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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第2章 冒険者 黎明編

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第19節 ベギール国立図書館

今回は、魔物情報や素材情報等の情報収集のため、図書館で静かに読書です。

9/15 表現に関して何ヶ所か見直ししました。
カムイは、今、王都に来ていた。
なぜか?
話は、今朝のカミアとの会話に遡る。


「ん~、これはどうしたものか・・・」

カムイは、今、頭を悩ませていた。
2杯目のミックスジュースをストローで掻き混ぜながら、ウンウン唸っていた。

「なんだいなんだい、朝っぱらかウンウン唸ってばかりで、辛気臭いったらありゃしないよ」

その様子を見ていたカミアが商売の邪魔だと言いたげに声を掛けてくる。

「すいません。ちょっと悩み事あってどうしようか考えてたもんで・・・」
「悩み事?お前さんにしちゃ珍しいね?」
「そりゃ俺だって悩み事の1つや2つありますよ」
「そうかい?普段見てるとそんな風には見えないけどねぇ~」
「ひどいな~」

そしてまた考え込む。

「で、一体何を悩んでんだい?」
「え?あぁ、装備を新しく新調したいんですが、素材をどうやって手に入れるか判らなくて困ってるんですよ」
「素材?ん~食べ物の素材ならウチの人に聞けば判るんだけどねぇ~」
「ははははは。俺が必要なのは武器や防具用ですからねぇ~」

そう言って苦笑いする。

「判らなきゃ調べりゃいいじゃないか」
「調べるったって・・・・調べる・・・・そうだ、図書館だ!なんで気が付かなかったんだろう!女将さん、ありがとう!」

カムイは氷で味が薄くなったミックスジュースを一気に飲み干し、牛歩亭を飛び出していった。

「いったいなんだったんだろうねぇ」

残された女将は呆れた顔をしながら呟いた。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

そういった訳で、カムイは図書館を目指して歩いていた。

王都の地図は、特産品の視察にきた際に王城付近を除きマップ開放してある。
さすがに貴族街より先は警備が厳しく、近づくことさえできなかった。
まぁ、一生縁が無い場所だろうと思っていたので、気にも留めていなかった。


暫くして、図書館の前に到着したのだが、国立というからには相当立派な建物だろうかと期待していた。
だが、実際には思ってた以上に質素な建物だった。

1階の入り口をくぐると、受付と書かれたプレートが見えたのでまずそちらに向かう。
そこには3名の女性職員がおり、利用者の案内を行っていた。
窓口の職員もカムイに気が付いたようで、用件を聞いてきた。

「いらっしゃいませ。本館のご利用でしょうか?」
「えぇ。本の閲覧をしたいんですが初めてなんです。利用するにはどうすればいいんでしょうか?」
「判りました。ではご説明させて頂きます」

職員の女性が丁寧に教えてくれた。

・開館時間は午前10時で閉館時間は16時である。ただし、貸出・返却業務は15時30分までである。
・図書館を利用するには図書カードが必要になり、初めての利用者は発行手数料銀貨2枚を支払うことで、個人用の図書カードを発行してもらえる。
・図書カードを破損・紛失した場合には再発行が可能だが、再発行手数料として銀貨1枚支払う必要がある。
・発行された図書カードには、個人が借りた書籍名と貸出日、返却日等が記載される。
・館内に入るには、図書カードを受付の奥にある警備員に提示することで、本が所蔵されている本館に入ることができる。
・本館には、4名の司書が在籍しており、本の貸出・返却業務や目的の本が見つからない場合の案内等をしてくれる。
・本館内で閲覧する分には料金は発生せず、メモに書き写す等も自由である。
・本を借りる場合には、本によって貸出料金が決まっており、それを貸出日数の申告に合わせて貸出料金を支払う。
・返却の場合は、申告した貸出日数以内であれば問題ないが、遅延した場合には延滞料金を支払う必要がある。
・故意、過失を問わず、本を破損させたり紛失した場合には、高額な弁償費及び、3年間立ち入り禁止のペナルティが課せられる。
・発行手数料や貸出料金については、新書の購入や劣化した書籍の補修等図書館の維持・管理に使用される。
・本館内での飲食、喫煙はもちろんのこと火気類の持込みは厳禁で、入り口の警備員のチェックで見つけた場合には2年間立ち入り禁止のペナルティが課せられる。

「以上になりますが、図書カードの発行を希望されますか?」
「お願いします」
「承知しました。お客様はギルドリングをお持ちのようですので、こちらの発行機ですぐに発行が可能です」

そういって、ギルドリングを作成したときのような球体状のマジックアイテム(魔道具)を示す職員。
その指示に従って、手を添えると2分ほどでカムイ専用の図書カードが発行された。
カムイは、銀貨2枚と引き換えに図書カードを受け取り、図書館の本館に向かった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

本館入り口の警備員に図書カードを提示し中に入ると、入る前に思っていた感想が恥ずかしく思われる程の幻想的な空間がそこにはあった。
3階層ある3方の壁一面に本がビッシリと収蔵され、さすがのカムイも感嘆の声を漏らす。

「す、すごい・・・・」

1階から3階まで吹き抜けになっており、1階には本を読むためのテーブルが多数並べられていた。
圧倒的、いやもはや芸術的とも言えるその空間に驚くとともに、懐かしい本の香りに暫し呆然としていると、女性職員が声を掛けてきた。

「どうかなさいましたか?」
「あ、いえ。今日初めて利用するのですが、あまりの冊数の多さというか迫力に魅入ってました」
「そうでしたか」

素直に感想を話すと、女性職員は笑顔を見せる。

「何かお探しの本とかございますか?」
「探している本は何種類かあります」
「よろしければご案内致しましょうか?」
「ありがとうございます。ただ、もう少しこの雰囲気を楽しみたいので自分で探してみます」
「そうですか。もし、判らなければ我々司書にお尋ね下さい」

そう言って、元いた場所に戻って行った。

カムイは、お礼を言った後、まず3階に上っていく。
上っていく途中で、カムイはこの光景や雰囲気に見覚えがあるような気がしていた。

(ここに来たのは初めてなのに、この光景に見覚えがあるんだよな・・・なんでだろう?)

1階から2階、2階から3階に上ってから下を見下ろす。

(あ、思い出した!幻想図書館だ!)

現世でブラジルに旅行に行った際、リオデジャネイロにある幻想図書館に観光で行ったことがあった。
幻想図書館では、図書館と言いつつ本の貸出どころか触れることも厳禁だったが、まさにその幻想図書館に雰囲気がそっくりなのを思いだした。
ただ、広さでいえばここのほうが2まわりくらい大きい。

理由が判りスッキリしたところで、お目当ての本を探し始める。
カムイが探しているのは、地図、魔物情報、素材情報、ダンジョンやラビリンス等の位置情報が載った本だ。

3階の階段近くにある大まかな配置図には、それらしい分類の本は無いようだった。
それでも、ひょっとすると興味を引くような内容の本があるかもしれないと思い一応見てまわる。
しかし、やはり興味を引くような本はなく2階に移動する。

2階では、ダンジョンやラビリンス等の情報が載った本を見つけた。
どうやらベギール国内だけでも結構な数があるようで、4分冊に分かれていた。
とりあえず、その4冊を持って1階に移動する。

1階では、魔物情報、素材情報の本があった。
魔物情報は地域別に分かれており、素材情報についても素材の種類毎に分かれていたため、2階分を合わせると15冊になっていた。
とりあえず、それらを1階の机に積んで読み始める。

周りからは『そんなに1度に読めるのか?』とか聞こえてくるが、カムイは気にしなかった。

まず2階から持ってきた4冊を読む。
と言っても1頁1頁読むわけではなく、頁をパラパラとめくっていくだけだ。
周りからみるとまず読んでるようには見えないが、カムイの頭の中には入っている。

というのも、カムイは元の世界でも独自の速読術を持っていた。
一般の速読術は、視幅を広げ、視速を速めることで速読を行う。
視幅は視野で認識できる範囲、視速は視線の移動速度のことで、視野で認識できる範囲を広げ視線の移動速度を速めれば、文章を認識するスピードを上げる。
カムイはというと、視幅が一般人より広く、それを文章として認識するのではなく(イメージ)として記憶することでスピードを上げている。
そう言った意味では速読術ではなく、速記憶術とでも言えばいいか。
そのため、1冊記憶するのに4~5分で済んでしまう。

書棚から持ってきた本を次々と記憶していくカムイ。
結局、2時間も掛からないうちに15冊全てを記憶することができた。
ただ、何ヶ所か書籍間で記載に矛盾があることに気が付いた。

聞きたいこともあったので、先ほど声を掛けてくれた司書を呼んでもらう。

「なにか御用があるとか伺いましたが?」
「欲しかった情報が載っている本を読ませて頂いたんですが、何ヶ所か書籍間で記載に矛盾があるようなんです」
「えっ!?」

司書は、カムイの周りにある本の数を見ながら聞いてくる。

「まだ入館されて2時間くらいしか経ってませんが、本当にこれを全部お読みになったのですか?」
「はい。これが、矛盾があった本の名称、頁、内容です」

カムイがチェックしたメモを受け取った司書は、確認のためにメモに書かれた本同士を確認する。
確認してく間に、どんどん司書の表情が険しくなる。

「はぁ~。確かにこのメモにあるように矛盾しているようですね。申し訳ありません」
「いやいや、あなたが謝ることではないですよ。本を作成した時に書き間違えたのかもしれませんし、そもそも作成のための情報が間違えてたのかもしれないですしね。ともかく司書の方が謝る問題ではないですから」

司書はカムイの言葉にホッとする。

「ところで1つ質問があるのですが、ここには地図は置いてないんでしょうか?」
「地図ですか?どの程度詳細な地図をお求めか判りませんが、あそこの壁に貼ってあるような大まかなもの以外は当館には置いておりません」
「え?そうなんですか?」

司書が言った先の壁には、ベギール国内の大まかな地図があった。
誰がどの辺りの領地を治めていて、街や村の位置が大雑把に書かれたものだった。
無いというのもおかしな話だと思いつつ、とりあえずはこれだけでも無いよりはと思い壁に貼ってある地図を記憶する。

これで今日の目的はほぼ達成することができた。
そのため、本を戻そうと持ち運ぼうとしたことろ、司書が制止する。

「あ、本はそのままで大丈夫です。こちらで戻しますので」

おそらく、間違った位置に戻されないための処置なんだろう。
棚への返却は司書が行うらしい。

「判りました。よろしくお願いします」

カムイは、お礼を言って図書館を後にする。

「さて、必要な情報は揃った。また忙しくなるぞ~」

Dグレード装備製作のための素材集めに、今から気合を入れるカムイだった。
無事、必要な情報は入手できたようです。
次節からはDグレード装備製作のための素材集めに奔走します。

あと、速記憶術の記載部分についてはフィクションですので悪しからず・・・って当たりか^^;。


お読み頂きありがとう御座います。
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