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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第2章 冒険者 黎明編

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幕間 王都へ特産品の状況視察

特産品の状況視察第一弾です。
幕間にする予定ではなかったのですが、予定を変更しました。
今後もなにかにつけて、幕間で視察の様子は入れていく予定です。
いつ入れるかは、思いつきになりますが・・・
レイド討伐が2日後ということに決まり、Eランククエストも依頼ボードになかったため、カムイは、今王都に来ている。

ここのところ忙しく、様子を見に行けていなかったノップス商会に依託した特産品の状況を視察するためだ。

今回で王都は2回目なのだが、前回と同様に風貌による混乱を避けるため薄手のコートを着込みフードを深く被っている。

以前、ノップスから地図を貰っていたのだが、地図の始まりがヴューベル側に近いと思われる南門と書かれた場所からになっていてるし、前回ナタリーと来た時と同様に今回もリターンで移動してきたのだが、前回来た時とは違う教会に着いていた。
ナタリーと来たときに、商業区にあると教えてもらったが、自分が今王都のどこにいるのかさえ分からない状態であるため、とても自力で商業区にいける自信がなかった。

目印になるものと言えば、中央に聳える塔が見えるくらいだ。

(仕方ない。とりあえず塔を目指しながら人に聞くしかないか・・・)

カムイは、塔を目指して歩き始めた。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

20分くらい歩いただろうか、ようやく塔のある場所に到着する。
そこは大きな広場のようになっており、家族連れや恋人同士だろうかベンチに座って談笑する姿が見られた。
また、公園の所々では露店も出ており、あちらこちらからいい匂いをさせていた。

そんな中、広場の一角にインフォメーションらしきボックスがあるのを見つけた。

(あそこに聞いてみるか)

近づいていくと、ボックスには2人の修道女らしき女性が座っていた。

「すいません。王都に来るのがはじめてで道に迷ってまして・・・。商業区まで行きたいのですが道をお聞きしてもいいでしょうか?」

と聞くと、1人の修道女が対応してくれた。

「それは大変でしたね。道をお教えするのは構わないのですが、当インフォメーションは教会の慈善事業の一環となっておりまして、有料となっておりますがそれでもよろしいでしょうか?」
「ちなみにお幾らでしょうか」
「地図付きで最低銅貨3枚からとなっています」

彼女が最低3枚からといったのは、3枚以上ならいくらでも寄付として受け付けますよといった意味が込められているのだろう。

「ではこれで・・・」

そう言って、カムイは銅貨5枚を差し出す。
銅貨5枚出したのは、少し余計に出しておけば邪険な扱いはされないだろうと思ったからだ。

「ありがとうございます。商業区でしたね」

そういってテーブルに積んであったパンフレットもどきを1枚取り、地図の部分を広げ広場からの道順を教えてくれた。
ついでに、ルロワ村の人達はめったに王都に来る機会なんてないだろうからお土産にとパンフレットもどきを追加で銅貨9枚払って3枚もらうことにした。

「助かりました。ありがとうございます」
「神のご加護がありますように」

彼女にお礼をいったあと、教えてもらった通りに歩くと、外路地に商業区の看板が見えた。
あとは通りにいた人たちにノップスの書いた地図を見せならが、ノップス商会に着くことができた。
すでにヴューベルを出発してから1時間以上経過していた。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

店の前では従業員がお客の対応をしたり、商品の補充をしたり忙しく働いていた。

「こんにちは。お久しぶりです」

商品の補充をしている従業員に声を掛ける。

「あっ、カムイさん。お久しぶりです」
「皆さんもお変わりなさそうで」

他の客を接客していつ従業員もカムイに気が付き、軽く会釈をしてきたのでこちらも軽く答えていた。

「ヴューベルでの噂はこっちにも聞こえてますよ」
「どうせ碌な噂じゃないでしょう」
「「ハハハハハ」」

そういいながら笑いあう。

「ところでノップスさんはいますか?」
「いますよ。ちょっと待ってください。店長!店長!カムイさんがお見えですよ!」

従業員が奥に声を掛けると、店の奥からノップスが現れた。

「ようやく来たか!もう少しで手紙で催促するところだったぞ」
「すいませんね。こっちも色々ありましてね」

2人は握手を交わす。

「話は色々聞いてるよ」
「どうせ碌な話じゃないだろうって話してたところですよ」
「「「ハハハハハ」」」
「ここじゃなんだ、奥に行こう」
「えぇ」

そういって奥に行こうとすると、エリィが奥から出てきた。
髪の方は相当艶が出ていて具合も良さそうだ。

「あら、カムイ来てたのね」
「久しぶりですエリィさん。この前会った時より綺麗になりましたね」
「あら?そう?」
「髪が」
「っ!!」

自分を、ではなく自分の髪だけを褒められている事に気付いて、照れ隠しに近くにあった商品を投げてくる。

急いでノップスと2人で奥に退散する。
その時ノップスが困った顔で呟く。

「後でとばっちりがくるのは俺なんだから、勘弁してくれよ・・・」
「スイマセン・・・」

カムイは苦笑いするしかなかった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

店の奥で早速、特産品の状況について聞く。

「塩は、相当評判がいい。戻ってから3日もしないうちに在庫が切れた」
「そうですか」
「得意先の料理店からは、次にいつ入荷するか問い合わせが煩いほどだ。今までの塩と比べると味がまろやかになるらしい。多少値が張ってもいいとも言ってきている」
「それほどですか。でもそうなると次にどのくらい流通させるかが難しくなってきますね」
「まぁそのあたりは、今回思い切って2割ほど値を上げて様子を見るつもりだ」
「そんなに?」
「そのくらいしないと消費者の反応の違いが判らないからな」
「なるほど」

そのあたりのさじ加減は商売人の感覚にまかせるしかない。


「ジャムのほうはどうです?」
「ジャムは、売れてることは売れてるんだが、もっと甘くできないかという声が多いな」
「今は甘みを付けるのに蜂蜜を使ってますからね。砂糖を使えばもっと甘くできますが、そうすると原価が高くなり過ぎますからね。それに砂糖は摂取しすぎると太りやすくなりますから、あまり使いたくないんですよね・・・」
「その太りやすくなるってのは本当なのか?」
「えぇ、だから日常生活でも砂糖の摂取は控えたほうがいいんですけど、それを口に大にしていうと砂糖が売れなくなりますし・・・こっちも難しい問題ですがヘルシーさを前面に出してみましょうか」
「ヘルシー?」
「健康的なって意味です。甘さ控えめで健康的な食品ってことで宣伝してみましょうか」
「判った。そっちは暫くそれで押してみよう」

一応、宣伝の仕方で現代でもよく使われる、ポップのやり方を教える。
『間違っても絶対痩せる』とか嘘は書かないことなど注意点も十分に伝える。
特に、誰かがそう言ったとか、噂で聞いたと言う根拠がない話は信用しないことも注意事項として伝える。


最後になったが、蝋燭について聞いてみる。

「蝋燭なんだが、最初は物珍しさから売れてたんだが、ある問題があってからはあまり売れなくなっている状況でな」
「その問題って、火が消えやすいってことじゃないですか?」
「なんで判った?」

ノップスは何も言ってないのに、カムイが問題を指摘したのに驚いたが、すぐに気がつく。

「ひょっとして、はじめから判ってたのか?風が吹いたら消えるということに」
「まぁそうですね。だって消すとき息を吹きかければ火は消えるじゃないですか。だったら風が吹けば消えることくらい気づきますよ」
「ということは、対策もすでに考えてあるんじゃないのか」
「残念ながらルロワ村に対策のための器具を製作できる人がいなかったんですけど、対策はありますよ」
「なら、最初から教えておいてくれよ・・・」
「いや、ほら、うまく蝋燭だけで売れればラッキーかなって。ハハハハ」

そうやって笑うカムイに呆れるノップスだったが、その対策について聞いてみる。

「実際にはどう対策するんだ?なんか器具が必要とか言ってたが」
「その前にノップスさんに、懇意にしているガラス職人か、錬金術師っています?」
「いることにはいるが、ひょっとしてガラスを使うのか」
「えぇ。蝋燭を風から守るための器具、俺はホヤって呼んでますがそれを作ってもらう職人さんが必要です」

書くものを用意してもらって、ホヤの形状とどうやって蝋燭に付けるのかを絵で書いて説明していく。いわゆる現代でいうところのランプだ。

「絵で示した蝋燭と台座、ホヤを組み合わせたものをランプと呼びますが、ここでのポイントは、ホヤの上下は閉めず空けておくことです。理由は説明してもおそらく判らないと思うのでそういうものと覚えてもらえればいいです」

ノップスは絵を見ながら改めてカムイは特殊なんだと認識するのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

「じゃ、村に行ってきます」
「頼む。できたら入用なものがないかも聞いてきてくれると助かる。その分何度も行き来させることになると思うが」
「構いませんよ。村にお世話になったことを考えればそのくらい」

そういって店を出ようとしていたところに、セフィールをはじめルロワ村への行商に着いてきていた従業員の子供たちが駆け込んでくる。

「カムイ兄ちゃん来てるって?」

これから店を出ようとしているカムイを見つける子供たち。

「あ、いた。カムイ兄ちゃん遊ぼう!」
「「遊んで遊んで!」」
「ごめんな。これからルロワ村に行かなきゃいけないんだ」
「え~~~~~~~~!遊んでよ!」
「また今度来た時な」
「つまんないの・・・」

本当に楽しみにしていたのか、残念そうにしている子供たちをみて少し心が痛くなる。
そんなとき、ルロワ村の子供たちへのお土産用に作ってあったゲームを思い出した。

「今日は、遊んでやれないけど、俺が作ったゲームがあるからそれで我慢な」
「ゲーム?」

カムイは、無限袋から五目版と小さな2色の駒を出す。
五目版のクロス部分は、駒が挿せるよう穴が空けられていた。

「なぁにこれ?」
「これかい?これはファイブ・ポイント・ラインって言うんだ」
「ファイブ・ポイント・ライン?」

カムイと遊べないと知って残念そうだった子供たちは、見たことがない玩具に興味津々になってきた。

「どうやって遊ぶの?」

ファイブ・ポイント・ライン自体のルールは簡単だ。
実演しながら、少しだけコツを交えながら教えていく。
子供たちは、こういったゲームや遊びになると、遊び方を覚えるのも早い。

「次、僕にやらせて」
「私もやりた~い」

といって、すぐ順番の取り合いになる。

「ほらほらケンカしない。ここにもう1セットあるから仲良く遊べるな?」
「「「は~い!」」」

こういったときの子供返事は元気いっぱいだ。

「いいのか、村に持っていく分だったんだろ?」
「幾つか余分に作ってますから大丈夫ですよ」
「すまんな」
「それよりも、これ俺の手作りなんでクオリティがいまひとつなんですよね。あと、子供たちには店の前でできる場所を作ってやって下さい」

それだけ言えば、腕のいい商売人であればピンとくる。

「判った両方とも手配しよう」

ノップスが両方と言ったのは、もっとちゃんとした商品用としての玩具の製作と、それを子供たちが実演で遊びながら宣伝できる場所のことだ。
この世界は日常的に手軽に遊べる娯楽が少ないこともあり、子供だけではなく大人にも好評で爆発的に売れるまでにそう時間は掛からなかった。

「しかし勿体無いなぁ。お前冒険者辞めてうちに来いよ」

真面目に誘われた時には苦笑いするしかないカムイだった。
特産品の蝋燭は、最終的にはランプまで持っていくつもりでしたので、とりあえずの目的は達成ということで。
あと、今回五目並べを出しましたが、ピンとこられたかたはこの手の作品を読みすぎです^^;
当然、今後あれも、これも出てきます^^
(「五目並べ」登録商標かあとで調べなきゃ)


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