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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第2章 冒険者 黎明編

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第23節 悪徳商会退治

ニバックルを我が物にしようとする悪徳商会。
それに手を貸す町長にギルドの手配書に載る冒険者と悪役勢ぞろいです。
悪者退治の始まりです!

もっと早くUPする予定が、寝落ちしてたのでこんな時間に・・・。
そのため、校正チェックも甘いかもしれません。
3人はベルデロンの皮を調達するため、ステルシュ村の奥を目指していた。
一旦、ステルシュ村に寄り馬を預かって貰ったあと、徒歩で森の中を歩きながら昨日の夜話をしたことを思い出す。


夕食後、カムイの部屋に集まった。

「今日、商店と露店見て回りましたが、聞いていたニバックルの町とは様子が違うようですが、なにがあったんです?」

カムイは、今日見て回った違和感について2人に話す。

「私が知っている範囲で良ければ教えよう」
「マティアス!」

止めようとするモニカを制して話を続ける。

・元々皮は、各村で皮職人が動物等から皮に加工し、商工会に一旦集められセリを行ってから各店に卸されていたこと。
・今年に入ってから、品質のいい皮はバルボーザ商会が直接村から買っていること。
・直販を拒んだ皮職人の何人かが不審死を遂げていること。
・直販の値段も安値で買い叩かれており、それを拒んだ皮職人も不審死を遂げていること。
・商工会に品質のいい皮が入荷せず、バルボーザ商会傘下に入らなければ入手できす、その値段も高値であること。
・町長に直訴するも、村からの直販は違法でもないし、バルボーザ商会が不審死に関わっているという証拠もないため、取り合ってもらえないこと。
・一部には町長に賄賂が流れているという噂があること。

「なるほどね、だから品質のいい商品を扱っていた店に同じお札のようなもとが貼られてたんですね」

その札が、バルボーザ商会傘下の証なんだろう。
話を聞いたカムイが、合点が言ったというようにうなずく。

「しかし、困ったなぁ。いくら品質が良くてもあの値段では・・・」
「あぁ、そう言えば、昼間2人を尾行していた者はバルボーザ商会子飼いの冒険者だったそうだ」
「そうですか・・・・。とりあえず、明日はステルシュ村に寄ってから目的であるベルデロンを狩りましょう。2人ともそれでいいですか?」
「「判った(わ)」」

これで解散となったのだが、マティアスが部屋を出る際小声で呟く

「あんまりあいつ(キアラ)を苛めてくれんなよ」

カムイは、肩を竦め苦笑いするしかなかった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

ベルデロンは、容姿は熊に似ており全身が水色をしている魔物だ。
繁殖期以外群れることはなく、Lvは少し高めだが攻撃も単調でパーティで挑めばそう難易度は高くない。

======================================
 名前:ベルデロン
 種族:魔物/動物

 Lv:40
======================================

一応、昨夜のうちにルロワ村以来となる弓のLvとスキルを取得しておいた。
なるべく皮に傷をつけたくなかったし、今のステータスなら急所に当たれば1撃で倒せそうだ。

[弓 Lv10]:スキルLv毎に攻撃力に2%の補正 (Lv9×1P)

[パワーショット MAX] (Lv19×1P)
[ロングショット MAX] (Lv19×1P)
[アキュラショット MAX]:スキルLv毎に攻撃力に2%の補正 (Lv20×1P)
[クリティカルチャンス MAX]:スキルLv×20秒間クリティカル確率が50%増加 (Lv20×2P)
[クリティカルパワー MAX]:スキルLv×20秒間クリティカルダメージの威力が100%増加 (Lv20×2P)


早朝、宿を引き払いニバックルを出て予定通り、ステルシュ村に向かう。
道中、マティアスにステルシュ村で直販できそうか聞いてみる。

「難しいだろうな。ステルシュ村もバルボーザ商会に脅されてるとのことだしな」
「そうですか・・・」
「村でその話はしないほうがいいだろうな」
「気をつけます」


馬を走らせること3時間、昼前にはステルシュ村に着くことができた。
村長宅に挨拶に行き馬を預かってもらう。

すると、ちょうどバルボーザ商会の皮の受取り現場に遭遇する。
冒険者らしき5人の男が、倉庫から皮の束を荷馬車に積んでいるところだった。
その様子を建物の陰から見ていたカムイが、あることを思い出す。

(あの冒険者2人・・・確か手配書に載って無かったか?)

以前、ワッハーブに見せてもらった賞金首の手配書を記憶から引っ張り出す。

(そうだ!確かに賞金首だ!名前はタドンバッシェとモンティーニョ。それぞれ賞金金貨15枚)

これを上手く利用できないか考えていると、こんな言葉が連中から聞こえてきた。

「3日後には、慰労会が待ってるんだ。他の村もさっさと回って戻ろうぜ」
「「「おう!」」」

皮を積み込み終わると、次の村へ向かう馬車を見送りながらマティアスに話かける。

「マティアスさん、今奴等が言ってた慰労会を調べて貰えませんか。正確な日時、場所、そして誰が集まるのか」
「判った」

上手くいけば、奴等を一網打尽にできるかもしれない。
そう思いながら昼食を取り、ベルデロン狩りに向かうのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

ベルデロン狩りは、昨晩上げた弓スキルがかなり有効だったこともあり順調に進んだ。
まず、マップを見ながらベルデロンに近づき、ワザと見つかるように音を出す。
すると、猪のように一直線にカムイたちに突進してくるため、急所である眉間を狙い撃つ。

(アキュラショット)

パッシブスキルのクリティカル率向上、アクティブスキルのクリティカルチャンス、クリティカルパワーでクリティカル率を上げているため、狙いやすくなった急所を目掛けて、攻撃力を底上げするアキュラショットを放てば、そのほとんどがクリティカル判定され1撃で仕留めることができた。
楽に狩れるたのはいいが、モニカに『これって、私たち必要なかったんじゃない?』と言われ苦笑いする。

夕方になるころには、40匹のベルデロンを狩ることができ、Lvも1つ上げることができた。


その日は、ステルシュ村に泊めてもらうことにした。
また、調べをお願いしていた情報についてもキアラから連絡が入った。

「カムイ、慰労会の件の情報が入ったぞ。慰労会は3日後、町長をはじめ冒険者や傘下の店主とかも呼んでバルボーザの屋敷で行うそうだ」

自分の力を誇示する気なのだろう。

「カムイ、こんなこと調べてどうするつもりだ?」

マティアスとモニカは、カムイが何を考えているのか判らず、聞いてくる。

「実は、昼間皮を回収にきたバルボーザ商会の冒険者の中に、賞金首が2人いたんですよ」
「それで?」
「その慰労会の日を狙って賞金首を捕まえに行こうと思っています」
「一人でか?」
「えぇ」
「危険すぎるわ!」
「いえ、この場合一人のほうが都合がいいんですよ。なぜなら、Dランク冒険者が一人で乗り込んでもなにもできないだろうと油断させれば、いらないこと(・・・・・・)をベラベラ喋るかもしれませんから」
「それにしても危険すぎるわ。そうだ!マティアスを連れて行けばいいじゃない」
「いえ、それだと向こうが警戒してしまいます」
「どうして?」
「面が割れてるからですよ。男爵令嬢(・・・・)様と第三騎士団副団長(・・・・・・・・)殿は」

カムイからそう言われ、2人は驚いた顔をすると同時にモニカはショートソードの柄に手をかけ剣を抜きかける。

「お嬢!」

マティアスが慌ててそれを制止する。

「でも!」
「大丈夫。カムイは敵ではないですから。もし敵だったら、今頃3人(・・)はどこかで魔物のエサになってますよ」
「3人?私たちは2人しか・・・ハッ!?まさか・・・」
「そのまさかですよ。キアラは、闘技場にいたときから存在はバレてたようです。キャンプ場でキアラを敵か味方かと聞かれた時にカムイを敵に回すべきじゃないと思いましたよ」

モニカは、マティアスからそう言われ、抜きかけた剣を鞘に収め柄から手を離す。

「どうして判った?」

カムイに別の目的があることは悟られはしたが、身分までは明かしていない。
それなのに、何故気が付いたのかと。

「鑑定士を名乗っているのは、伊達ではありませんよ。まぁ、気が付いたのが契約したあとでしたからね。はじめから気が付いてたら契約なんてしてませんでしたよ」

そう言って肩をすくめる。

「目的は、バルボーザ商会・・・ですか」
「そうだ」
「理由は、昨晩宿で話した通りだ」
「でもなぜ男爵家が?」
「町長に陳情してもラチが明かないとみた商人数名が、男爵家に直接陳情に来たのよ。もともと男爵家でもニバックルの様子がおかしいことは掴んではいたの。でも証拠がなく手が出せなかったのよ」
「バルボーザ商会に逆らった者が何人か不審死をしていることは話したな」
「えぇ」
「公表はされてないが、騎士団の密偵も1人その中に含まれているんだよ」
「そんな時、アロンの冒険者掲示板にカムイの依頼があるのを見て利用させて貰おうと思ったの。依頼なら堂々とニバックルを歩けるとね。しかし、付いた早々尾行が付くとは思わなかったけどね」
「それは、アロンにも仲間がいるんでしょうね。向こうも男爵家の動きはきになるのは当然でしょう。ニバックルを掌握する前に男爵家に手を出されるのは避けたいはずですから」
「あ・・・、考えればそうね。迂闊だったわ」

カムイは、話を慰労会に戻す。

「それで、慰労会についてですが、当日までに秘密裏に騎士団をニバックルに入れることは可能ですか?」
「可能だと思う。どの程度いればいい?」
「敵の数が不明ですが、15~20人もいれば大丈夫だとは思います」
「判った手配しよう」
「それと、さっきは私一人でと言ったのですが、私だけの証言だと捕まえてもシラを切られる可能性があります。そこで、男爵家から誰か信用が置けて腕の立つ人を出して貰えませんか」
「それも手配しよう」

慰労会まで怪しまれないよう、もう1日ステルシュ村でベルデロン狩りをしながらLvをもう1つ上げてニバックルに戻った。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

マティアスとキアラの手配の元、第三騎士団20人が商人とその護衛、旅人、冒険者に偽装してニバックルに入ってきていた。
普段、騎士団は防御力が高い重装備を着用しているが、重装備は嵩張る上に音がするため発覚を恐れ軽装備に変えている。
これもカムイの指示だった。

ニバックルの町も朝から(せわ)しかった。
慰労会の準備のための食材や酒といった物資が、引っ切り無しにバルボーザの屋敷に運び込まれる。
商店や露店も開いているのは、バルボーザの傘下に入っていない人たちだろう。

カムイとモニカは宿に待機していた。
マティアスは、カムイと一緒にバルボーザの屋敷に潜入する仲間を迎えに行っていた。

トントン

部屋の扉をノックする音が聞こえた。

「どちら様で?」
「私だ」

どうやらマティアスが仲間を連れて戻ってきたようだ。
ドアを開けると、マティアスとローブに身を包み深くフードを被った人物がいた。
2人を部屋に招き入れる。

「遅かったじゃない」
「すいません。ちょっと人選に手間取ったもので」

なぜか、マティアスの表情が硬い。
カムイは、マティアスが連れてきた仲間のステータスを見て、椅子から勢いよく立ち上がると、椅子が後ろに倒れた。

ガタン!

「マティアスさん、正気ですか!?」

(なんて人連れてくるんだ!)

「いや、私は反対したんだ。だがどうしてもカムイに合わせろと頑として聞いてもらえないのだ」

マティアスも困った顔をする。
するとフードを被った人物が、マティアスを庇うように口を開く。

「そうマティアスを責めんでやってくれ。私が無理を言ったんだ。だが、腕には自信があるから条件には合ってると思うぞ?」

その声を聴いて、モニカはその人物に心当たりがあるようだ。

「えっ!?お父様?」

そう、マティアスが連れてきた仲間とは、ウォーター・タヌマリ男爵本人だった。

======================================
 名前:ウォーター・タヌマリ(男)
 年齢:49歳
 種族:人族
 クラス:騎士
 職業:男爵
 状態:健康

 Lv:38 
======================================

被っていたフードを取ると、そこにはもうすぐ50にもなろうかと言うにはあまりにも若々しい人物が顔を覗かせる。


「君がカムイか。確かに外見は魔族と間違われても仕方がないな。でも、なかなかいい男じゃないか。モニカとマティアスが世話になっているようだな。礼を言う」

そう言って頭を下げる。

「頭を上げて下さい。依頼を出してサポートしてもらっているのは俺のほうですから」

そう言って椅子に座るよう勧め、自分も倒れた椅子を戻しながら座り直す。

「しかし、本当にいいんですか?戦闘になったら助ける余裕はないかもしれませんよ」
「大丈夫だよ。自分の身くらい自分で守れる。それに、これほどの証人はいないだろう?」
「それはそうですが・・・・」

チラッとマティアスを見る。
マティアスは、首を振りながら諦め顔だ。

「判りました。別の人を選んでる時間も惜しいので、男爵様にお願いしましょう。ただし、先ほどのようにローブで顔を隠して事が始まるまで口を開くのは禁止です。よろしいですか?」
「言うとおりにしよう」

そろそろバルボーザの屋敷で宴が始まっているころだ。

「では、俺たちも準備しましょう」

 △▼△▼△▼△▼△▼△

バルボーザの屋敷では宴もたけなわなのか、屋敷の外まで笑い声が聞こえてくる。

屋敷の前には門番が2人立っており、中の様子が気になるのかあまり周りに気を配っていなかった。
そのため、難なく無力化でき、怪しまれないように騎士団が偽の門番として立つ。
カムイとタヌマリ男爵は、そっと庭に回り込む。
やはり屋敷の中は大賑わいで、庭に面した窓やテラスの扉は全て取り払われていた。

どうやら庭から見て左側が上座なのだろう、見るからに豪華な衣装を着こみ周りに沢山の人垣を作っていた。

カムイは、バルボーザよりもタドンバッシェとモンティーニョがいるのかどうかを確かめる。
この2人がいないことには始まらないからだ。

(いた!)

バルボーザに近い位置で、2人並んで酒を飲んでいるようだ。
余り時間をかけると、席を外されても困るため、早速行動に移る。
隣のタヌマリ男爵に小声で伝える。

「行きます。後から付いてきて下さい」

タヌマリ男爵は無言で頷く。

カムイは、堂々と庭を横切り宴で盛り上がっている部屋を目指す。
途中、何人かはカムイに気が付いたが、バルボーザ商会の冒険者だろうと思ったのか、特に気に留める者はいなかった。
そしてカムイは、開け放たれたバルコニーから部屋に入ると、手を叩いて皆の注目を集める。

パンパン!

「皆さん宴たけなわのところ失礼します」
「なんだお前は」
「私ですか?私は冒険者ギルドに所属している冒険者です」
「貴様なんぞ呼んだ覚えはないぞ!帰れ帰れ!」
「ひょっとして、あなたがバルボーザさん?」
「そうだ!ワシがバルボーザだ。判ったらさっさと帰れ!」

酒が入っていることもあり、バルボーザの声で何人かが同調するように『帰れ!帰れ!』と声が飛ぶ。

「そちらに用は無くても、こちらには用がありまして」

そう言って、タドンバッシェとモンティーニョを見る。

「皆さんは、そこにいる冒険者タドンバッシェとモンティーニョが、ギルドから賞金を懸けられたお尋ね者だと知っていましたか?」

カムイがそう言うと場がざわめくが、ざわめいたのはこの宴に招かれた傘下の商店や露店の関係者だけで、バルボーザの近くにいる者はそれがどうしたと言わんばかりの顔だ。

「その様子だと、バルボーザさんも、町長もご存知だったようですね。彼らが賞金首だということを」
「そうとも。それがどうした。こいつらは腕が立つ。それにつまらん情とかではなく金で働く。金の切れ目が縁の切れ目というが、逆に言えば金さえあれば縁は切れないということだ。ワシはこの金でこのニバックルを支配してみせる。それには賞金首だろうがなんだろうがワシのために役に立つ者を雇傭してどこが悪い!」
「逆に、言うことを聞かない者や逆らう者には容赦しないと?」
「フン!当たり前だ!」
「そうやって何人の人を殺してきたんです?」
「さぁな、聞きたきゃそいつらに聞くんだな」

バルボーザは、タドンバッシェとモンティーニョの2人を指差す。
2人は、ニヤニヤしながらカムイを見ている。

「何人だっけ?」
「さぁ~?もう忘れちまったな」

などと軽口を叩く。

「はぁ~。町長、どうしてこんな録でもない奴等を放っておくんです?」
「録でもない奴は貴様だ!ワシはバルボーザの後ろ盾でウォーターに代わりに貴族になりアロンを治める。そのためには、人の一人や二人どうなっても構わん」
「さすが、ワシが見込んだ町長だ。二人でこの領地を手に入れるんだ!」

さすがにこの言葉には、タヌマリ男爵も頭にきたようだ。

「人の一人や二人どうなっても構わんだと・・・誰に代わってアロン治めるだと・・・!?」

その声には怒気が含まれていた。
そしてフードを取るなり怒鳴りつける。

「貴様らのような奴等に、私が何時までも手をこまねいているとでも思ったか!」
「タ、タヌマリ男爵!?」
「ば、ばかな、なぜここに?」

さすがに、この場に男爵が来るとは思ってなかったのだろう、場がいっそうザワつき始める。

「なぜ?貴様らを捕らえるためだ!」

そして、腰からロングソードを抜く。

(あらら、このオッサン。もう抜いちゃったよ。まぁいいか)

「キアラ、合図を」

庭の茂みに隠れていたキアラに、外に待機しているマティアスたちに合図を送るよう指示する。
すると、打ち上げ花火のようなものが打ち上げられ、空中でパンと破裂した。

「男爵は庭に。ここではその得物(えもの)は不利です」
「判った!」

室内では、ロングソードを振り回すには狭すぎるため、庭に出るように指示する。

そうしてるうちに、マティアスたちが表と裏からなだれ込んできた。
その様子を見て、男爵が声を上げる。

「歯向かう者は容赦なく切り捨てろ!死にたく無い者は武器を捨て床に手を置け!」

勝負は、マティアスたちが突入してきた時点で付いていた。
酒が入っていたこともあり、まともに剣を振れるような状態の者がいなかったため、冒険者なども抵抗することなく降伏した。

タドンバッシェとモンティーニョの2人も、酒を飲みフラついた状態ではカムイから逃げられるわけもなく、カムイに喉をククリで一閃され討ち取られた。

ここに、バルボーザの夢は潰えたのだった。


翌日、ニバックルをはじめ各村々にタヌマリ男爵の名前の下、通達が出された。

・ニバックル町長及び、バルボーザは、殺人罪で絞首刑とする。
・バルボーザ商会に雇われていた冒険者については、戦奴として売却される。
・バルボーザ商会の資産は男爵家が没収する。
・バルボーザ商会傘下で不当な利益を得ていた者については、男爵家で精査した上で利益+利益の10%を没収する。
・これまで不当な金額でバルボーザ商会に買い叩かれていた村については、男爵家で精査した上で返還するものとする。
・バルボーザ商会の手により死去した者については、男爵家より見舞金を送ることとする。

タヌマリ男爵家当主  ウォーター・タヌマリ

 △▼△▼△▼△▼△▼△

カムイは、タヌマリ男爵の依頼もあり、2日ほどニバックルに滞在することになった。
騒動があった翌日は、流石に町全体が騒然としていたが、2日も経てば少しは以前の様相を取り戻しつつあった。

その間、簡単な事情聴取があっただけだったので、あるベルトを探しに商店や露店を回っていた。
そのベルトとは、ホルスターが付いていないガンベルト。
つまり弾だけが詰められるベルトが欲しかったのだが、当然この世界に銃がないためそんなベルトは誰も知らなかった。
ならば作ってしまえということで、色々店を回っているうちに意気投合した革職人に製作を依頼した。

さすがは本場の職人だけあって、カムイの下手な絵からでも試作を1時間足らずで作ってしまう。
それを元に細かな注文を出しながら、丸1日試作を重ね満足がいく形になった。
最終仕上げに時間が欲しいとのことだったので、翌日まで待つことにした。


騒動から2日目、カムイは、商工会議所に呼ばれた。
そのため、モニカ、マティアスに連れられて向かっていた。

カムイは、騒動の翌日にマティアスから『今回の礼に商工会が狩ったベルデロンを皮にしてくれる』というので、有り難く好意に甘えることにしていた。
てっきりそれの受取りだろうと思っていた。

商工会議所に付き通された部屋には、タヌマリ男爵、商工会会長、主だった店主、職人たちがいた。
その中には、カムイがベルトを注文した職人もいた。

部屋に入り席に就くと商工会会長が礼を言ってきた。

「まずは町の危機を救って頂きありがとう。この通り礼を申します」

商工会会長が頭を下げると、店主や職人も同様に頭を下げる。

「頭を上げて下さい。私にも目的がありましたから気にする必要はりませんよ」
「そう言われても、町の危機を救って頂いたのは事実。ですから、町として何かお礼ができないかと思っていたところに、マティアス様から、カムイ殿がベルデロン装備を製作するのに皮が必要とお聞きしました。それでマティアス様にお願いし、狩ってきたベルデロンをお預かりしました。町の職人一同で端整込めて作りました。どうぞお納め下さい」

そう言って職人たちが出してきたのは、ベルデロンの皮ではなくベルデロンの装備一式だった。
しかも、そのどれもが素晴らしいできだった。

「こ、これは・・・・」

カムイは、装備を1つ1つ鑑定していく。

ベルデロンレザーアーマー(D) 防御力:86 + 12  魔法抵抗力:43 + 6 品質A
ベルデロンレザーレギンス(D) 防御力:69 + 10  魔法抵抗力:35 + 5 品質A
ベルデロンレザーブーツ (D) 防御力:32 + 4  魔法抵抗力:20 + 3 品質A
ベルデロンレザーグローブ(D) 防御力:30 + 4  魔法抵抗力:21 + 3 品質A

セット効果有
 筋力+3
 器用+3
 俊敏+3
 運 +1

そのどれもが品質Aの一級品だ。

「こんな素晴らしいものを頂いていいんですか?」
「いえ違います」
「え?」
「これくらいしか私どもにはお礼をするものが無いのです。どうか受け取って下さい」

そういって再度頭を下げる。

「判りました。大事に使わせて頂きます。ありがとうございます」

カムイも頭を下げる。

「それとこれな」

カムイが注文していたベルトが置かれた。

ベルトは、装備品ではないのでステータス表示はされないが、これも注文どおりの素晴らしい出来栄えだった。
今のところ、世界に1つしかない1品物だ。

「素晴らしいです。ありがとうございます。それで値段はいくらでしょうか」
「いらないよ」
「いや、それではいくらなんでも・・・」
「今度来たときにでも、店で買い物してくれりゃいいや」

その言葉に涙が出そうになった。

「ありがとうございます」

カムイは、お礼を言うしかなかった。


「あとは私からだな」

タヌマリ男爵がそう言って、金貨の入った袋を出す。

「全部で500枚ある」
「えっ!?」
「受け取ってくれ」
「これだけの装備品を頂いた上に、金貨500枚って・・・流石に受け取れませんよ」
「なんだと!商工会のは受け取って私のは受け取れんというのか!?」

台詞は怒っているように見えるが、みんな顔は笑っている。

「いいから受け取っておけ。あって困るもんじゃあるまい?なんならモニカもつけてやろうか?」
「「えっ!?」」

カムイとモニカから同時に声がでる。

「なんでも、ニバックルを手を繋いで楽しそうに歩いてたそうじゃないか」
「!マティアスあなたね!そんな出鱈目をお父様に言ったのは!」
「いえ、私はなにも・・・」

マティアスは、モニカから目を逸らす。

「ん?カムイはどうじゃ?」
「金貨だけで結構です」
「なんですって!」
「く、苦しい・・・」
「「「「はははははは」」」」

モニカに首を絞められ、皆に大笑いされるカムイだった。
まさか助っ人を頼んだら、タヌマリ男爵自らお出ましとは想定外だったカムイ。
それでも悪徳商会一味は、無事御用となりました。
ニバックルの危機を救ったカムイに町からのお礼は、なんとカムイが製作しようとした装備一式。
しかも品質Aの一級品。
やはり人助けはするものですね。


お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。


ステータス情報
======================================
 名前:カムイ(男)
 年齢:15歳
 種族:人族
 クラス:ファイター
 職業:鑑定士
 状態:健康

UPLv:36 ↑2

 体力:1225 
 魔力:1127 

UP筋力:50 ↑3
 持久力:49 
UP器用:59 ↑3
UP俊敏:62 ↑3
 知力:49 
UP運:79 ↑1

UPボーナスポイント:443 


---【Passive Skill】---
【武具属性】
 [短剣 Lv10]
 [片手剣 Lv1]
UP[弓 Lv10] ↑9
 [双剣 Lv5] 
 [軽装備 Lv10]

【戦闘補助】
 [攻撃速度向上 MAX]
 [攻撃力向上 MAX]
 [防御力向上 MAX]
 [魔法抵抗力向上 MAX]
 [命中率向上 MAX]
 [クリティカル率向上 MAX]
 [探索 MAX]

【防御魔法】
 [レジストファイア MAX] 
 [レジストコールド Lv10]
 [レジストウインド Lv10]
 [レジストサンダー Lv10]
 [レジストロック Lv10]
 [レジストホーリー Lv10]
 [レジストダーク MAX] 

【状態異常魔法】
 [異常状態抵抗 MAX]

【生産】
 [鍛冶 Lv10]
 [木工 Lv10]
 [板金 Lv5]
 [彫金 Lv5]
 [革細工 Lv10]
 [裁縫 Lv5]
 [錬金術 MAX]
 [採掘 MAX]
 [園芸 MAX]


---【Active Skill】---
【戦闘スキル】
(短剣)
 [アンロック MAX]
(弓)
UP[パワーショット MAX] ↑19
UP[ロングショット MAX] ↑19
NW[アキュラショット MAX] ↑20
NW[クリティカルチャンス MAX] ↑20
NW[クリティカルパワー MAX] ↑20

【戦闘補助】
 [隠形 MAX]

【攻撃魔法】
(低位単体)
 [フレイム MAX]
 [コールド Lv10]
 [ウインド Lv10]
 [サンダー Lv10]
 [サンドショット Lv10]
 [ホーリーアロー MAX] 
 [ダークアロー Lv10]
(中位単体)
 [ホーリーレイン MAN] 
(低位範囲)
 [ボルケーノ MAX] 
 [コールドゲイル Lv10]
 [トルネイド Lv10]
 [プラズマ Lv10]
 [サンドストーム Lv10]
 [ホーリークロス Lv10]
 [ダークミスト Lv10]

【防御魔法】
 [ファイアウォール MAX]

【回復魔法】
 [ヒール MAX]
 [ハイヒール MAX]
 [キュアポイズン Lv5]
 [リジェネ MAX] 
 [リザレクション Lv3]

【移動魔法】
 [ファストウォーク MAX]
 [リターン(6/15) Lv5] 
 [エスケイプ MAX]

【生産】
 [鑑定 MAX]
 [隠蔽 MAX]
======================================

装備品情報
======================================
UP攻撃力:637(389)
UP防御力:487(314)
 魔法力:541(296)
UP命中率:676(186)
UP回避率:612(169)
UPクリティカル率:672(187)
UP攻撃速度:775(214)
 詠唱速度:373(0)
UP魔法抵抗力:479(234)
  ()は装備、スキル補正値

 主武器:ミスリルダガー(D)  攻撃力:80 + 9 品質B
                魔法力:54 + 6
 副武器:ミスリルダガー(D)  攻撃力:80 + 9 品質B
                魔法力:54 + 6

 頭:未装備
UPベルデロンレザーアーマー(D) 防御力:86 + 12 品質A
                魔法抵抗力:43 + 6
UPベルデロンレザーレギンス(D) 防御力:69 + 10 品質A
                魔法抵抗力:35 + 5
UPベルデロンレザーブーツ (D) 防御力:32 + 4 品質A
                魔法抵抗力:20 + 3
UPベルデロンレザーグローブ(D) 防御力:30 + 4 品質A
                魔法抵抗力:21 + 3
 セット効果有
   筋力+3
   器用+3
   俊敏+3
   運 +1

 首:未装備
 耳:未装備
 指:未装備
======================================

ギルドリング:八岐大蛇
======================================

 冒険者ランク:Dランク

 クエスト達成数:6

UP魔物討伐総数:902 ↑141

 討伐レイド:1
  ティーラーク Lv28(D)

 踏破ダンジョン:1
  元始のダンジョン(7)

 踏破モニュメント:0

 踏破ラビリンス:0

 踏破タワー:0
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+注意+
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