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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第3章 冒険者 揺籃編

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第2節 ノウェム(第9)ダンジョン (その1)

ノウェム(第9)ダンジョン攻略のお誘いを受けるカムイ。
ただ、なぜラウラがカムイを頼るように言ったのかその謎があきらかに・・・。

9/29 誤字・脱字、文章表現の変更
「私はソイリエームで冒険者をやっているジュリアナという」
「私は、同じパーティに属しているアルベルティーナといいます」
「カムイです。先程ラウラさんからの紹介と聞きましたが、まさか採掘なんてことはないですよね?」

ラウラと言えば、ミスリルソードを製作するためイルア山地に出向いたときに知り合った鍛冶師だ。

「はははは、当然違うよ。カムイ殿にダンジョン攻略を手伝ってもらえないかと思って声をかけさせてもらった」


ジュリアナの説明はこうだ。

・ジュリアナたちはアマゾーンというCランクパーティを組んでいる
・パーティメンバーは、戦士、剣士、狩人、黒魔術士、白魔術師の構成で、盗賊系スキルを持ったメンバーがいない。
・今回挑戦するダンジョンは、ブルトヤン男爵領にある25階層のノウェム(第9)ダンジョンである。

「1つ聞いてもいいですか?」
「なんだ?」
「何故俺なんです?それこそ知り合いを誘うなり、ソイリエームのギルドで依頼を出せば済むんじゃないんですか?」

カムイは、疑問を投げかける。

「言いたいことは判る。当然私たちもそうしたんだが残念なことに集まらなかったんだ」
「どうしてです?」
「理由は2つある。1つは、ここ4~5年ボスまで辿り着いたパーティがいないこと。2つ目はギルドの記録でしかないが、ボスは1匹ではなく2匹いるらしい(・・・)。そのため、『危険を冒したくない』といって断られているのが現状だ」

(危険を冒さずして冒険者とは言わないんだけどなぁ・・・お、名言か!?それにしてもボス部屋にボスが2匹いるってのは眉唾だな。たぶん、雑魚を従えてるのを勘違いしてるんだろうな・・・)

カムイがそんなことを考えてることにはお構いなしに説明は続く。

「そんな話をラウラに愚痴っていたら『ヴューベルにカムイという物知りで面白い男(・・・・)がいるから相談してみろ』と言われてな。相談のために出向いてきたんだ」

そうして、カムイを見つけステータスを見るとクラスが盗賊になっているのを見て、『これぞ天の巡り合わせ!』と思って声をかけたそうだ。
たしかに、ラウラと会ったときはまだランクはファイターだったから、盗賊に変更したとたんに巡り合ったのでれば、そう思っても仕方がない。

カムイとしては、まだ未踏破のダンジョンでもあるし、なによりヒマ(・・)なので行くことには問題はなかった。

「どうだろうか?」
「いいでしょう。ラウラさんの紹介なら無下にもできませんし引き受けましょう」
「本当か?」
「ただし、条件が2つあります。1つは、ラウラさんが俺のことを面白いと言ったのは俺が普通の人より変わっている(・・・・・・)からだと思います。そのため、俺に関することでダンジョン内で見たことや起きたことを口外しないこと」

これは必須条件だ。ダンジョン内ではなにがあるか判らない。
咄嗟に、カムイがどんな行動に出るか判らないからだ。

「判った、パーティメンバーにも徹底させる」
「いいでしょう。で、2つ目ですが・・・・あそこの受付に怖そうなお姉さんたちが座ってるでしょう?」
「うん?怖そう?綺麗の間違いじゃなくて?」
「えぇ、こんなに真面目で勤勉な俺を、こともあろうかサボリ魔みたいに思ってるようで、働け働けと煩いんですよ。なので今回の件、依頼にしてもらえませんか」
「カムイくん、聞こえてるわよ!」

すぐにカレリーナから声が飛んでくる。

「おー怖!ほらね。言った通りでしょ?」

そういって、ウインクして見せる。
ジュリアナとアルベルティーナは苦笑するしかなかった。

「判った。まだ、ソイリエームのギルドで依頼を出したままのはずだ。それを受ける形でいいだろうか」
「結構です」

こうして、カムイはソイリエームのアマゾーンというCランクパーティと組んで、ダンジョンを攻略することになった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

カムイは、アルベルティーナのリターンでソイリエームにきていた。
早速、リターンの移動先にソイリエームを追加する。

パーティメンバーとの顔合わせの前にラウラに挨拶がしたいと言って、ジュリアナとアルベルティーナは先にギルドに戻ってもらい、カムイはラウラの店に向かっていた。


「アネゴ、アネゴにお客ですぜ?」
「客?誰だい?」
「さぁ。見たことねぇ冒険者たったようですが、名まではちょっと」
「どうせ、武器か防具の注文だろう。今手が離せねぇから、お前が替わって注文受けとけ」
「わかりやした」

そういっても、店先に戻ろうとした従業員がボソっと『・・・でも赤い髪に金銀の(まなこ)って珍しいよなぁ・・・』呟いたのをラウラは聞き逃さなかった。

「おい、ちょっと待て!今なんて言った?」
「わかりやした・・・ですがなにか?」
「違うその後」
「あぁ、来てる客が赤い髪に金銀の(まなこ)だったので珍しい・・・「バカヤロウ!それを早く言え!」って、え?」
「後は、お前らでやっとけ」
「ア、 アネゴ、無理ですって、ちょっとアネゴ!」

そんな従業員の声も聞かず、ラウラは店先に向かう。
と、その前に洗い場で手と顔を洗い、髪の乱れを整える。
人前に出るのに、今までそこまで気にしたことなかったラウラの様子に、従業員が目を丸くする。

「「「誰が来たんだ!?」」」

(変じゃないよな・・・)

そして、急いで店先に出る。
ラウラの思ったとおり、そこにはカムイが待っていた。

「待ったかい?」
「いえ、こっちこそ突然尋ねて来てすいません。忙しかったのでは?」
「なぁに、ちょうど休憩を取るところだったのさ、気にすることないよ」

(よく言うよ。最初は人に押し付けようとしたくせに)

と、ラウラを呼びにいった従業員が呆れた顔をしたのを、ラウラはひと睨みする。

「ところで、どうしたんだい?装備の注文かい?」
「いえ、ジュリアナさんたちとパーティを組むことになったので・・・。俺を訪ねるように言ったそうですね」
「その話かい。あぁ言ったとも。迷惑だったかい?」
「いえ、ちょうどヒマでしたらから。それよりも、ラウラさんがジュリアナさんに俺に会いに行くように薦めた(・・・)理由が知りたくて」

ラウラがカムイに会いに行くように薦めた()が知りたいと言う。
そう言うと、頭をポリポリと掻きながら『まいったね』と呟く。

「他のパーティメンバーとは?」
「アルベルティーナさんがジュリアナさんと一緒にきた時に会っただけで、他の方とはこれからですが、それが?」
「そうかい・・・ちょっと奥にいこうかい」

店先では話ずらい内容らしく、おとなしくラウラの後ろを付いていくと、鍛冶場の裏手に出た。
壁の向こう側からは、槌を振るう音が響いてくる。

「カムイならパーティを組めば判ると思うけど、今、ジュリアナたちは壁にぶつかっているというか、行き詰っているというか、なんて言えばいいのか。悩みながらパーティを組んでいるって感じみたいなんだ」
「それは、メンバーがどうこう言う的な話ではなくて?」

ラウラは、俺の言葉に頷く。

「それで、盗賊系のメンバーが集まらないとアタイんところで愚痴をこぼすからさ、咄嗟にカムイの名前を出しちまった訳さ。あんたは他人と違うと感じてたからね。なんかアイツらが壁を乗り越える切っ掛けを与えられるんじゃないかと思ってね」

ラウラは、申し訳なさそうに理由を説明する。

「ジュリアナさんが、俺のところに来た理由は判りましたが、俺はほとんどソロでしか活動してませんよ?」
「それでもさ。アタイがカムイを他人とは違うと感じた直感は、ソロとかパーティとか関係ないもっと根本的な部分にあるんじゃないかと思ってね」

(ラウラさんの直感なのか女性の勘なのか判らないけど、鋭いとこ付くなぁ。)

「ラウラさんの期待に応えられるかは判りませんよ?」
「それでいいさ。カムイの戦い方やアドバイスを聞いて、どう感じどう活かすかはアイツら次第だからね」

そう言って何かを思い出すように遠い目をする。

「随分気にかけるんですね」
「まぁね。ジュリアナとアルベルティーナは幼馴染だからね。気にもなるさ」
「そうだったんですね・・・。判りました。俺のできる範囲で協力しますよ」
「悪いな。鉱山のときといい、頼ってばかりで」
「まぁ、これも一期「一会」・・です」

2人して声を出して笑ったあと、カムイはラウラと別れ冒険者ギルドに向かうのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

一足先にギルドについたジュリアナとアルベルティーナは、パーティメンバーと合流する。

「カムイって子は、どうなったの?断られた?」

2人しか戻って来なかったため、勧誘に失敗したと思ったのだろう。

「いや、ラウラのところに挨拶に行くといって、先に私たちだけ戻ってきた」
「そう。じゃ勧誘できたのね」
「あぁ」

ジュリアナは、依頼ボードにまだ自分たちの依頼があるか確認する。
せっかく来てもらったのに、既に依頼がないなんてことにならないようにするためだ。
幸いにというか残念というか、苦笑いしながら自分たちが依頼したカードを剥がす。

「それ、どうすのかニャ?」
「これか?カムイがくるまで万が一他人に取られないように確保するだけさ」
「?勧誘できたんならいらニャいニャ?」
「いや、カムイの希望で依頼として受けたいそうだ」

そう言いながらテーブルにつく。

「ところで、そのカムイって子は役に立ちそうなの?」
「Lvは我々より上の39。しかもアルベルに鑑定してもらったが、Lv以外隠蔽されててなにも確認できなかった。そうだな?」
「えぇそうよ。こんなことはじめてだわ」
「歳は15だっけ?、信じられないなぁ」
「・・・・潜れば判る」
「そうだな。ダンジョンに入れば判ることだな」

アマゾーンのメンバーは、カムイの来るのを今や遅しと待つ。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

そのころヴューベルでも、カムイを待つ人たちがいた。

「カレリーナ!大変よ、大変!」
「なにをそんなに慌ててるのシータ。一体何が大変なのよ」
「これよこれ。今日カムイくんを誘いにきたアマゾーンっていうパーティ調べて見たの」
「あんたねぇ・・・」
「いいからコレ見て!」

シータに手渡された紙を見てカレリーナも慌てる。

「なによこのパーティ。全員、女じゃない!」
「でしょう? そうと判ってたら無理にでも引き止めたのに・・・」

2人はソイリエームの方角をみて思うのだった。

((私の(・・)カムイくんが何事もなく(・・・・・)無事戻りますように))

 △▼△▼△▼△▼△▼△

カムイは、ラウラと別れギルドを目指す。
いつものようにコートを羽織りフードを深めに被っている。
さすがにセクスティーリス(6月)になってくると、気温も上がってきておりコート姿は逆に目立ってしまう。
それでも、この容姿で騒がれるよりはと我慢して羽織っている。

ギルトの入り口をくぐりジュリアナたちを探す。
そして、酒場のテーブルの一角に座っているのを見つける。

「お待たせしましたか?」
「いや、呼んだのはこちらだし問題ない。じゃ、早速依頼の手続きを済ませよう」
「何か頼んでおきますか?」
「あ、それじゃミックスジュースをお願いします」

カムイは、ジュリアナについていき、依頼を受領する。

===依頼カード=====================================
対象  :Dランク以上
内容  :ノウェム(第9)ダンジョン ボス討伐
報酬  :金貨5枚
追加報酬:なし
依頼期間:なし
特記事項:盗賊系スキスを所有していること
依頼主 :アマゾーンリーダー ジュリアナ
==============================================

無事、依頼処理を済ませ先いたテーブルに戻ると、ミックスジュースが届いていた。

全員が着席したところで、ジュリアナが話しを切り出す。

「さっきも話したが、彼がカムイ殿だ」

カムイは紹介されて、初めて被っていたフードを上げる。
流石に、事前に話しをしていたのだろう、ここでは魔族呼ばわりする人はいなかった。

「ヴューベルから来たカムイです。クラスは盗賊です。俺のことはカムイと呼び捨てにして下さい」

そう言って頭を下げる。
それに続いて、アマゾーンのメンバーが自己紹介を行っていく。

「改めて紹介しよう。私がこのアマゾーンのリーダーをやってるジュリアナだ。クラスは剣士で相棒はそのフランベルジュ(両手剣)だ。」
「私はアルベルティーナよ。クラスは白魔術士よ」
「アタイはルイサだニャ。クラスは狩人にゃ」
「ネイジ。戦士やってる」
「最後が私アゼナイジよ。黒魔術士をやってるわ。ネイジとは双子の姉妹よ」

お互いの紹介が終わり、これからのことについて話し合う。

「今回の目的は、ダンジョンボスを攻略することだ。理由は、Cグレードの武器をドロップするとの噂がある」
「噂だけニャ?」
「そうだ。ここ4~5年ボスにたどり着いた者がいないため確証がないんだ。ただ、Cグレード武器がドロップしなくても階層が深いため、いい経験値を含めいい稼ぎにはなるはずだ」
「ドロップ品の扱いはどうするんです?」
「もし、仮にボスから武器がドロップした場合だが、その種別の武器を使用している者に優先に渡したい。片手鈍器が出たらネイジ、弓が出たらルイザといった具合にだ。誰も使用していない武器が出た場合はラウラの工房で高値で買ってくれることになっている。それを皆に分配する。異論はあるか?」

全員、異論がないのか首を横に振る。

「ジュリアナさん、俺の条件は皆さん了解済みですか?」

念のため聞いておく。

「おっと、そうだ忘れるところだった」

(やっぱり忘れてたのかよ!)

「カムイからパーティに参加するにあたって、1つ条件が出された」
「条件ニャ?」
「カムイに関することでダンジョン内で見たことや起きたことは一切口外しないこと、これが条件だ」
「なんか意味ありな条件だねぇ」
「皆、了解できるな?」
「いいわ」
「判ったニャ」
「・・・・判った」
「いいわよ」

全員が同意する。

「では、準備ができたら出発しようと思うんだが・・・・」
「あ・・・・」
「なんだ、カムイ?」
「ミックスシュースをもう1杯いいですか?」

緊張感のカケラもないカムイだった。
結局、MMORPGでも良くある、レベル上げなんかの壁(ちょうど40位)で飽きたり、マンネリ化したりとあったりしますよね。それをなんとかして欲しいとのラウラからの依頼でした。
パーティメンバーとのお顔合わせも無事済み、次節からダンジョンを攻略しながらパーティとしてのレベル上げに入ります。
何話か続く予定ですので、お付き合い下さい。


お読み頂きありがとう御座います。
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