何度かのスリープ(睡眠)で睡眠状態になっているファイターオーガを後回しにし、ルイサが相手をしていたファイターオーガをこれも瞬殺にし、最後に寝ているファイターオーガをやはり瞬殺して終了となった。

「スタンショットがLv1になったニャ!」
「Lvが低いうちは上がりも早いはずですから、この調子でいきましょう」

5層目の他のオーガファミリー、6層目も同じオーガファミリーだったため、同じやり方で殲滅していった。

ここでカムイは、このノウェム(第9)ダンジョンのシステムに気が付いた。

(2階層ずつ同じの魔物が出現するシステムか・・・でも、4~5年もボスに到達しないなんていうほど困難なダンジョンじゃないと思うんだがなぁ)

カムイは、自分の尺度が他人と同じと思っている時点でズレていることに気が付いていない。
思わず、そんな思いが口から漏れる。

「思ったより大したことないですね」

その言葉にパーティメンバーは呆れる。

「それはカムイが異常だからニャ」
「そうよ、こんなに順調に進むことなんて滅多にないわよ」
「・・・・同感・・・・」

攻められるように言われ、頬をポリポリと掻くカムイ。

「どうする?昼までまだ随分時間がある。このまま進もうと思うがどうだ?」
「いいんじゃない」

アルベルティーナが同意すると、他のメンバーも頷く。

「じゃ、7階層目から先も進もう」

7階層目は、ゴーレム×3だった。

======================================
 名前:ゴーレム
 種族:魔物/ヒューマノイド

 Lv:32
======================================

ゴーレムは、土でできた人形で異常に硬いのが特徴だ。
ただ、動きは遅いので前層のオーガと同様にスキル上げに使うことになった。が、アゼナイジが質問してくる。

「ねぇ、カムイ。さっきスリープ(睡眠)以外にルーツ(拘束)ミナレイション(石化)パラライズ(麻痺)が有効って言ってたけど、スリープに耐性がある敵もいるじゃない?だからもう1つくらい上げようと思うんだけど、どれがお薦め?」

たしかに、カムイのように睡眠耐性を持つ魔物もいる。

「そうですね。どれかと言われたらパラライズ(麻痺)でしょうか。ルーツ(拘束)は、その場から動けないだけで魔法やスキルは使えますし、ミナレイション(石化)は、こちらの攻撃も遮断されてしまいますから」
「判ったわ」

そうして、ゴーレムに向かおうとしたのだが、ネイジがカムイの前に来てボソリと呟く。

「・・・・なにか欲しい・・・・」
「えっ!?」

カムイが呆気に取られていると、妹のアゼナイジが笑いながら通訳(・・)してくれた。

「ごめんなさいね姉は口下手だから。ようするに自分にだけアドバイスがないから欲しいんですって」

その言葉にネイジはコクンと頷く。

(そんだけ口下手なんだよ。しかもあれだけでよく内容が判ったな・・・さすが双子ってか)

「ネイジさんは今のところ特に・・・・・あ!」

と言いかけたところで、装備を見て1つ気が付いた。

「ネイジさんは、これまでずっと片手剣ですか?」
「・・・・・ん・・・・」

(会話しずらい・・・・けど頷いたから肯定なんだろう)

「これからもタンカーを続けるなら、片手鈍器に替えたほうがいいですね。ゴーレム見たいな硬い魔物にも有効ですし、スライムのような柔らかい魔物にも有効と魔物の種別を選ばず安定してダメージを与えられますから。なにより、これは殆ど知られてないと思いますが、片手鈍器はクリティカルが発生しやすいんです」
「それ、本当なの?聞いたことないわよ、そんな話」
「でしょうね。でも事実です。タンカーに限らず殆どの人は、見た目が格好いい片手剣を選びがちですが武器や防具にも適材適所というものがありますから。鑑定士として、それが判っていない冒険者が多くて見てらんないですね」
「・・・・判った・・・ありがとう・・・・」

そう言ってネイジはペコリと頭を下げた。

「じゃ、行こうか」

ジュリアナの一言で、5、6層目と同様にルイサとアゼナイジのスキルLvを上げながらゴーレムを殲滅していった。

8階層目も予想通りゴーレムだった。
ここもスキル上げに使用し、殲滅したところでお昼になったため一旦地上に戻ることにした。

ちなみに、この時点でルイサのスタンショットはLv4、アゼナイジのスリープ(睡眠)はLv5、パラライズ(麻痺)はLv2になっていた。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

昼食は、ジュリアナがお薦めの店があると言って案内してくれた。

店に着いて中に入ろうとすると、後から声をかけてくる人物がいた。

「おや、カムイじゃないかい?ジュリアナたちもこの店にきたのかい。偶然だねぇ」

そこにはラウラの姿があった。

「ラウラさんじゃないですか。ラウラさんもこの店に昼食を?」
「そうさ。ここは、ソイリエームでも安くて美味いって評判の店だからねぇ・・・・って、オイ」

そこまで言って、ジュリアナとアルベルティーナに両脇を挟まれ、カムイたちから少し距離を取り小声で話しをする。

「なんで、お前がいるんだよ」
「そうですよ。『なにが偶然だねぇ』ですか」
「っつ!さてはテメェ従業員に見張らせてたな?」
「なんのことやら。本当に偶然さ、ぐ・う・ぜ・ん!」
「そんなにカムイとメシが食いてぇのか」
「そりゃそうさ。こんな機会、次何時来るか判ったもんじゃないからな」
「本音が出ましたね」

そんな話を3人でしてると、カムイがジュリアナとアルベルティーナからすると余計なことを言い出す。

「せっかくなんで、皆と一緒にどうです?」
「そうかい?それじゃ遠り・・・フガフガ」
「?」

ラウラが返事をしようとした口をジュリアナに手で塞がれる。

「まだこっちの話が済んでねぇ」
「なんだよ。カムイは一緒にって言ってるじゃねーか。それにカムイを紹介したのはアタイだぜ?」
「それを言われると、弱いわねぇ」
「チッ、仕方ねぇな。今日だけだぜ?」
「それはどうかな」

ラウラは、強引に2人を引き剥がすとカムイの元に向かい中に案内する。

「ここは、肉料理がオススメなんだぜ」
「そうなんですね」
「ほら、お前らもこねーか。カムイが待ち草臥れちまうぞ」

そう言って、カムイと店の中に入っていく姿をみて、仕方無さそうに後についていくジュリアナとアルベルティーナたちだった。
前回同様、カムイの指摘で動きを修正しながら、進むアマゾーンの面々。
ダンジョン攻略は思いのほか順調に進んでいます。

昼食時にラウラを登場させ、笑いというか和やかムードを演出してみたつもりなんですがどうでしたでしょうか?・・・・^^;

次節もノウェム(第9)ダンジョンの攻略です。


お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。
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