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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第2章 冒険者 黎明編

49/96

第24節 光と闇の神殿 魔物氾濫事件

アロンからもどってきてみると、遺跡から天使と悪魔が溢れ出て、ヴューベルが大変なことになってました。
戻って早々、収束に借り出されるカムイ。
ヴューベルの街は果たしてこの危機を乗り越えられるのか・・・

黎明編の最終節になります。

9/26 誤字脱字、文章表現を一部見直しました。
カムイは、アロンの冒険者ギルドでタドンバッシェ、モンティーニョの首と引き換えに30枚の金貨を受け取り、受付に滞在証明書を返却する。

「なんか、色々あったけど装備一式貰えたのはラッキーだったなぁ」

感慨深げに装備を見る。

「この装備ならLv40超えても急いでCグレード装備作んなくても大丈夫そうだな」

自分のLvが40に近いこともあり、直ぐの換装も考えていたのだが思わぬ収穫に笑みをもらす。

「さて、帰るか」

リターンを唱えヴューベルに戻る。
ヴューベルの教会に戻ったカムイは、街全体が緊張感に包まれていることに気が付く。
取りあえず、賞金首の盗伐報告、ベルデロンの余った素材や証明部位を売却するためにギルドに向かうが、急いでどこかに向かおうとする冒険者たちとすれ違う。
その多さになにかあったのか、顔見知りの冒険者を捕まえ事情を聴いてみる。

「なにすんだよ。急いでんだよ!」
「悪い悪い。ところで何かあったのか?」
「あぁ、カムイか。聞いてないのか?」
「何を?」
「何をって、光と闇の神殿から突然魔物が溢れ出してきたんだよ!詳しいことはギルドで聞いてくれ!」

そう言って、仲間の後について走って行く。

「光と闇の神殿から?」

ヴューベルの南東に光と闇の神殿と言われるモニュメント(遺跡)がある。
上中下3層に分かれているモニュメントだが、これまで中に魔物の存在は確認されていなかった。
それが、急に魔物が現れ、しかもマジックサークルを通って外に溢れるなんて聞かされても俄かに信じられなかった。

カムイは、急いでギルドに向かう。
まずは、情報を集めることが先決だ。
併せて、図書館で得た光と闇の神殿に関する記憶を引っ張り出す。
その間にも、大勢の冒険者とすれ違う。

ギルドの中に入ると、カレリーナとシータが忙しく冒険者からもたらされる情報を整理している。
ギルバードは、各冒険者に指示を出しながら現地に向かわせている。
ブリケンがいないところを見ると現地で指示を出しているのだろう。

「ギルさん、状況は?」
「おぉ、カムイか。どこほっつき歩いとった!」
「失礼な。俺は・・・「ワシは今忙しいからカレリーナとシータに聞け!」」

よほど拙い状況なのだろう、冗談を言えるような雰囲気ではなかった。
ギルバードのいうとおり、カレリーナに話を聞こうと受付に近づくと、声をかける前にカレリーナがカムイに気が付いた。

「カムイくん。どこ行ってたの?この大事な時に!」
「ギルさんといい酷いなぁ。アロンに行ってたんですよ。装備新調するからベルデロン狩りに行くって言っておいたじゃないですか」
「そうだっけ?って、そんなことより大変なのよ」

(あれ?俺の装備新調がそんなこと呼ばわりされちゃったよ。)

「そんなことって傷つくなぁ・・・。で、なんか光と闇の神殿から魔物が溢れ出てるんですって?」
「そうなのよ、カムイくんも向かってもらえないかしら?」
「だって、結構な数の冒険者とすれ違いましたよ?それで足りるんじゃないんですか?」
「それでもよ。こういってはなんだけどカムイくんが一番頼りになるのよ」

美人からそう言われると悪い気はしない。

(ひょっとして俺ってチョロイ奴?)

「せめてミックスジュースを一杯だけでも・・・」

カウンターに向かおうとしたら、後ろからギルバードの怒鳴る声が聞こえた。

「カムイ、まだそんなところにおるんか!さっさと行かんか!」
「チェッ!人使いが荒いなぁ、もう。行けばいいんでしょ行けば!」

カムイは渋い顔をしながら、光と闇の神殿に向かうのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

光と闇の神殿につくと、予想通りブリケンが指揮を取っていた。

「ブリケンさん、状況はどうです」
「カムイか。やっと帰ってきたな。ご覧の通りさ」

外に残っている冒険者は、怪我などで動けなくなった者たちだけだった。
その冒険者たちも、ヒーラーに回復魔法をかけてもらっていた。

「ようやく外に溢れたエンジェル(天使)ファミリアー(使い魔)を一掃して、一斉に中に突入したところだ」
エンジェル(天使)ファミリアー(使い魔)は、羽は何枚あったか判りますか?」
「ん?確か1枚だったはずだ」

(1枚だとすると最下級の眷属だな・・・)

「判りました。俺も中に入っても?」
「頼む!エンジェル(天使)ファミリアー(使い魔)のどっちを先に制圧するかはお前に任せる」

ブリケンの言葉に頷くと、カムイはマジックサークルで中に入る。
中は、3階層になっており、上の階からエンジェル(天使)が、下の階からはファミリアー(使い魔)が出口に向かって攻め寄せてきていた。
両者ともLvがそれほど高くなかったが、数が多く次から次へと押し寄せてくるため、集まった冒険者たちも侵攻を喰い止るのが精一杯のようだった。

======================================
 名前:エンジェル
 種族:??/天使

 Lv:25
======================================

======================================
 名前:ファミリアー
 種族:??/使い魔

 Lv:25
======================================

「お、カムイ、ようやく来たか。遅せぇぞ!」
「まぁ、そう言わないで下さいよ。来ただけでも喜んで欲しいでですね」
「抜かせ!」
「で、状況は?」
「1匹1匹の強さは大したことはないんだが、どっから沸いてくるのか数が厄介で中々先に進めない状況だ」
「ちょっと確認したいことがあるんで、もう少し頑張って下さい。後でたっぷり暴れますから」

そう言って、真っ直ぐ真ん中の階層を奥に進む。

「お、おい、そっちには何もいねーぞ」
「判ってます」

それでも奥に進む。
光と闇の神殿は、図書館の文献では国内外を含め幾つも発見されてるらしい。
どの神殿も内部に魔物は確認されていないとの記載だった
神殿の作りは規模の違いはあれど3階層からなっており、中階層の奥に光と闇の力を宿した宝玉を封印していると書いてあった。
幾重にも封印されているため、ここ300年は封印が解けることはなかった。

(300年前は、どうやって封印が破られたかは書いてなかったんだよなぁ~)

カムイがその部屋の前に来ると、封印は外部から破られたと言うより、無理矢理強力な力で破壊されたようになっており、中にあるはずの宝玉が無くなっていた。

(これが原因か・・・いったい誰が封印を壊して持ち出したんだ・・・)

原因が判ったところで、元来た入り口に戻る。
冒険者たちも頑張ってはいるが、疲労の色が隠せなくなってきていた。

(ファイアウォール)

取りあえず、休憩のための時間稼ぎに上下階の魔物が出てきている入り口をファイアウォールで塞ぐ。

「今の内に休憩を」
「ふぅ~助かった~。ありがとよ、カムイ」
「上のエンジェルは俺が引き受けます。残りの皆さんは下階層のファミリアーを制圧して下さい」

(しかし、宝玉を回収しても封印があれじゃぁなぁ~)

今後のことを考えるカムイ。

(いっそのことここから持ち出してギルドか国で保管してもらうか。うん、それがいい)

カムイとしては、厄介毎はギルドで処理してもらおうと一人納得するのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

トントン

「入れ」
「失礼します」
「何か進展はあったか」

ロトクルイド男爵家トプランド・ロトクルイドの元にも、光と闇の神殿から魔物が溢れてきたとの一報は入っていた。
その上で、ギルドだけでは対処できない場合、応援要請が来ることになっていた。
スフライドがギルドからの連絡を伝えにきた。

「はっ!ギルドから先程連絡があり、外に溢れた魔物は一掃したとのことです」
「ギルドも中々やるではないか。いや、この場合ギルド長がと言った方が正しいか」
「はい。対応も早く指示も的確だったようです。その上で、『もし万が一に撃ちもらしがないとも言い切れないため、街内外の巡回を強化して欲しい』との要請もきております」

なにかと貴族の騎士団と冒険者ギルドは、住民よりもメンツや縄張り争いに意識に重きを置く傾向が強く、余程のことがない限りこういった協力関係を構築しない組織トップも多い。
そういった意味ではここヴューベルは、ロトクルイド男爵家と冒険者ギルドの間はいい関係が築かれているようだ。

「了解した、と伝えておけ。それと巡回の人員、回数も増やしておけ」
「判りました」

礼をして執務室を出ようとしたスフライドが、何かを思い出したように立ち止まる。

「そういえば」
「ん?」
「本日、ラモーナ様はどちらかお出かけでしょうか?」
「そんな予定はないが?ラモーナがどうかしたか?」
「今日の稽古担当の団員から、時間になってもお出でにならなかったそうなので、急に別なご用が入ったのかと」
「そんな話は聞いておらんが・・・・」

ロトクルイド男爵は、少し考えたあと急に立ち上がりどこかに向かおうと歩きだす。

「付いてまいれ」
「はっ!」

ロトクルイド男爵は、急いで女性用騎士更衣室に向かう。
そして、ノックもせずに更衣室の扉を開ける。

「入るぞ!」

そこには数人の女性騎士が鎧を見につけようとしているところだった。
突然扉を開けられ『キャッ!』と数人が叫ぶが、ロトクルイド男爵は気にもせず普段ラモーナの鎧が置かれている場所を見る。
そこには、あるはずの赤い鎧がなかった。

「誰ぞラモーナを見たものはいるか!」

その問いに、一番後から更衣室に入ってきたのだろうと思われ、まだ着替えをしていない女性騎士が答える。

「ラモーナ様なら北門でお見かけしましたが」

それを聞いたロトクルイド男爵は悪態をつく。
スフライドも、ラモーナがどこに向かったのか判ったようだ。

「あの馬鹿娘が!」
「男爵様」
「判っている。皆、着替えの者もいたようで失礼した。着替えたらスフライドと一緒に光と闇の神殿に行ってラモーナを探し連れ戻してくれ」

女性騎士たちも光と闇の神殿から魔物が溢れたという情報は聞いていた。
男爵の言葉に何が起こったのか理解し、直ぐに騎士の顔になる。

「「「はっ!」」」

(無事でいてくれたらいいが・・・)

ロトクルイド男爵は更衣室を後にしながら無事を願うしかなかった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

「皆さん、いいですか。もう一度確認します」

なぜか、神殿内はカムイが指揮を執るようになっていた。
それについて異論を挟む冒険者はいない。


はじめこそ、『なんでDランクの貴様の指示に従わなきゃならん』と言う者も当然いた。

「良かった~。プレッシャーで気が気じゃなかったんですよ。替わってくれるんですね?」

と言うと『あ、いや・・・』と口ごもり後ずさってその他大勢に紛れる。

(どこの世界にもいるもんだ。出来もしないくせに文句だけは一人前に言うのが)


「上の階層は俺が担当、下の階層が皆さんの担当です」

本来なら、『一人で大丈夫か?』と声をかけてる者がいてもおかしくはないのだが、それについては誰も何も言わない。
カムイが規格外の実力を持っているということを、ヴューベルの冒険者たちが認識し始めていたからだ。

「もうすぐファイアウォールの効果が切れます。攻撃魔法が使える方は合図をしますので、自身で一番威力のある魔法を入り口に向けて放って下さい。その後、タンカー(盾職)が先陣を切って突入し後は殲滅戦です。ファミリアーのLvはそんなに高くありませんから、皆さん思いっきり暴れて下さい」
「「「おぅ!!」」」

疲れも幾分取れたせいもあるが、後方の憂いがなく正面だけを攻撃すればいいとなると自ずと士気も上がる。
それを意識して、ワザと煽るような声もかけた。
後は、みんなの力量に期待しよう。

「そろそろ切れます。用意はいいですか?」

カムイをはじめ、魔法攻撃が出来る冒険者が一斉に魔素(マソ)の集約を始める。
カムイはフレイムを通路幅一杯になるよう魔力を調節し、1つの大きな炎玉を作り出す。

効果が切れ、ファイアウォールが消滅する。
と同時にカムイが合図を出す。

「魔法放て!」

エンジェル側はカムイのフレイムが、ファミリアー側は、フレイムをはじめ、ウインド、サンダー、ホーリーアローといった魔法が飛び交う。
入り口付近にいた魔物はもとより、その後方にいた魔物も屠っていった。

「突撃!」

タンカー(盾職)を筆頭にアタッカー(物理攻撃職)メイジ(魔法攻撃職)が続き、ヒーラー(回復職)も最後に続く。

カムイは、それを見ながらゆっくりとエンジェル側の通路に足を踏み入れる。
カムイの放ったフレイムは、ゆっくりとエンジェルを炎で焼き尽くしながら進んでいく。
普段から、魔法制御のついて色々試しているうちに、魔法の制御について色々発見があった。
魔力で生成された力は、今回のように速度や大きさ、魔力の分割といった制御が可能だった。
生成した魔法は、近くで魔力を供給している限りは、威力が維持されることも確認済みだ。

生命が宿っていれば、少なくとも死体は残るはずだが、炎で焼かれたエンジェルはその場で光の粒子になって消滅する。

(魂の入っていない紛いものか・・・)

マップで最奥の部屋の前でフレイムへの魔力供給を止めて消滅させる。

最奥には祭壇があり、そこに光の宝玉が置かれ燦然と輝いていた。
見ていると、その宝玉からエンジェルが次から次へと生み出されていく。

カムイは、エンジェルには目もくれず祭壇にある光の宝玉を掴み取る。
すると、光の宝玉は輝くのを止め、出現していたエンジェルも一斉に光の粒子になって消えていった。

(こっちは、これでよし!)

「ところで、後に隠れているお嬢さんは俺に何か用でも?」

振り向きながら、入り口の陰から様子を見ていた赤い鎧をきた少女に声をかける。
通路の途中から、コソコソ付いて来ているのは判っていたのだが、ただ見ているだけのようだったので放っておいた。

======================================
 名前:ラモーナ・ロトクルイド(女)
 年齢:18歳
 種族:人族
 クラス:アタッカー
 職業:男爵家長女
 状態:健康

 Lv:19 
======================================

ステータスを見て、思わず目を覆いたくなった。

(ここでも男爵家かよ・・・・)

「で、もう一度聞きますが、俺に何かご用でしょうか?」
「あ、あなたに用があったのではありません。我がヴューベルに魔物が押し寄せてくると聞いて、加勢にきただけです」

いかにも、実践経験はありませんよと主張している、綺麗な鎧を見て苦笑いするしかない。

「それはありがとうございます。でもこちらは終りましたので、下の階に援護に向かいますがどうされます?」

こっちは、終ったと聞いてホッとしているところに、援護に向かうと言われて慌てて答える。

「も、もちろん行くわよ。あ、案内して」
「では、付いてきて下さい。」

元来た通路を引き返していくカムイの後をラモーナもついていく。
少し引き返したところで、前のほうからガチャガチャ鎧の擦れる音をさせる一団が現れる。

「スフライドさん?」
「おぉ。カムイだったのか」
「なんでここに・・・・って、彼女ですね」
「そういうことだ」

スフライドは、困ったような顔をする。
そして、カムイを横切りラモーナの前で膝を突き臣下の礼を取る。

「ラモーナ様、なぜこのような勝手なことをなさったのですか?」

少し、スフライドの声が怒りを含んでいる。
それをラモーナも感じとったのだろう。少し怯えたように答える。

「わ、私だって男爵家の一員です。ま、街に危険が迫っていると聞き、駆けつけただけです」
「はぁ~」

スフライドはため息を吐いたあと、諭すように言う。

「ラモーナ様の街を思う気持ちは良しとしましょう。しかし、ご自分だけでなんとかできると思っていたのならそれは思い上がりです。せめて私か騎士団の誰かを伴につけるなりして頂かないと、男爵様も心配しますし、なにより街のために奮闘して頂いている冒険者の方々に迷惑がかかります」

スフライドに諭されシュンとするラモーナ。
そんな様子を見て微笑むスフライド。

「私からのお小言はこれまでにしますが、帰ったら男爵様からたっぷりお説教をされて下さい。

そう言われ、今度は泣きそうな顔になるラモーナ。
スフライドは、部下にラモーナと屋敷に戻るよう指示を出す。

「すまなかったな」
「いえ、俺の後を離れてついてきていただけのようなので、俺はなにもしてませんよ」

そういって肩を竦める。
カムイとスフライドは、並んで出口に向かう。

出口では、ファミリアー側も無事終わり宝玉を持った冒険者がカムイが来るのを待っていた。

「そちらも無事終ったようですね」
「あぁ。それよりコレどうするんだよ。いつまでもこんなおっかない物、持っときたくないんだが」
「俺が預かりましょう」
「頼むよ。確かに渡したからな」

そういいながら闇の宝玉をカムイに渡す。
そのまま外に出ようとするので、外にいるブリケンを呼んでもらうようにお願いする。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

「じゃぁ、私も戻るよ」

スフライドも戻るというとカムイがそれを制止する。

「あ、スフライドさん、ちょっと待って下さい。領主様にも報告して欲しいことがあるので、もう少し付き合ってもらえませんか」
「今回の件か?」
「えぇ。ちょっと面倒なことになるかもしれません」

暫くすると、ブリケンと一緒にギルバードもやってきた。

「なにか用があると聞いてきたが?」
「ギルさんも一緒ならちょうど良かった」
「今回、魔物が溢れるようになった原因が判りました」
「なんじゃと!?」

2つの宝玉を3人に見せる。

「本来、この2つの宝玉はこの奥に封印されている筈でしたが、何者かの手によって封印が破られています」

カムイは、3人を封印されていた場所に案内しながら、図書館で記憶していた情報を伝える。

「そして、封印されていた場所がここです」
「無残じゃのう・・・」

封印されていた場所をみて誰もが思った感想をギルバードが漏らす。

「残念ながら、図書館では300年前にどうやって封印をしたのかまでは書かれていませんでしたので、例えこの場所を修復したとしても再度封印できるかが判りません。また、封印したとしても、犯人が誰で目的が何なのか判らない以上、また同じことが繰り返されるかも知れません」
「では、どうしろと言うんじゃ?」
「俺としては、ギルドもしくは国で厳重に保管してもらうのがいいかと思ったのですが・・・」
「何か問題でもあるのか」
「えぇ、この2つの宝玉。この遺跡から持ち出すことが出来ないのです。この宝玉を1つないし、2つ持ったままマジックサークルに乗ってみたんですが外に出ることができませんでした」

カムイを含め4人とも、宝玉を見つめたまま黙ってしまう。
少し思案したあと、カムイがボソリと呟いた。

「破壊しましょうか」

その言葉に最初は誰も反応できなかった。
もう一度、こんどは決意を込めて言葉にする。

「破壊しましょう」
「まてまて、破壊して何が起きるか判ったもんじゃないぞ?」

ブリケンが異を唱える。
確かに、図書館の文献にも破壊したとの記録はない。
しかに、他に方法が思いつかない以上仕方が無い。

「判った。ワシの判断で破壊を許可しよう」
「ギルド長、いいんですか?」
「仕方がなかろう。他に方法もないし放っておくこともできまい。他に方法が無い以上カムイの言うとおり破壊するしかあるまい」

ギルバードにそう言われては、ブリケンも承諾するしかなかった。

4人で話し合って、破壊はカムイが封印されていた小部屋で行い、少し離れた場所に何か遭った時に対処できるようにギルバードとブリケンが待機する。
スフライドは、カムイ、ギルバード、ブリケンの3人で対処が出来なかった場合を想定し、更に入り口に近い場所に待機してもらい、何かあれば男爵やギルド、国に応援を頼みに行ってもらうという段取りになった。


流石のカムイも緊張が隠せなかった。

(こんな緊張感、久しく味わって無かったな・・・・)

「それじゃ行きます」

そう言って、まず光の宝玉を床に思いっきり叩きつける。

ガキッ!!

宝玉は砕けず2つに割れ、中からアクセサリーが出てきた。

クリスタルリング(D)    魔法抵抗力:35 + 5 品質A
クリスタルイアリング(D)  魔法抵抗力:48 + 7 品質A

続いて闇の宝玉も実行したが、こちらも同じようにアクセサリーが出てきた。

スモーキーリング(D)    魔法抵抗力:35 + 5 品質A
スモーキーイアリング(D)  魔法抵抗力:48 + 7 品質A

「大丈夫なようです」

(アクセサラーか・・・しかも性能も悪くない・・・)

カムイのその言葉に、再度3人が集まってくる。
出てきたものがアクセサリーだと知って、取り越し苦労で終ったことにホッと胸をなでおろす。

「で、このアクセサリーどうします?」
「お前が貰っておけ」
「いいんですか?」
「いいもなにも、欲しいと顔に出とるわい」

ギルバードにそういわれ苦笑いすると、3人に大笑いされた。
だが、ありがたく頂いておこう。

「それで今回の件なんですが、元々の封印の強度かどの程度のものだったかは判りませんが、300年破られていなかったことを前提とすると、かなり強力な封印だったと推測できます。その上で、犯人の目的が判りませんが、この封印を破壊できそうなのはSランクもしくはそれに準ずる力量があると見たほうがいいと思っていますが、ギルさんはどう見ます?」

元Aランク冒険者であるギルバードにも意見を求める。

「それについては、ワシも同意見じゃ」
「そこで、他にも同様の遺跡が国内外にあるはずです。国外はともかく国内の遺跡を持っている領地には男爵様から国を通して警告を出してもらうのがいいかと思うのですがどうでしょうか」
「判った、男爵様と相談してみる」
「今回は、エンジェルもファミリアーも1枚羽の最下級眷属でしたが、場合によってはそれ以上の眷属が出てくることも想定してく必要があることも伝えておいて下さい。当然、ギルさんにはギルド間での情報連携はお願いします」
「判っておる」
「あ、ただし、宝玉からアクセサリーが出たことは男爵様はともかく、国にも他のギルドにも内密にお願いします。でないと、それを目的とする連中が出ないとも限りませんから」

(しかし、犯人はなにが目的だったんだろうな・・・)

なんか釈然としないカムイだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

「へぇ~、もう収束させちゃったんだ。この街のギルドは優秀なんだね。もう少し混乱して欲しかったが・・・。まぁ、最下級の1枚羽だったし仕方ないか」

光と闇の神殿を見つめる一つの影が呟く。

「でも最下級の神殿でアレだけ強固な封印だったのは想定外だったなぁ。僕もまだまだってことだろうね」

誰に聞かせでもなく呟いたあと、影は遺跡を離れるのだった。
思ったほど、ヴューベルの街に危機になりませんでしたね。
本人が書いてて・・・・アラ? と思ったくらいですから^^;

誰が何の目的で宝玉を使って天使と悪魔を召喚したのかは謎のままです。
でも、被害を出さずに収束したようで、カムイはご褒美にアクセサリーを入手しました。

これで黎明編は終了になります。
次編は、もっと冒険色を出すつもりなので、今回の事件に関連してくるのは次々編以降になる予定です。
次投稿からは、新しい編になりますが、編構成を考える時間が必要なので、すこし更新は遅れるかも・・・。


お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。


ステータス情報
======================================
 名前:カムイ(男)
 年齢:15歳
 種族:人族
 クラス:ファイター
 職業:鑑定士
 状態:健康

 Lv:36 

 体力:1225 
 魔力:1127 

 筋力:50 
 持久力:49 
 器用:59 
 俊敏:62 
 知力:49 
 運:79 

 ボーナスポイント:443 


---【Passive Skill】---
【武具属性】
 [短剣 Lv10]
 [片手剣 Lv1]
 [弓 Lv10] 
 [双剣 Lv5] 
 [軽装備 Lv10]

【戦闘補助】
 [攻撃速度向上 MAX]
 [攻撃力向上 MAX]
 [防御力向上 MAX]
 [魔法抵抗力向上 MAX]
 [命中率向上 MAX]
 [クリティカル率向上 MAX]
 [探索 MAX]

【防御魔法】
 [レジストファイア MAX] 
 [レジストコールド Lv10]
 [レジストウインド Lv10]
 [レジストサンダー Lv10]
 [レジストロック Lv10]
 [レジストホーリー Lv10]
 [レジストダーク MAX] 

【状態異常魔法】
 [異常状態抵抗 MAX]

【生産】
 [鍛冶 Lv10]
 [木工 Lv10]
 [板金 Lv5]
 [彫金 Lv5]
 [革細工 Lv10]
 [裁縫 Lv5]
 [錬金術 MAX]
 [採掘 MAX]
 [園芸 MAX]


---【Active Skill】---
【戦闘スキル】
(短剣)
 [アンロック MAX]
(弓)
 [パワーショット MAX] 
 [ロングショット MAX] 
 [アキュラショット MAX] 
 [クリティカルチャンス MAX] 
 [クリティカルパワー MAX] 

【戦闘補助】
 [隠形 MAX]

【攻撃魔法】
(低位単体)
 [フレイム MAX]
 [コールド Lv10]
 [ウインド Lv10]
 [サンダー Lv10]
 [サンドショット Lv10]
 [ホーリーアロー MAX] 
 [ダークアロー Lv10]
(中位単体)
 [ホーリーレイン MAN] 
(低位範囲)
 [ボルケーノ MAX] 
 [コールドゲイル Lv10]
 [トルネイド Lv10]
 [プラズマ Lv10]
 [サンドストーム Lv10]
 [ホーリークロス Lv10]
 [ダークミスト Lv10]

【防御魔法】
 [ファイアウォール MAX]

【回復魔法】
 [ヒール MAX]
 [ハイヒール MAX]
 [キュアポイズン Lv5]
 [リジェネ MAX] 
 [リザレクション Lv3]

【移動魔法】
 [ファストウォーク MAX]
 [リターン(6/15) Lv5] 
 [エスケイプ MAX]

【生産】
 [鑑定 MAX]
 [隠蔽 MAX]
======================================

装備品情報
======================================
 攻撃力:637(389)
 P防御力:487(314)
 魔法力:541(296)
 命中率:676(186)
 回避率:612(169)
 クリティカル率:672(187)
 攻撃速度:775(214)
 詠唱速度:373(0)
UP魔法抵抗力:669(424)
  ()は装備、スキル補正値

 主武器:ミスリルダガー(D)  攻撃力:80 + 9 品質B
                魔法力:54 + 6
 副武器:ミスリルダガー(D)  攻撃力:80 + 9 品質B
                魔法力:54 + 6

 頭:未装備
 ベルデロンレザーアーマー(D) 防御力:86 + 12 品質A
                魔法抵抗力:43 + 6
 ベルデロンレザーレギンス(D) 防御力:69 + 10 品質A
                魔法抵抗力:35 + 5
 ベルデロンレザーブーツ (D) 防御力:32 + 4 品質A
                魔法抵抗力:20 + 3
 ベルデロンレザーグローブ(D) 防御力:30 + 4 品質A
                魔法抵抗力:21 + 3

 セット効果有
   筋力+3
   器用+3
   俊敏+3
   運 +1

 首:未装備
UP右耳:クリスタルイアリング(D) 魔法抵抗力:48 + 7 品質A
UP左耳:スモーキーイアリング(D) 魔法抵抗力:48 + 7 品質A
UP右指:クリスタルリング(D)   魔法抵抗力:35 + 5 品質A
UP左指:スモーキーリング(D)   魔法抵抗力:35 + 5 品質A
======================================

ギルドリング:八岐大蛇
======================================

 冒険者ランク:Dランク

 クエスト達成数:6

 魔物討伐総数:902 

 討伐レイド:1
  ティーラーク Lv28(D)

 踏破ダンジョン:1
  元始のダンジョン(7)

UP踏破モニュメント:1
  光と闇の神殿(3)

 踏破ラビリンス:0

 踏破タワー:0
======================================
+注意+
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